けろか
2024-12-01 22:24:12
972文字
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竹くくワンドロワンライ「温まる」

現パロ付き合ってる二人🎋📛 キスしてるだけ

甘みと苦みが混ざり合ったココアの味が、どこか曖昧に広がる。
「豆乳ラテはなかったんだよ、もっと飲めって、ほら」
八左ヱ門が呟きながら押し付けてくるココアは、既にプルトップが開けられ、湯気を立てていた。少し熱すぎる温度が、かじかんだ指先をじりじりと焼く。

委員会の大掃除で、二人して外の水場を担当した。真冬の冷水に何度も手を浸し、血の気の失せた指は今も青白い。きっと顔まで同じ色だった俺の様子を見た八左ヱ門は、口を半開きにしたまま一瞬固まり、次の瞬間には無言で自販機へと駆け出していった。

……別にほっといても大丈夫なのに」

「いいから。あとでこれ分なんか奢れよ」

言葉の端を遮るように、八左ヱ門は俺の空いた手を取った。その指先からは信じられないほどの柔らかな温もりが伝わってくる。温度の境目が曖昧になっていく。
悴んだ指が芯から温められていくのが心地いい。
……なんで、八左ヱ門はこんなにあったかいんだよ」
「ん? んー……兵助に触ってるから、かな?」
「なんだそれ」
あっけらかんとした返事に、思わず笑いが零れた。その拍子にまた、指先の感覚が戻ってくる。指は八左ヱ門の体温をすっかり吸い取って、元の温度を取り戻したのだ。八左ヱ門もそれを感じ取ったのか、にっと笑ってから手を引いた――かと思ったら、今度は頬に押し当ててくる。頬から口元まで一気に広がる八左ヱ門の体温に、また頬が緩んだ。
「あったかい。……いや、熱い」
「あ、兵助、ほっぺ赤くなった。……よかった」
安堵と悪戯心の混じった表情で、八左ヱ門が微笑む。口角がほんの少し上がり、細められた瞳が柔らかな光を湛える。
ぼうっとそれに魅入られていると、光が近づいてきた。
唇が柔らかく触れ、少しだけ離れていったかと思うと今度は強く押し当てられ長い口付けになった。
舌先がちょん、と俺の唇をつつき、それを迎え入れる。熱くて甘いそれを思い出して口の中に唾液が溜まっていく。と、侵入は浅く、熱源が離れてしまった。
「ぅ、え」
少し離れた八左ヱ門の顔が、吐息の向こうでぼんやりと笑っていた。
……ここだと、兵助が冷えると良くないから」
続きは、家で――な。兵助はそっと唾を飲み込んだ。喉を潤す温かな甘さの名残は、八左ヱ門の唇と同じ温度を持っていた。​​​​​​​​​​​​​​​​