アヤ↑30
2024-11-29 19:20:51
2995文字
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白衣の戯れ

pixivからの再掲。
フォロワーさんへの捧げ物として書いたドクター・ファン×ビルダーちゃんのお話。
ドクファンには是非白衣を着ていただきたい。

「ねえねえファン!!これ見て!!」

そう言いながらパタパタと診療所に訪れたビルダーの姿を見てドクターファンは全身に電流が走ったかの様な衝撃が疾った。
ターコイズブルーのナース服とナースキャップ。確かポルティアの診療所のナースがそんな制服を着ていたはずだ。そこだけを聞けば普通のナース服を思い浮かべるであろう。しかし問題はその服の構造だった。
ワンピースの丈は短く、しかもスリット入り。むちっとした足を覆うのは黒いタイツ。豊満な胸元は谷間が曝け出されており、今にもこぼれ落ちそうであった。

「・・・那是什么(何だそれは)!?!?!?」

ビルダーのそのナース服姿を見てドクターファンは思わず母国のシーサイ語が飛び出した。それほどびっくりしたのだ。
彼女曰く、医者であるファンの力になりたいが為にこのナース服を作成したわけで決して不埒な意味はない。

「お薬の事は全然だけど、少しでもファンの力になりたくて・・・だから、形からでもって思ってね!!」

自分を助けようとしてくれるビルダーの言葉に思わず胸が高鳴るが流石にその服装は色々とまずい。
恐らく自分の理性がもたないし、何より他の患者に見せたくないという気持ちもある。
ここは心を鬼にして(?)ファンはビルダーに着替えるよう伝えた。その時に何故か家では着て良いとも言った。

という事が数日前にあったのだがどうにもファンはビルダーのポルティアのナース服姿を忘れられなかった。研修医時代にシーサイの病院で勉強していた時もナースと関わる事はあったが制服の露出度はもちろん皆無だ。

『ファン!!これ見て!!』

愛しいビルダーの可愛らしい笑顔に普段のシャツ姿と違って刺激的なナース服のギャップ・・・。正直な感想、とてもよく似合っていた。

その時ふと自分が研修医時代に着ていた白衣の存在を思い出した。
医者といえば白衣。
知り合いであるポルティアのドクター、シューは白衣を着ていたがファンは着ていない。なので研修医の期間を終えてサンドロックで診療所を開いて以降は自室のクローゼットに眠ったままになっている。

「・・・・・・・・・」

医者でありながらこんな事をするのはどうか・・・と一瞬思ったが、たまにならこんな遊びも悪くはないだろう。こちらも少しビルダーを驚かせてみたくなった。
ドクターファンは少し思案すると、自室のクローゼットの中を漁り始めた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

翌日。ビルダーが朝起きて家の外に出るとXが飛んで彼女を待っていた。

「あれX!!おはよう!!朝早くにどうしたの??」

「カーッ!!ファン!!オマエに用事!!来い!!!」

Xは羽ばたきながらそう言ってビルダーについてくるよう促す。
ファンが自分を呼んでいるのなら行かずにはいられない。
マイホームを出て、向かった先は通い慣れた診療所。
しかし診療所につくなり、Xは「中入れ!!サプライズ!!!じゃあな!!」と自分は中には入らずにそのままどこかへ飛び去ってしまう。

「えっ!?ちょっとX!?サプライズって何!?」

ビルダーの質問に答える間もなく、Xは青空の中を飛んで見えなくなった。
サプライズ。確かにXはそう言っていたが一体何がサプライズなのだろうか。
それがなんなのか、確かめる為には中に入るしかなさそうだ。
ビルダーは訳がわからないまま、ドキドキしながら診療所に入る。

「やっほーファン・・・。いる・・・??」

「ビルダー、おはよう。・・・待ってた」

奥から聞こえてきた涼しい声。
ベッドの方で作業していたらしい、ファンが仕切りのカーテンを開いてーーーー

姿を現したのは白い白衣姿のファンだった。

「・・・・・!?!?!?!?!?!?!?」

彼の姿を見てビルダーは脳内の処理が追いつかなかった。
普段鳥を模しているであろう、フード付きのロングコートを着ているファンだが今回は初めて見る白衣姿だった。前はきっちり留められていて、胸ポケットには聴診器が顔を覗かせている。

ーーーーーー白衣。はくい。HAKUI。着てる。誰が??ファンが。何を??白衣。

美しい顔立ちの男に白衣姿は尚更彼の美しさ、聡明さを際立たせる様で。
とにかく全てが眩しすぎてビルダーは顔を真っ赤にしたまま固まってしまった。

「・・・??ビルダー、どうした??」

意図的なのか無意識なのか、ファンはビルダーに近づこうとする。
しかし今のイケメン白衣姿のドクターが近くにくるのは心臓に悪い。

「あばばばっ、ばっ、まって、まっ・・・それ以上は無理。心臓もたない・・・っ」

ビルダーはあまりの眩しさに目も頭も眩みそうだったのでファンにストップをかけたがそれを拒否されたと勘違いしたファンはシュンと落ち込んでしまう。

「ビルダー・・・幻滅したのか??似合わなかった??」

似合わないなんて。勘違いにも程がある。むしろ似合いすぎてこっちの心臓は爆発寸前だと言うのに。

「ちっがーーう!!!!その、とってもよく似合ってて・・・私の心臓がドキドキしちゃって・・・」

「そうか・・・良かった」

似合っていると言われたファンは先ほどのシュンとした雰囲気から一気に明るくなる。

「・・・それにしても、なんで急に白衣姿に??」

未だ心臓はドキドキしているが、少し落ち着いてきたビルダーは率直な疑問を投げかける。
するとファンは一瞬言葉を詰まらせたが素直にその目的を話した。

「・・・君の、ナース服姿が忘れられなくて。私も、それらしい格好をしてみようと思ったんだ。いつもと違う格好で、君を驚かせたくて」

「ナース服??・・・あー・・・」

まさか自分が着たあのナース服が原因だったとは。彼もまた自分のナース服姿に驚いた様だった。
彼の言葉にビルダーは少しイタズラ心が芽生える。

「私のナース服姿、どうだった??」

「えっ・・・!?その、とても・・・よく似合っていた」

「へー?忘れられないくらい??」

「・・・ああ。そうだ」

ビルダーからの問いかけに今度はファンが赤くなりながらしどろもどろに答える。相変わらず心を開けば素直な恋人だ。
ビルダーはそんな彼が可愛くてファンの側に近づくと甘える様に擦り寄った。

「私・・・ここが痛いんです。・・・治して??先生・・・??」

そう言うとビルダーはファンの手をとると丁度豊満な胸と胸の間に押し付けた。
ファンの目がカッ!!と見開かれる。
それを見てビルダーはすぐに明るく笑って手をぱっと離した。

「なーーーんてね!!うっそぴょー・・・」

ん。
ビルダーは思わず固まった。
何やらファンの顔に影が差しているのは気のせいだろうか??

「アレ・・・ファン先生・・・??」

「・・・医者を揶揄うとは・・・悪い子だ、ビルダー」

ファンはふふふ・・・と笑うとひょいっとビルダーをお姫様抱っこして歩いていく。

「え?え?ご、ごめんファン??ちょっと??な、何故二階の方に!?!?ファン!?!?ファン先生ーー!!!!」

ファンに抱っこされたビルダーは彼と共に二階の部屋へ消えて行く。
二人の雰囲気を察したXは診療所の扉に「本日休診」の札をかけるとそのまま空へと飛んでいった。


ー終ー