三毛田
2024-12-04 22:07:35
1081文字
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31031. もう一歩、あと一歩

31日目 一歩を飛び越えて

 もう一歩近づけたら、あと一歩近寄れたら。
 何か変わっていたのだろうか。
 何か変えられたのだろうか。
 過去は変えられない。ならば、今を変えて未来をより良いものにするしかないのだ。
「うーん……
「何を悩んでいる」
 スマホを見ながら唸っていたら、丹恒が声をかけてきて。
「銀狼から、ダウンロードしろって送りつけられたゲームなんだけどさ。なーんかイマイチ俺と合わなくて」
「それならば、無理にプレイしなくてもいいんじゃ」
「でも、チュートリアルクリアでもらえるキャラが好みなんだよ……
「どんなキャラなんだ」
「この人」
 と見せたところで、あっと思ったものの丹恒の反応も表情も変わらない。
「強いのか?」
「今回は、見た目かな。性能も悪くないらしいけど」
「なるほど。ならば、チュートリアルだけでもクリアすればいいだろう」
「だよな〜。聞いてくれてありがとう」
「どういたしまして」
 ぽんぽんと頭を優しく撫でられる。
 バレてない。多分。
 だって。
 丹恒みたいな見た目のキャラとか欲しくなっちゃうじゃないか。
 性格まで同じかどうかはわからないけど。
「チュートリアルは終わらせるか~」
 丹恒に会えなくても、会った気分になれるから。
 なんて、下心を持ったのが悪かった。
「えーと……丹恒先生?」
「俺がいなくても、ずいぶん楽しそうだな」
 ベッドで仰向けに寝転がりながらゲームをしていたら、丹恒が上着を脱ぎ捨てながら俺の上に乗ってきた。
 しかも、股間の上にダイレクトに。
「黒髪であれば、誰でもいいのか」
「あうっ」
 ぐりっと軽く動かれて思わず声が出てしまう。
 これ、怒ってる? それとも、妬いてる?
「た、丹恒が一番だって~」
「口では何とでも言えるからな」
 むすっとしながら、俺の上から退いたかと思うとズボンを脱がしてきて。
「た、たんこ~せんせ~!」
 朝まで、何も出なくなるくらい搾り取られました。
 気持ちよかったけれど、俺のプライドとか色々なものがズタズタです。
「ゲームをアンインストールしろとは言わない。が、あのゲームをする時間を俺に割け。いいな」
「はい」
 お風呂でゆったりしながら、俺の胸に寄りかかってごすごす後頭部をぶつけてきて。
「丹恒でも妬くことあるんだ」
「俺も感情を持っているからな。それに」
「それに?」
「恋人に構ってもらえないと、誰だって拗ねるだろう」
 むすっとした表情。
 ああもう。
 可愛すぎるでしょ。
 頬ずりして、顔全体にキスをいっぱい。
「大好きだ、丹恒」
……俺も好きだ」