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三毛田
2024-12-05 10:31:01
1068文字
Public
1000字2
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32 032. ノートの切れ端
32日目 まるで呪のよう
「
……
」
「穹、どうした」
「なんでもなーい。ほら、教室向かおう」
下駄箱の、上履きの中。気づかれないように隠すため、握りつぶしてしまったこてに、他意はない。
丹恒には見られたくなかった。あんな、愛憎入り交じるノートの切れ端など。
間違えたわけではないだろう。 だって〝アンタなんか、丹恒くんには相応しくない〟ってあったから。
「相応しい、相応しくない。ってのは、俺たちが決めるべきじゃないよね」
「何の話だ」
「恋心ってめんどくさいって話」
「確かに言えているな」
「俺のこと言ってる?」
「いや。お前の恋心は分かりやすいからな。悪くはない」
「そっかぁ」
嬉しくて腕に抱きつくと、流石に引き剥がされた。
「丹恒がつれない」
「学校だ」
「帰ったら、いいってことだな?」
耳元で囁くと、頭を叩かれた。
ひどい。
さて。この切れ端はどうするべきか。
丹恒に危害を加えられたら、たまったもんじゃない。
「アイタタタ
……
」
「穹?」
お腹をおさえ、座り込む。心配そうな表情に罪悪感が募るが、丹恒のためでもある。
「朝ごはん食べすぎたんかな
……
お腹痛くなってきた
……
」
「はあ。だから、日頃からほどほどにしておけと」
「丹恒、カバンよろしく
……
」
「朝のホームルームまでに戻ってこなかったら、先生には言っておく。が、笑われるぞ」
「それくらいなら、ダメージないし
……
」
食べすぎた腹痛を装い、鞄を預けてトイレに向かうふりをして朝の会議が始まる直前の職員室へ。
「ギャラガー先生、おはようございます」
「おはよう。生徒は、そろそろ教室待機の時間だろうが」
「これあげる」
「
……
目星はついてるのか」
「一応」
ちょっとぐしゃってしまったノートの切れ端を見てため息をついた後、ポケットからメモとペンを取り出して渡してくる。
どうやら、秘密裏に対応してくれるらしい。
「俺が被害を被るのはいいんだ。でも、丹恒を傷つけるのは許さない」
「自己犠牲精神は、後々自分を苦しめるぞ」
「それでも、丹恒と出会えたから今の俺があるわけだし」
「そうか。ほどほどにな」
「うん」
メモを返すとそれを破り取り、ポケットへ入れて。
「停学や退学には出来ない。出来ても、厳重注意だ」
「それでいいんだ。〝第三者に知られている〟って状況が大事だから」
「可愛くないな」
「ちょっと怖い保護者の教育方針でね」
肩を竦めると、頭をポンポン撫でられた。
「何かあったら、早めに頼れ。情報は共有しておくから、俺以外でも構わない」
「わかった」
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