いしえ
2024-12-06 19:12:41
2958文字
Public DC腐/まじコナ腐
 

最適解はいつも始まり/こめミサこめ(画像SS+文字のみ版)

年越しソバの季節ですので、こめミサこめを。いつもながら、ヒロへの願いを込めて。
ふたりのしあわせがヒロの幸せでもあり、ヒロの幸せがふたりのしあわせでもあるんだよなぁ。
最後に、このあとえっちなことをするかんじで終わってますが、直接的なすけべ描写はないです。







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(以下、文字のみ版)


 年越しソバは"どちら"にするか。最適解は、いつもあの始まりの宿に在る。
「ねぇねぇ、たかあきサァン♡ この僕としましては、今年もっ、おソバ、楽しみにしてるんですケドあわよくば、そのまま、ムフフなカンジでたかあきサンのお傍に居られちゃったりなんかしちゃうともうもうっ、最高すぎちゃったりなんかしてぇ♡」
 ちいさな敬礼まじりにおどけてみせる、警部となってとうに久しいミサオ。断られるはずもないのに、それでも、胸はドキつくのだ。けれど、案ずることなどなにひとつないと、当然のように、にこり笑みが返る。それは、少し日のズレたクリスマスデートを終えた夜のことだった。
「ああ、勿論、今年も予約済みだよ」
「ホントですかァ~!! やったぁ♡ もォ~、たかあきサンのそーゆートコ、ほんっっとスマートでカッコイイですぅ♡ エヘヘ
 すこしお酒は入っているけれど、そうでなくてもたいていこのようにデレついて舌さえ甘めかす。そんなミサオを、高明はじゅうぶんすぎるほどに好ましく思っていた。
「僕ね、思うんですケド
 ミサオが、にこにこ薄紅色の頬で語るを、高明は自然湧き出るやわらな笑みでせせらぎのように聴く。
「ほら、ここのところ毎年、今年もお世話になりましたと明けましておめでとうゴザイマスと本年もよろしくでありますとそれから大大大好きを、誰より最後に、誰より最初に、言える特等席のペアチケット、もらっちゃってるじゃないですかァ。ほんと、ありがたくてうれしいことだなぁって、毎年ね、噛みしめてるんですよォ。なんかもう、それを節目に一年の最後と最初を感じちゃってるくらいで……エヘヘ、いつも、ありがとうございますぅ♡」
 ひときわ一等星じみた破顔が、ちいさく傾ぐ首の動きに髪をさらり揺らし、このあざとさが芝居でないことを承知している高明になお、感慨深くさせるのだった。
、ふふ。まったくもって、同感だよ。それは、僕がミサオに、"愛車"のサイドシートのキープをしているからなんだろうね」
「えへへぼく、その特別席に いっつも得意げなカオしちゃったりなんかしてるんですゥ♡ しかもおソバのオマケ付き! ぼくのこのたくましい胸はね……あ、いや、まあたかあきサンよりはちょォ~っとだけ薄いかもですケドぼくのこの胸はですね、何よりの、誰よりの誇りで、とうとうと~っぷりと、満ちてるんですよ~。これを、幸せって言うんでしょうねぇ
 格好付けぶってコミカルなミサオの、酔いの少し進むが宵とそっくり映し鏡で、そして、そのことばは高明にとってもまるきり、映し鏡だったのだ。
はは! まったくもって同感だ、なんて、同じ言葉以外忘れてしまったみたいに繰り返しになるがこの幸せを甘んじて享受し、そして、何だか頬のだらしなく緩むのさえ、ここちよく思うのだから僕も、キミの影響で、随分とまろみを帯びたんだろうな」
「う~ん? でも、たかあきサン、初めて会ったときから結構そんなカンジじゃなかったでしたっけ?」
ふっ、はは! そうかキミがそう言うなら、きっと、そうなんだろうな。だが、それさえも、キミがそうさせたんだよ?」
「う~ん?? それはよくわからないですけどあっ、でも、ほんと、前から言ってるみたいに、ヒロくんが来たら僕っ、この特別席全然ヨユーで譲っちゃうんで! あ~今年も、ヒロくん、きっとすごく大変な任務ばかりでしょうケド、幸せなこととかうれしいこととかたくさん、抱えてるといいですねぇ
 "知っている"ミサオの、無垢な願いが、高明の胸に、じゅわじゅわと沁み渡る。
「っ、……あああいつなら、きっと、僕たちが幸せで居ることを一等の幸せだなんて、言ってくれるんじゃないかな」
 にじむ涙腺で、それでも、高明はミサオからも現実かもしれない残酷からも目を背けることは決してしなかった。意図的に少しお澄ましぶって、ぱちりと、一等星のウインクをしてみせた。
「えぇ~、そんな、ヒロくん格好良すぎちゃいますよォそんなコト言ったら、ヒロくんの幸せだって、ぼくたちの幸せなんですもんね! うぅ、ぼく、なんか、泣けてきました……
 べしゃべしゃと上戸じみたミサオのわんわん泣くのに、つられて、こらえていた高明もぽろぽろと、涙の琴をつまびくのだった。
「ッ、っ、く…………
「ふぇぇ、ヒロくぅん、元気してるかなぁ! 今度会ったらっ、県境のあの宿で、一緒におソバ、たべくらべしたいなぁっ!」
ああいつも取っている三人部屋に、アイツがひょっこり、顔を出すんじゃないかって、今年こそ思うよ
 そう、ふたりはいつも、あの県境の宿を予約する際にいつ景光が合流してもいいよう、決まって三人部屋をとっていたのだった。祈りと願いと、希望がそこに、いつも、必ず込められていた。
「ぅっく、ふぇ、ぅぅ……ねぇ、たかあきさんぼく、思うんですケドぼく、たかあきさんと居られてほんと毎日が幸せ三昧で、これを幸せって言うんだろうなぁ、って、噛み締めててだから、ヒロくんも、絶対の絶対に、どこかで幸せに、過ごしちゃってると思います! じゃないと、ぼく、釣り合いがとれてないですよってお天道様に文句言っちゃうんですから!」
 頼もしいこいびとが、ああ、今日も、後光さえささんばかりにまばゆく、高明は目を、細めるのだった。
ああ。その時は、当然、僕も一緒に、言ってやる」
「たかあきサンなら、絶対論破できますね! あっ、でも、言う必要ないのがほんと、いちばんですねぇ
「ああそうだな」
 少しの間だけ、沈黙。そして、転換でもなく純粋に、高明はミサオに就寝を勧めた。
さて、そろそろ、寝ないと明日に障るよ、ミサオ」
 ベッドへと連れて行こうと、てのひらを差し出す。すると。
「障っても、ちっとも、構いやしませんケド
 しなり、するりと重ねられた手に、にこり、いたずらっ子の笑み。よい子はとうに眠る時間だし、そうでないならば、それなりに、相応の過ごし方があるというもので。
 こどもじみた笑みに反し、しとり気帯びた色香にあてられ、弟には到底見せられないような時間を少々ばかり、過ごすこととする。
……ふふ。それでは、本日も、少々ばかりの"夜更かし"?を、するとしようか」
 うれしそうな、妖艶な笑みは共犯のあかし。するり首に回される腕が、近しさの証をまたひとつ、首元へと刻ませる。
 年末までに、この痕は消えるだろうか? 年始になったら、幾つ在ることだろうか。想像して少々頬の緩むを確かなものとするのはいつも、いつも、最適解のあの始まりだ。
 二人の始まりは、あの宿だ。ふたりの始まりは、あの秘密基地だ。出逢うべくして出逢ったつがいは、今日もまた、宵にふける。常に忘れない祈りと願いが、ふたりを、その眼を未来に広く、向けさせ続ける。
 年越しソバは、"どちら"にするか。そんなささいな最適解が、ふたりを、象徴するようだ。







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