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三毛田
2024-12-04 19:13:00
1408文字
Public
アドベント24
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04. 回しのみペットボトル
4
君と二人で回し飲み
「ぷはぁっ。美味しい」
シャツの裾で汗を拭く。
「穹、おかわりはいるか」
「いる!」
隣から声が聞こえたので答えると、丹恒から冷えたスポドリを渡され。
「あれ?」
てっきり未開封だと思っていたものが、捻ったら軽々と開いて。
「俺の一口飲んだものでよければ、だ」
少々気まずそうな表情で、そう告げられる。
「だ、大丈夫です。はい」
「悪いな」
「イ、イイエ」
ど、どどこに口をつけて飲んだのだろう。
片想いしている相手から、口をつけたペットボトルを渡されてドキドキしない男なんているのだろうか。
「穹? 不快だったのなら、言ってくれ」
「だ、大丈夫。うん。大丈夫だ」
ここは、ペットボトルの口を全部口の中に入れてしまおう。
丹恒がギョッとしているのが、視界の端に映った。
冷たくて美味しいのはわかる。
「ごめん。変な動きして」
「いや。もう慣れたからな」
「慣れないで欲しいとは思うけど」
と返すと、苦笑された。
「全部飲んじゃって大丈夫?」
「また買ってくる。お前は動いていたんだ。水分補給をした方がいい」
「そう? 後で代わりになんか奢る」
「そこまでしなくていい」
首を横に振るが、
「俺が気にするから、大人しく受け取って」
「そういうことなら」
と、納得させる。
チョロすぎてちょっと心配になるよ。
「丹恒、後半行ってくる。応援してて」
丹恒にタオルを渡し、空になったペットボトルも渡す。
彼は何かを言おうとして。だけど、すぐに口を閉じる。
「行って来い。応援している」
軽く背中を押された。
そんなことされたら、張り切っちゃうじゃん。
ボールを手に、コートを走り回る。
丹恒が応援してくれた。それだけで、勝てる気がして。
「っしゃ! イエーイ!」
最終的に一転差で勝てたので、仲間たちとハイタッチして回る。
「あそこから巻き返せると思わなかったぞ」
「穹、この後打ち上げするけどどうする?」
「帰る! 丹恒が待ってるから」
「また丹恒かよ」
「タオル預けてるし。それに、助っ人だから!」
別のタオルで汗をきれいに拭いてから、着替えて外に出る。
「丹恒!」
約束をしていたわけじゃないけど、丹恒は待っていてくれた。
「今日は応援に来てくれてありがとう。わっ」
冷たいタオルを首にかけられて。
「勝手に濡らして済まない。が、あれだけ走り回っていたんだ。体が火照っているだろうと濡れタオルにしておいた」
「ううん。ありがとう。これでだいぶ落ち着く」
「それと、追加の飲み物だ」
「丹恒」
「この後、コンビニで奢ってくれればいい」
「わかった。スイーツでも、ご飯でも、コーヒーでも、好きなもの買うよ。ペットボトル二本分」
「だが」
「いいから。奢らせて」
「わかった。それなら、お前と一緒に食べられるものにしよう。腹が減っているだろう?」
そう言われ、急に空腹を感じたのかぐうと音を立てて。
丹恒は口元に手を当て、微笑んでいる。
「腹に溜まるものが欲しいみたいだな」
「そうみたいだ」
腹に手を当てて、苦笑すると頬に柔らかな感覚。
「え?」
「勝利のキスだ」
「え、え?」
「好きだ、穹」
「お、俺も丹恒が好き!」
「そうか。両想いだな」
「うん。両想いだ!」
嬉しくて、両手を挙げてそのまま下ろしてから抱き着く。
「次は頬じゃなくて、唇にくれたら嬉しい」
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