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_2nw
2024-12-07 18:30:24
1062文字
Public
18TRIP
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熱中症
かぐくらワンライ
「あー
……
」
手すりに掴まりながらなんとか階段を登りきって自室のベッドに倒れ込んだ。
暑い。だるい。頭痛い。あと、くらくらする。水は一応下で飲んできたけれど、それですぐに良くなるのなら苦労しない。
早く今日生まれたであろう新たな二次を漁りたいのに。スマホを見る気力すらなくて、枕をぎゅっと抱きしめたまま目を瞑った。
眠れないまましばらくそうしていると、階段を上がってくる足音が聞こえてきた。軽くて、乱暴じゃない綺麗な足音。むーちゃんだ。そう思った矢先に部屋の扉が規則正しく二回ノックされた。
「どーぞ」
まだ起き上がるのはつらくて、寝転がったまま声を張って答える。
「ただいま。うーちゃん」
「ん、おかえり」
部屋に入ってきたむーちゃんの首筋には汗が伝っている。普段そんなに汗をかいているイメージがないから今日の外の暑さが窺えた。
「また神の作品を見ているのか?」
「あーいや、そういうわけじゃないんだけど
……
」
起き上がってこない奴のことなんてほっといたっていいのに、わざわざ俺のベッドを覗き込んでくる。目が合う。すると何かに気づいたらしいむーちゃんが心配そうな顔をした。
「うーちゃん。顔が少し赤い」
「
……
気のせいじゃない?」
俺のことを気遣っての指摘だとはわかっているのに、心配をかけたくなくてぶっきらぼうに返してしまう。
むーちゃんはそれをなんと思ったのかわからないけど、顎に手を当てて何かを考えた後、急に顔を近づけてきた。むーちゃんのお姫様みたいに整った顔。いつだかに褒められていた長くて綺麗なまつ毛。息遣い。その全部がすぐそこにあって、石鹸の、制汗剤の香りがする。
なにこれ。近い。体がくっつきそうな距離にいるむーちゃんに懐かしさを覚える。てかこれあれだ。知ってるやつ。何度も見たことあるやつ。だってこの距離はもう、あれしかなくない?
「あ」
「え?」
固まってしまっていた俺はむーちゃんの間抜けな声で我に返った。恥ずかしげに慌てているむーちゃんが珍しくて、なんだか気が抜けてしまう。
「すまない。姫によくしているものだから」
キスを? すぐそこまで出かかっていた言葉を何とか飲み込んだ後に、引き出しからむーちゃんが取り出したそれを見て理解した。
「念のため熱を測った方がいい」
「あぁ
……
ありがと
……
」
差し出された体温計を受け取る。心臓がばくばくしてうるさかった。
あの後熱を測ったら結局微熱だったのだけれど、それが本当に暑さだけのせいだったのかはよくわからない。
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