宮城雪夜
2015-05-22 08:58:49
2883文字
Public 刀剣乱舞/@saniwaTL
 

#星を愛でる会 前編。

企画物。本丸メンバー&山姥切×審神者+創作監査役。



雪夜「監査殿、これは?」

ある日の本丸前。
定期的に訪れる監査役の男から渡された夜色の下地に金砂が散りばめられた豪奢な封筒を片手に雪夜は首をかしげた。

佑「君の審神者としての功績が上方に認められてな。褒賞としてかねてより行われていた政府主催の懇親会の招待状だ。演練以来他の審神者と交流を持てていなかったから、せめてもと思ったんだが。よければ参加すると良い。」

監査役の男はそれだけ伝えると「また、様子を見に来る」と一言だけ残し再び任務へ戻っていった。
件の演練での一騒動以降、他の審神者との交流を禁じられていた雪夜にとってはまさに夢の誘いだった。

雪夜「これは一大事、じゃない!??」

そう呟いたと同時に踵を返し駆け出す彼女の声は早朝の本丸に盛大に響き渡ったのだった。


・・・・・・・・


山姥切「で。あんたは朝から何を叫んでるんだ。」

朝っぱらから主の絶叫で起こされた山姥切は冷や汗をかきながらしょぼくれて正座させられている主に視線を寄越す。
彼女の前で無言の圧力を放ちながら仁王立ちしている燭台切の様子を察するに台所で何かやらかしたのだろう。

雪夜「えーまっことスイマセンデシタ。」

雪夜のあっさりとした謝罪の言葉に燭台切の整った眉がピクリと動く。

燭台切「雪夜ちゃんが喜ぶのは分かるけど、廊下は滑るから走っちゃダメだよって僕毎日言ってるよね?」

雪夜「はい。存じております。」

燭台切「台所は特に刃物や火の扱いがあるから危険だし、そもそもこの本丸で火の霊圧調整ができないからって僕に台所担当頼んできたのも雪夜ちゃんだったよね?」

雪夜「は、はひ。おっしゃる通りです。」

燭台切「それなのにいきなり後ろから抱きつかれたりなんかしたらいくら僕でも危険だって分かるよね?」

雪夜「以後注意します。反省します申し訳ありません。」

語尾が強まり威圧感が高まっていく燭台切に冷や汗はさらに増え最期には深々と頭を下げる雪夜。
良くみると燭台切の前髪がチリチリに焼け焦げている。常に格好に気を使う彼の自慢のセットを台無しにしたとあっては怒りを買うのも無理はない。
完全に主従が逆転した二人に溜息をつきながら山姥切は話を切り出した。

山姥切「それくらいでやめておけ。」

燭台切「山姥切君。おはよう。駄目だよ、いくら主だからって叱るときはちゃんと叱らないと。」

山姥切が声をかけると先までの雰囲気は消えいつもの表情に戻った燭台切だが彼女を甘やかすのは駄目だと苦言を呈す。

山姥切「そういうつもりはない。ただそこのじゃじゃ馬の辞書に学習の文字は無いからな。何度言っても無駄だと言いたかっただけだ。」

雪夜「ちょっと待て。朝から中々辛辣なこと言ってくれるねマイ近侍。主悲しいんだけど。」

近侍の助けが入ったかと思えばまさかの叩き落としだったことに雪夜から突っ込みが入る。しかし燭台切の「反省してる?」の冷めた言葉に再び轟沈した。

山姥切「それで、あんたは何をそんなに騒いでたんだ。」

燭台切「ああ。これだよ。まぁ、雪夜ちゃんが喜ぶのも内容みたら納得したけど。」

燭台切が胸当ての間に仕舞われた封筒を取りだし山姥切に渡す。触れた手触りのよさにそれが政府からの書類だと言うのはすぐに理解する。

山姥切「『星を愛でる会』?」

燭台切「内容をみる限りでは各国の審神者が一同に会する立食パーティー形式の懇親会みたいだね。満天の星空の中で食事とダンスかー、なんだかロマンチックだよね!」

1人浮かれる燭台切とは対照的に読み進めていく度に眉間にシワを寄せる山姥切。その様子に気づいた雪夜がしょんぼりとしながらも声をかける。

雪夜「やっぱり、キリは嫌?」

他人からの視線を人一倍気にする近侍の反応に思わず眉を落とす。その姿はさながらお預けを食らった子犬のようで山姥切はやれやれと首を横に振った。

山姥切「あんたが、他の審神者と交流を持つのは良いことだと思うし、それに行きたいんだろう?なら、俺はあんたに従うだけだ。」

言葉の最後に「その、俺だってたまには、あんたのために」と呟いたが喜びに歓声を上げ飛びついた主の抱きつき攻撃に彼の言葉は届くことなくかき消されたのだった。


・・・・・・・・


【お支度の話。】

雪夜「さて。まずどうしようか。」
燭台切「山姥切君はスーツ着用だとして、問題は雪夜ちゃんの格好だよね。」
長谷部「主は着物が良く似合う、俺は和装を推すがな。」
雪夜「長谷部さんそれ私が寸胴って意味?」
長谷部「え。いや、そんなことは」
雪夜「あ。ちょっとそう思ってたんだ

落ち込む雪夜、慌てて頭を下げる長谷部。

乱「ボクはスカートがいいとおもうなー♪おねえちゃん普段袴ばっかりだからこういう時くらい履けば良いのに。」
次郎「そうだねぇ。どうせだし、うんと足のでるやつにしなよ!あんた色白いし色はシックな黒でいいんじゃないかい?」

洋装のスカートで盛り上がる乙女組。
結局多数決(※本人除く)で洋装の黒のミニスカートに決定。

【お化粧の話。】

雪夜「やだ。」
燭台切「こんな時まで駄々こねないの。ほらこっち向いて。ジロちゃんそっちはよろしくね。乱ちゃん、長谷部君雪夜ちゃん逃げないようにちゃんと押さえててよ。」
次郎「あたしに任せなさ~い♪いやーこいつは腕がなるねぇ!」
雪夜「あーねーもーあんま濃くしないでよぉぉぉぉぉ;;;」
乱「おねえちゃん動いたら余計変になるよ?我慢、がーまーんー。」ペタペタ
長谷部「主、申し訳ありませんおい、乱。どさくさに紛れて主に触りすぎだ。」

後ろ手は長谷部に、膝には乱が陣取り髪を整える次郎太刀、化粧を施す燭台切と四方を囲まれ身動きがとれない雪夜。
支度の最中絞められた鶏のような声が支度部屋から延々と響き渡った。

【ダンスの話。】

雪夜「無理すればなんとか。」
山姥切「他所の審神者を投げ飛ばすとかは無しにしてくれ。」
燭台切「うーん;;雪夜ちゃんそういうのできなさそうだもんね。長谷部君どう思う?」
長谷部「躍りをやんわり断る術を身に付けたほうが早いかもしれん。(キッパリ」
雪夜「ひでぇ(´・ω・`)」

満場一致で『ダンス禁止令』が発令。乱と次郎太刀からやんわりとお断りする方法を伝授される。

【作法の話。】

雪夜「ドヤァ(・Д・ *)♪」←パーフェクト

一同「「おー。(感嘆の声)」」
燭台切「(雪夜ちゃんて食事に関してだけは妙に詳しいよね。)」
山姥切「(こういう知識を他に生かせないのか。)」
長谷部「(流石主、感服しました‼)」
乱「(ドヤ顔のおねえちゃんも可愛い♪)」
次郎「(口許ご飯ついてるのが雪夜ちゃんらしいねぇ後でおしえてやるか♪)」

作法は完璧の主に対してあれこれ思う刀剣男士達の図。だがやっぱりどこか抜ける雪夜。


本番につづく。→