三毛田
2024-12-05 19:16:00
1527文字
Public アドベント24
 

05. 服の裾を掴む


お互いにそっと掴む

 手のひらに、そっと指先が触れる。
 ひやっとしてちょとびっくりした。でも、それが丹恒の指だって気づいたからそっと握り返して。
「穹、すまない。驚かせたな」
「ううん。丹恒が、俺を頼ってくれたみたいで嬉しい」
「そうか。それならよかった」
「そんな控えめに触れてないで、もっと積極的に触れて」
「だが」
「お願い」
「それ、じゃあ」
 指先が手のひらを撫でた後、そっと絡められる。
「好き」
「そうか。よかった」
「丹恒も好きって言って。欲しいなって」
「ああ。俺も好きだ」
 頬にキスされた。思わず握っていた手を握ってしまう。
「ご、ごめんっ」
「大丈夫だ」
 慌てて手を離そうとするが、逆に握られてしまう。
「穹。お前に傷つけられるのであれば、俺は気にしない」
「もうちょっと気にしてってば」
 頬を膨らませると、微笑んで。
「それだけお前を信頼して、信用しているんだ。もっと誇っていい」
「そうかもしれないけどさ」
「好きだ、穹」
「ああもう! 丹恒、ズルいって」
 思わず叫んでしまった。
 手を離し、その場に座り込む。と、丹恒は隣に座り込んで。
「穹」
「その、夜のあれそれを思い出すのでやめてください……
「お前が望むなら、俺はそれを叶えよう」
 と、耳元で囁かれる。
「丹恒先生」
「どうした?」
 普通の対応なのに、艶っぽい。
 そのせいで、ちんちんが大変なことになりそうなんだけど。
「元気だな、お前は」
 冷たい指先が、ズボンの上から撫でてきた。
「丹恒っ」
「続きは、ベッドで。だな」
 耳に唇が当てられ、ちゅっとリップ音。
「キャー!」
 叫んでしまった。
「冷静になったら、抱かれてやる。それはいやか?」
「い、いいえ。お願いします」
「それまで資料室にいる」
「わかりました」
 今度は逆の耳に、リップ音を立ててキスをしてくる。
 思わず服の裾を掴んで睨みつける。でも、頭を撫でられるだけ。
「いい子だろう?」
「はい、いい子です……
 負けた。完敗だ。
 資料室へと戻っていく丹恒を、見送ることしか出来ず。
「はあ……
 ため息をついて、部屋に戻る。
 下半身は臨戦態勢。冷静になるまで、丹恒を呼ぶことは許されていない。
 とりあえず一回抜く。抜いてシャワーを浴びて、体をリラックスさせて。
「はあ……
 気持ちがいい。
 丹恒と一緒にお風呂に入れたら、もっと気持ちがいい。
 まあ、俺が悪いんだけどね。
 温まったし、体も綺麗にして。
 水分補給もして、丹恒を呼ぶ準備も整った。
「丹恒、迎えに行きます。待っていてください」
 そう送ると、オッケーというスタンプが。
「丹恒先生、俺の部屋に来ていただけますか」
「行こう。俺も風呂に入りたい」
「あ。すぐに入れるように、今新しいお湯を張ってます」
「そうか。それは助かる」
 お風呂セットを持って、俺の上着の裾を掴んで引っ張って。
「丹恒先生、お風呂楽しみ?」
「ああ。今日はどの入浴剤を入れようか楽しみだ」
 その後俺とエッチするのが楽しみなんじゃなくて、入浴剤が楽しみかあ。そっかあ。
 嬉しいような悲しいような。
 丹恒が楽しければまあいいか。
 出てくるまでに、準備を終わらせておこう。
「ふう。気持ちよかった」
「髪の毛乾かすよ~」
「頼んだ」
 いつもより長く入っていたからか、ほんのり顔が赤い。
 水分補給をさせている間に、髪の毛を乾かす。
 普段はずぼらなところがあるが、俺に乾かしてもらうのは好きなようで。
 俺の膝の間に座って、大人しく乾かされる。
「丹恒先生、いいですか?」
「鍵は」
「もちろん閉めました!」
「よし」
 褒められた。