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あがれす@ばんちゃ
2021-11-20 19:51:32
1544文字
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一縷の光
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竜虎
バトルが見てぇ〜!と聞いて私も見てぇ!!!!!となったので書きました。【一縷の光 エンドロール】のバトル部分のみを加筆して詳細にしたものです。たたかえ
※バトルが書いてあるだけで話の前後はふんわりしてるのでそこはご了承ください。
「っ!?」
槍の穂先を逸し、躱し、体勢を立て直そうと試みるが隙が全く見当たらない。ほとんど反射的に、己も槍を振るっていた経験から“狙ってくる軌道”を予測して対応したが、それが通用したのも最初のほんの二撃、三撃の間だけだ。打ち合っている間に、ジェーンの槍術を基準とした経験予測はまったく役に立たない物になっていた。そもそも最初に突進をもらった時点で、相手は槍術という枠組みを大きく外れている。
「くっ!この
…
」
穂先が顔や体を掠め、赤と白のコントラストがじわじわと鮮血に染まっていく。格闘士としての経験と勘でどうにか致命傷を避けてはいるものの、それもいつまでも保つか。
防戦一方の状況を変えるため、ジェーンが動いた。穂先を逸らし躱すのではなく、弾き落とし掴むことで攻勢に転じようとしたのだ。だが、相手はそれすら読んでいるのか、仕掛け方を変えてくる。
右目側の反応が鈍いことに気付いたのか攻撃にフェイントを織り交ぜ、ジェーンの拳や蹴りが届かないギリギリを見極めて飛び退き、どうにか攻撃を叩きこもうとしても足蹴で相殺された。
ジェーンとて対人の訓練や戦闘を経験していない訳ではない。むしろ、視力にハンデがありながら格闘士として復帰するにあたり血の滲むような特訓を繰り返してきた。
だが、相手の方が一枚も二枚も上手だったのだ。劣勢をひっくり返そうと焦り藻掻くほど、血が流れ体力が削られていく。戦闘のペースは完全に、黒いフードの人物のものになっていた。
「う、ぐァッ!」
大振りな薙ぎ払いを潜り抜け懐に飛び込んだジェーンに、カウンターのように膝蹴りが決まる。そのまま鳩尾を石突で強打され、受け身も取れずに吹き飛ばされた。
いよいよ追い込まれ、満身創痍で膝をついたジェーンの眼前に、槍の穂先が迫る。だが
「何をしてる」
槍の穂先が強靭な力で叩き逸らされる。ジェーンの傍らに、獣面の男が立っていた。
黒いフードの人物が飛び退き、二人と距離を置く。獣面の男
……
アガレスは荒い呼吸のままのジェーンを一瞥し、飛び退いた黒いフードの人物を睨みつける。殺気はまだ、納められていない。
「アガレス、」
「わかってる」
背負っていたガンブレードを肩に構え、アガレスは黒いフードの人物を挑発するように手招きしてみせた。
初撃。黒いフードの男がジェーンを吹き飛ばした突進を繰り出した。アガレスは避けようともしない。馬鹿な、と男が思ったのも束の間、アガレスは渾身の力でガンブレードを垂直に振り下ろし、柄の部分で槍の穂先を強引に叩き伏せた。がくりと体勢を崩した男の眼前に、凶暴な光を宿す緑が迫る。
二撃。強烈な頭突きを食らった男だが、それを感じさせない速度で反撃に転じた。伏せられた槍を足場に、体格の勝るアガレスの顎に膝蹴りを叩き込む。がちりと歯がぶつかる音がしたが攻撃の手は緩めない。ガンブレードを取り落とし隙の生まれたアガレスに、構え直した槍が迫る。
三撃。今まさに喉元に突き刺さらんとした穂先が片手で握り止められ、もう片方の手が男に迫る。アガレスは膝蹴りが来るのを読んでいた。槍を掴まれ咄嗟に退くことの出来なかった男の顔面を鷲掴み、あらんかぎりの力が込められた。
ギリギリの攻防が続いている。穂先を握りしめる手からはどくどくと血が流れ、顔面を掴む手には万力のように力が込められ続けている。一向に槍を手放そうとしない男に、アガレスも歯を食いしばる。アガレスが男に喉元を突かれるのが先か、それともアガレスの握力が勝るのか
……
白い石畳に血溜まりが出来つつあった、その時。
男の膝がかくりと落ちた。
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