宮城雪夜
2015-05-18 07:52:04
5624文字
Public 刀剣乱舞/@saniwaTL
 

審神者と近侍がおはようからおやすみまでくっついちゃって離れなくなった話。

本丸メンバー&若干山姥切×審神者寄り。

※ご注意※

・こちらはフォロワーさんから頂いた宿題という名のお題から生まれた

【創作審神者×近侍のほのぼのギャグ風味砂糖大量盛り】という胸焼け必須の作品と
なっております。というかほぼベッタベタな激甘夢要素満載小説とはお世辞にも言えない小話もどきです。いやまじで。
間違いなく作者の妄想一色で染まってますので(本当に深夜テンションで書き上げてます)

・創作じゃない、夢じゃない、作者(;^Д^)キメェ、つまんねぇ、etc.

寝不足で既に重傷の作者にトドメを刺すようなコメントはお控えください。死ねます。
なおあくまでこの話の山姥切国広君は『うちの』本丸の子ですのでキャラ崩壊はとっくに
チェック済みです。それでもよいよ!という方だけ先にお進みくださいませ。












【本丸】

朝。
雪夜と近侍の山姥切国広は自分達の身に起きた異常事態に頭を抱えていた。

雪夜「どうする?これ。」
山姥切「どうするもこうするもはずれないんだろ、俺に言われても困る。」

二人の前には不自然にくっついた互いの手首が揺れていた。
先ほどすれ違い様にいきなり体がひっぱられたかと思ったらこの有り様だ。
昨夜の就寝前におやすみの挨拶を交わすまではなんともなかったのに。
しかし今、二人の手首には目には見えない何かが鎖のように巻き付いている。
離そうとしてもほどこうとしてもびくともしないそれにほとほと困り果てていた。

山姥切「腕以外に他に変なところは見当たらないな。一体なんなんだ。」
雪夜「今日に限ってこういう事に詳しそうな石切さんいないしね。
まぁ悩んでも解決しなさそうだし、腹決めるしかないか!」
山姥切「は?あんた一体何をいっ」

突然告げられた主の宣言に顔を向けた瞬間乱暴に繋がった側の腕があげられる。
痛みに顔をしかめた山姥切の繋がっていない側の手をつかみにっかりと笑うと彼女は
開口一番のたまった。

雪夜「よっし、決めた。今日一日これで頑張ってみよっか!ね、キリ♪」

山姥切「( 思考凍結中 )…………は?」

「まぁなんとかなるよ~♪」ときらきらと目を輝かせ意気込む雪夜のこの言葉に
山姥切は深く、ふかーくため息をついたのだった。

【出陣】

山姥切「あんた一体何をして」
雪夜「何って出陣の準備だけど?」
山姥切「はぁ。」
雪夜「ん?てちょ、何々?!ちょ、まっ


黙った山姥切に俵担ぎで運ばれていく。ふすまがピシャリと閉められ暫く
出てくる様子はなくふすまを少し開いてみると中には山姥切に無言の圧力を
かけられて縮こまる雪夜がいた。

【結成】

雪夜「と、いうわけで今回の編成なんだけど
乱「はーい、おねえちゃんにしつもーん!
なんでさっきから国広の奴おねえちゃんにべったりなむぐっ。」
燭台切「乱ちゃん、しっ!(うぐ山姥切君の視線が痛い;;;)」

山姥切「。(死んだ魚の目をしている)」


離れられないので並んで説明。他の面子から見れば仲良く手繋ぎで
説明しているように見えるため山姥切のSAN値直葬待ったなし。
ちょくちょく乱ちゃんからの追撃が入り込み殺気のとばっちりをくらった
横の燭台切の胃袋が重傷。本日の出陣は(人数不足的な意味で)中止。

【鍛刀】

雪夜「。」
山姥切「。」


特に話すことがなかったのでただひたすらに式神達の仕事ぶりを見学する。
時折式神達が気を使ってお茶とか出してくるから余計に居たたまれない。
更に鍛刀終了後、顕現した山伏国広と堀川国広に状況を根掘り葉掘り聞かれ
山姥切が耐えきれず雪夜を引きずりながら逃走。

【刀装】

雪夜「まさか一緒に刀装作る日がくるとは思わなかったけど温かい。
刀装って卵みたいなもんなんだね。」
山姥切「何だか不思議な感覚だな。あんたが隣にいると。」
雪夜「ふふっ、いつもは後ろに座ってるもんね。」
山姥切「それもそうだな。楽しそうで何よりだ。」
雪夜「 一緒に卵を温めてるみたいでちょっと面白いかも。何が出るかなー?」


普段雪夜は山姥切の少し後ろで控えているので直接刀装を見たり
触ることがなかったが初めての刀装の感触に感動していることを
山姥切も密やかに喜んでいるようだ。

【手入】

雪夜「いっ。あちゃー切れちゃった。」
山姥切「あんたないい。貸してみろ。」
雪夜「へ?あ。」
山姥切「(ペロ、チュ)どうした?」
雪夜「え。あーありがと?」
山姥切「?」


刀に這わせた指が切れ血が滴る。痛みに目をつぶる雪夜の手を
無造作に掴むとそのまま口に持っていき血を拭う山姥切。
その所作の鮮やかさに呆ける雪夜を山姥切は不思議そうに眺めていた。

【連結】

雪夜「うわっ
山姥切「あまり動くな。手元が狂うだろ。」
雪夜「ご、ごめ!?(うわ顔、顔近っ!)」
山姥切「!!(なっ///)す、すまない。

ふしゅん。

山姥切&雪夜「「あ。」」


霊力の奔流に煽られ体勢を崩す雪夜を山姥切は注意しながらも
抱き込むように支えた。不意に距離が縮まりお互いの姿が瞳に写り込む。
山姥切が気をそらした瞬間力ない音と共にかき消えた霊力は、儀式が失敗に
終わったことを告げた。

【内番:馬の世話】

雪夜「(じー)」
山姥切「さっきから何をそんなに眺めてるんだ。」
雪夜「んあ?あー。馬ってこうやって長い間眺めたことなかったから魅入っちゃった。」
山姥切「あんたのいた世界では馬は居なかったのか?」
雪夜「いたよ?ただ、移動手段にはしてなかったかな。」
山姥切「そうなのか。内番が終わったらでいいなら、その。少し、乗ってみるか?」
雪夜「え?いいの?」
山姥切「ああ。さっさと終わらせるぞ。」
雪夜「うん!よっし頑張るぞー!」


山姥切が干し草をまとめる横で雪夜はまじまじと山姥切の愛馬である
望月を眺めていた。不思議に思い声をかける山姥切に雪夜は望月の首を
撫でながら自分の世界を語る。その眼差しに望郷の念を感じた山姥切は
雪夜を乗馬に誘い、雪夜もまた山姥切の言葉に力強く頷くのだった。

【戦績】

雪夜「;;(横目でチラリ)」
山姥切「どうした。続きを見ないのか?」
雪夜「見ても面白くないと思うのですがいかがデショウカ。」
山姥切「そうか?(ヒョイッ)」←黙って横取り
雪夜「あぁー!?ちょ、ヤーメー!!!?」

ゴチン。


恐る恐る開いた文を読み進めていくうちに顔色が悪くなる雪夜が何を
読んでいるか気になり内容を聞く山姥切。口ごもり悪あがきする雪夜の
隙をつき手紙を奪った。内容を読もうと目を向けるが目の前に広がった
のは文面ではなく青ざめた雪夜の額。どうやら後ろに引いた時に
雪夜の体も一緒に引っ張ってしまったようだ
頭に響く痛みと唇に当たる感触を最後に山姥切の意識は途切れた。

【万屋】

雪夜「(動きにくい。)ね、手繋がない?変に離れると怪しまれるし。どうかな。」
山姥切「いいんじゃないか。」
雪夜「え。」←断ると思った
山姥切「あ?」←自分でもびっくりした

山姥切&雪夜「「。」」

おずおずと手を重ねる。暫くするとまごつきながらも優しく握り返してきた。

山姥切&雪夜「「。(き、気まずい。)」」


燭台切に夕食の買い出しを頼まれ万屋に向かった二人。手首が繋がっている
手前、変に距離をとると邪魔になるし不自然だということで手を繋ぐことにした。
提案した雪夜はあっさり断られるとばかり思っていたがまさかの山姥切の
二つ返事に会話が止まる。
山姥切本人も自分があっさりと快諾した事に驚きを隠せずにいた。
沈黙が続き、雪夜が恐る恐る山姥切の手に自分の手を重ねる。
重ねられた手の感触から雪夜の伝心が響き、緊張と少しの期待が込められた
熱を包み込むように山姥切は彼女と重なった手を優しく握り返した。
互いに響く心音を感じながらの買い物はさながら睦言のようで、その感覚は
本丸で燭台切に声をかけられるまで続いたのだった。

【食事】

雪夜「あっ。」←箸を落とした
山姥切「食べにくいならこれを使え。」
雪夜「う、うん。(やっぱ利き手じゃないと食べづらいなぁ。)」
山姥切「そら。」
雪夜「へ?」
山姥切「食べづらいんだろう?」
雪夜「ううん。あ、ありがとキリ。」
山姥切「早く食ってくれ。」


利き手を繋がれてしまい思うように食事をとれない雪夜。
歯痒さに眉を潜めるが山姥切がどこからか匙を取りだし食べるよう促した。
それでも普段のようには動かせず、狼狽えていると山姥切が繋がれた側の
手に匙を持ち口元へ食事を運んだ。驚いて山姥切を見るとうっすらと瞳には
涙が浮かび頬はわずかに赤みを帯びていた。
羞恥に耐えながら差し出された食事を眺めていると再び山姥切の催促が飛んだのだった。

【廁】

雪夜「今夜はいいってば!」
山姥切「我慢できずに後で揉めるくらいなら今済ました方がいいんじゃないか。」
雪夜「んなっ!!?き、キリのムッツリ‼変態‼」
山姥切「なっ!?声が大きい‼あと、誰がむっつ」
長谷部「山姥切かそこになおれ。」(チャキッ

山姥切&雪夜「「(硬直)」」


瞬間、廁前に立つ山姥切の首筋から抜き身の刀が覗く。
背後から現れたのは殺気に身を染めたへし切長谷部の姿だった。
一触即発の修羅場に二人は凍りつくことしかできずにいた。

【風呂】

雪夜「キリー、目、瞑ってるー?」
山姥切「あんたそれ聞くの八度目だからな。言われなくとも閉じている。
早く済ましてくれないか。」
雪夜「あのね、女の子は体冷やしちゃダメなんだからねー。という訳でもうちょっとだけ
山姥切「(頭がぼうっとしてきた)おい、まだ」
雪夜「もうちょっとー♪」←気づいてない
山姥切「。(限界か視界が)」
雪夜「よしいいよー、キリもう暫く我慢して目瞑って、てっうわぁっ??!」


背中合わせで湯船に浸かる二人。女の長風呂に耐えられなくなっていたのもあり
立ち上がろうとした途端山姥切の体が力なく前のめりに倒れ込む。
想定外の状況に対処が遅れたのか雪夜もそのまま湯船に飲み込まれた。
重なる熱を感じつつ、近侍の様子がおかしい事に気付き雪夜はありったけの声で
風呂場前に待機していた燭台切に助けを求めた。

【着替え】

山姥切「う。(ここは、どこだ?)」
雪夜「キリ!気づいた?私が誰か分かる?」
山姥切「主?(俺は、確か風呂場で)」
雪夜「よかったぁよかっ
山姥切「?!ど、どうし。」
雪夜「だってのぼせだって聞いて我慢してくれてたんでしょ、私のせいじゃんか!
山姥切「頼むから泣かないでくれ。どうしたらいいか、俺にはわからないんだ。」
雪夜「ごめ、ごめんなさ
山姥切「もう大丈夫だ。だから、泣くな。」


山姥切は目を覚ますと布団の上に寝かされていた。ぼやけた視線の先では
濡れた髪もそのままに心配そうに山姥切を覗きこむ雪夜の姿。
意識が戻ったことを確認すると同時に雪夜の瞳から大粒の涙がポロポロと零れ落ちる。
山姥切は泣き止まぬ主の背中をさすりながら涙が落ちる度に響く贖罪に耳を傾けていた。

【就寝時】

雪夜「月、きれい。」
山姥切「眠れないのか。」
雪夜「キリ。もう大丈夫なの?」
山姥切「ああ。熱もだいぶ引いたしな。」
雪夜「よかった一時はどうなるかと思ったよ。今日はお疲れ様でした、だね。」
山姥切「そうだな。これもあんたの言ったようにどうにかなったしな。」

眠れない雪夜。山姥切も同じ気持ちだとわかり二人で縁側に座り月を見る。
今までを振り返りお互いに「今日は散々だった」と笑い合った。
月明かりに照らされた手首は未だにつながったままだったが一日の始まりの
ときと比べればだいぶ慣れたように思う。

雪夜「風、結構冷えるね。」
山姥切「なら、これでも羽織っていろ。」

少し肌寒さを感じた雪夜に気付き外套を肩に掛ける山姥切。
それを制止する雪夜。少し落ち込む山姥切に「そうじゃなくて」と伝えて
肩をよせ二人で羽織る。

雪夜「キリは温かいねー。」
山姥切「あんた程じゃない。俺は、今日一日で色々な気持ちを知れた気がする。」
雪夜「気持ち?」
山姥切「ああ。これがあんたのいう人の温もりってやつなら。存外、悪くなかったように思う。」
雪夜「そっか。私も今日はたくさんのキリの一面を見れたなぁ。なんか幸せー。」
山姥切「なんでそこで幸せなんだ。」
雪夜「え?だってさ、キリは私にとってやっぱり最高の近侍だって分かったから。」
山姥切「何を期待し、いや。今日は不思議とその言葉が誇らしく感じるな。
俺は、あんたにとって『幸せ』だったか?」
雪夜「うん。とっても。とっても幸せー。」
山姥切「あんたのためになったなら俺も、『幸せ』ってやつなんだろうな。」

触れあう指先の温もりに安堵を浮かべながらお互いに主と近侍で幸せだと伝え合う。
想い合う心地よさに、そのまま深く、微睡みに溶けていく。
次の日通りがかった乱と燭台切がみたのはお互いを抱いて幸せそうな笑みを
浮かべながら眠っていた二人だった。怒る乱を宥める燭台切。

「このままにしてあげよう?たまには、二人きりにしてあげないとね。」

繋がっていた手首はいつのまにか外れていたが、二人の繋ぐ手は固く結ばれていた。
軽くウィンクをした燭台切は二人に布団を掛けると乱と共にその場を離れたのだった。