しゃどやま
2024-12-08 19:31:10
1397文字
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【宗静……?】新作の冒頭がいやにしっとりしてしまった

宗戴とルーイ+静流の四人で協力するイベントみたいな小説を書いてるんですけど、その冒頭がめちゃくちゃ宗静っぽくて笑ったので読んでもらってもいいですか

 酔った静流を見かけたのは宗雲だった。商業地区との境界にあるバルは、食事も酒も優れている。店主のセンスが良く、好みの音楽をかけていることから宗雲にとっても居心地のいいバルだ。そこで突っ伏して酔う、マナー違反に近い行為をしていたのがスラムデイズの静流だ。宗雲は肩をすくめて、声をかけながら隣の椅子を引く。
「海羽。ここはベッドではない」
「あは、宗雲さんじゃん」
 静流は顔を隠すために乗せていた帽子をずらし、宗雲に微笑みかける。一軒目ではないだろうが、泥酔というほど意識が不明瞭というわけでもない。まだ会話は成立している。
「ベッドまで運んでくれる?」
「お前のリーダーに頼め」
 宗雲が小さく手を挙げる。店主に水とサングリアを一杯頼んだ。
「サングリア? 女のコみたいなの飲むんだ」
「酔うために飲んでいるわけじゃない。味わうために飲んでいる」
 この店に宗雲が来るのは、店主の仕込んだサングリアを飲むためでもある。旬のフルーツを惜しみなく使い、ワインで華やかに仕上げたサングリアは個性に溢れている。季節を感じさせる一品だった。
「かっこいいー。俺も言ってみたいね、そんなこと」
 全く心にもないことを静流は言う。宗雲は返事をしなかった。
 素早く提供されたサングリアは、血のように赤いワインに凍らせたイチゴと、柚子が飾られている。店主の遊び心が感じられた。香りを楽しむと、柚子の後にベリーとシナモンが主張する。甘めだが瑞々しい。
「マスター、俺もぉ」
「水にしておけ」
「ちぇ。先輩は怖いねえ」
 拗ねたように唇を尖らせ、静流は水を手に取る。ちびちびと舐めた。
「ルーイに連絡は?」
「え……するかー」
 静流は嫌そうにうめき声をあげながら、スマートフォンを取り出す。メッセージを打つ間、宗雲は静かにサングリアを口にした。氷をいれてもなお薄まらないフルーツの甘さと、赤ワインの奥行きが混ざり合う。鼻に抜ける香りもアルコールに負けていない。
「しましたよっと。今日はすぐ来てくれそう」
「それでいい。大事にされているか?」
 宗雲の言葉に、静流はけらけらと笑う。
「なにそれ。ルーイは俺の保護者じゃないですよ。世話してるのは俺のほうっていうか」
 静流は笑いながらグラスを手に取り、水であったことに顔をしかめる。
……リーダーってのも流れで決まっただけだし、別にね」
「しかし、最年長でリーダーとなれば責任が伴うだろう。金を出しているのも知っている」
 宗雲は腕を組む。説教にならないよう、穏やかな声を心がけた。
「酒に溺れることを、止めたくはないのか」
「んー……
 苦笑した静流は、グラスを指で撫でる。水滴を弄んでいる。ちら、と甘えるように宗雲を見上げた。
「宗雲さんなら、酒の代わりになってくれたり?」
「ウィズダムシンクスに来ればな」
「あー、また勧誘だ」
 静流は笑う。宗雲も意地悪く肩をすくめてみせる。
「これを呑み終わったら出るぞ」
「はーい……
 宗雲の言葉に返事をしつつ、静流は顔を手で扇ぐ。火照りを冷ましていた。

 静流は気分良さげに歩く。宗雲はその後ろを警戒しながら歩いた。酔って転ぶほどの酩酊ではないが、次の酒場に吸い込まれる可能性がある。
「ん……あれ?」
 立ち止まった静流の背後で、宗雲は立ち止まる。
 ――酒場と酒場の間。青い扉が、開いていた。