和海
2024-11-30 16:32:45
1029文字
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賢者になった日

遊び人が賢者になる時の話
※遊び人(賢者)→戦士描写あり

「ではエリィよ、そなたは今から賢者として生きるのだ」
神官が杖を二回振り、眩い光がアタシを包む。
ずっとずっと楽しかった遊び人を少しお休みして、アタシは賢者になる。
アレルはすごく悩んでたけど、こうするのが一番だって考えたんだと思う。
アタシの遊びがみんなの役に立ってたと思うけど、そうでもないみたい。
でもいいの、賢者で覚えたことをたくさん活かしてもっとすごい遊びを覚えちゃうつもりだから。
だから少しだけお休み。
大事に着ていたバニースーツは自然とたたまれて袋に入り、新たな服を身にまとう。
ふわふわにセットした髪を少し変えて、アタシは賢者になった。

「ね、アタシかわいい〜?」
くるりとマントを翻して一回転。
その姿に三人は驚きの声を漏らす。
そのままクラッカーでも鳴らしてやろうかな、と思ったけど止めた。
アレルもアインツも驚きやすいから、腰抜かしちゃうかもだし。
「とっても素敵です、エリィさん」
マールはうれしそうに手をたたく。本当はマールも賢者になりたかったと思う。
彼女は魔法が本当に好きで、今は魔法使いしてるぐらいだもの。
「マールもそのうち賢者になれると思うよ。アタシより強くて素敵な賢者になれるよ!」
「は、はい……!そうだと、いいですけど……
どこか戸惑いながらも微笑むマールはかわいい。
きっとアインツはこんな女の子が好きなんだろうな。
「アインツ、アレル。どう?アタシかわいい?」
男二人にからかいがてら聞いてみても、二人は困った様子で言葉を詰まらせた。
「かわいいって言ってほしいなぁ、皆に」
アタシが二番目に可愛い姿なのに。
そう思っても、アレルはどこか戸惑いつつ片付けた荷物を手に取って、うさみみバンドを差し出してくる。
「やっぱりエリィはバニーちゃんのほうがいいと思う」
それはアタシも思うけど、多分しばらく着れないね。
「アレル、お前ってやつは……!」
アインツはあきれながらうさみみバンドを取り上げてる。
アタシ、一番可愛いって言われたい人に言われてない。
「アインツ、かわいいって言って」
アタシがお願いすると、小さな声でかわいい、と言ってくれた。
ウソでも嬉しいよ、ありがとう。

アタシは賢者になった。
次、このバニースーツを着るときはどんな気持ちで着てるのかな。
その時にはアインツはまたかわいいって言ってくれるかな。

アタシ、ちゃんと遊べるかな。
少し不安なまま、なじみ深い武器を手に神殿を出た。