haruon1018
2024-11-27 16:59:05
3215文字
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悪役令嬢tksgはミノ辺境伯に嫁ぎます

特異点で悪役令嬢になってしまったtksgさんと辺境伯になったmrくんがモブたちをざまぁする話
ほぼtksgさんがざまぁしている。
注意:mrくんちが田舎扱いされています
モブ令嬢の名前モブリーナです(流石にモブ子は作品に合わなかった)

「悪役令嬢、タカスギシンサク、貴様との婚約を破棄してやる」
 なぜかマスターとはぐれてしまった特異点で、知らぬ間に婚約者が出来ついでに、卒業パーティーとやらで婚約破棄されるという状況に高杉は困惑ではなく、ただ呆れてしまった。
 そもそも男の高杉が令嬢というのは無理があるだろうと思ったが、同行したサーヴァントが、同じくアーチャーのモリアーティ、ウィリアムテル、殿に森長可とヘラクレスと、どう考えても今高杉が纏っているようなマーメイドレスが似合うとは思えない。
 喪服かと思うほどギリギリまで濃くした紺色ドレス、舞台演出のためにはしたがないが、どうせならいっそ森が纏っているくらいの蒼のほうが良かったと仕方なく着ているが、正直今すぐ脱ぎたい気分だ。
「上に立つモノがいきなり人に指を差すってどうかと思うぞ……
「ヒドい! そうやってまた殿下を虐めるなんて、可愛そうな殿下……
 指摘しただけだがと高杉は首を傾げたが、フリルたっぷりの甘ったるいドレスを身に纏った彼女は、胸元を殿下の腕に押しつけながら上目遣いをしている。
 男というモノは単純で庇護欲をそそられるととたんに女に甘くなるというのは、男の高杉にはよく分かるが、手練手管としては三流だ。
 一流の娼妓は簡単に客に肌を許したりしない。
「モブリーナ……なんて悪逆非道な振る舞い……破棄だけでは足らぬ、お前はミノ辺境伯の元へ嫁ぐが良い」
「ミノ辺境伯? ミノってどのミノ? 
「研究ばかりで頭でっかちなお前は知らないだろうから教えてやろう、あの鬼武蔵が治めている領地だ」
 なんとと会場内が響めくが高杉はははーんと笑って見せた。
「美濃ね、うん悪くはないが、その前にえっと殿下だっけ、それなら契約を色々と変えないといけないのだが分かっている?」
「強がるのも今のうちだぞ、ミノの領地には魔熊がいるんだぞ」
「う~ん、熊ね、」
「山深いところだぞ、都会育ちの貴様に何が出来る」
「何って研究? いやいっそ、森君を改造して……
 ブツブツと何かを呟いている高杉に殿下とモブリーナは何こいつという目をしているが、正直森と合流できるのはありがたい。
「で、ところで契約の件なんだけど、今まで研究した機械は全て持っていって良いんだよね」
「えっ?」
「えっではない、僕が研究して僕が開発したモノとスカウトした人材だ、まぁ設置したものを持っていくのは無理だから提供はしてやるが、使用料とメンテナンス……
「うっ、それは出来ない! 貴様は追放されるのだ、追放者というものはだな」
「おいおい、そんなのありかよ、契約書にも書いてあるはずだ、利権も経営権も僕にあると、」
「うるさ……
「うるせぇな、ぐだぐだ喋ってねぇで、とっととオレの元に来い」
 あれこれと理屈を並べる高杉に半泣き状況で喚きまくる殿下を遮り、颯爽と登場したのは森だった。
「やぁ森君、王子様ファッションも様になってるね、僕もそっちが良かった」
 肋骨服にマントこそしてないが、かわりに毛皮を背に纏っている森に高杉は微笑む。
「なぜミノ辺境伯がここにいる、田舎に引っ込んでいるはずだろ」
「ああ、何にもねぇ田舎だったが王都まで繋がる川と、養蚕に適した土地、あとなんだっけな、まぁとにかく領地経営するのはなかなか楽しかったぜ、」
……ふふ、強がったところで田舎者に何が出来る」
 いるはずのない森に驚いた殿下が再び何か云っているが、こうみえて領地経営できるバーサーカーなんだよな面白すぎるだろうと高杉は、適度な距離を保ちながら隣に立つ。
「そうさな、まず生糸を王都に流すのをやめて、あと金脈なんかも……
「それは困る! なんてことをしてくれたのだ、バカ息子よ」
 騒ぎを聞きつけた国王がようやく姿を現したが、舞台は終焉へと向かっている。
 いや王の登場が終わりを告げるベルなのだろうか。
「父上……これにはワケが」
「ワケだとどうせタカスギ家の娘が貧相な躯で頭でっかちなのがイヤとかそんな理由だろうが、たとえ女子らしいラインでなくても、シンサク令嬢が国家にもたらした技術革命はだな」
「そんなに貧相な躯している?」
 息子がバカなら親もバカという典型的な例を見た高杉は、森に小声で話しかける。
「寒そうな格好してるなとは思うが、これでも羽織っておくか」
「うん……重、」
 毛皮を羽織らされた高杉だが予想以上に重かった。
「着ておけ、」
「シンサク令嬢、なんですか殿下の婚約者でありながら他の男とデレデレしちゃって」
 国王の前で流石に甘い接客をするのはまずいと離れていたモブリーナが、高杉達をなじる。
「そうだぞ、ああ貴様らの結婚の話はナシだ、シンサク令嬢はこのまま王都に留まり、国のために働いて貰う、それが罰だ」
……陛下、あのバ……殿下はなにを、おっしゃてるのでしょうか」
 さっきから話が二転三転している、正直オタクのバカ息子どうにかしたらと云いたいが、マスターのいない状況で下手に敵の大将を突くわけにはいかない。
「うん? ああ、それがいい、息子の嫁になるには君はどうもね……ミノ辺境伯の嫁は王家が選んでやるから、そうだ儂の末娘と番わせよう、」
 だから生糸の流通止めるのはナシねと、王がナイスアイデアと頷くが、バカかと思う。
「僕の森君をどこの馬の骨とも分からぬ女と結婚させるって、そんなバカなコトさせてたまるか」
 カッと靴を鳴らせば勢いで毛皮が落ちる。
「おいいつからテメェのなったんだよ、テメェがオレのだろ、」
「あの……そろそろみんな集まったから、このぐだぐだやめない?」
 ひょっこりと顔を出したのは高杉同様にドレスを身に纏っている藤丸だった。
「なんだよ殿様その格好、面白ぇな、おっ他の奴らもいるしいよいよ攻撃か」
 どうやら彼のポジションは王妃のようで、玉座に座るとあれこれと指示を出す。
「えっと、この特異点は少し特殊でね、令嬢すなわち高杉さんがそこにいる王子にざまぁしないと、攻撃が通らなくて、」
「ざまぁって、もう十分痛めつけている気がするけど」
「それだけじゃ足りないみたい、あっ通信が繋がったから、うん何々」
 マスターの特殊効果で時間を止めている間、書物に詳しいサーヴァント達がざまぁをレクチャーしていく。
「つまり僕と森君の愛を見せつければいいってことだね」
「なんでそうノリノリなんですか……なんかもう十分見せつけられているけど、」」
 藤丸はため息をつきながら、時間を進めると舞台が動き出す。
「殿下、一度口にしたことは覆ることはありません、シンサクはミノ辺境伯と幸せになります」
 令嬢らしい言葉を使いざまぁを完結させようと高杉は殿下に微笑む。
「待って、それでは」
「権利は王家にさしあげます……なにせミノ辺境伯は殿下と違って、躯一つで嫁いでも、十分な財産をお持ちのようですから、」
 密かに財務大臣の秘書として潜り込んでいたモリアーティにより、国家の赤字財政や癒着、婚約者の為に使われる金をモブリーナに使っていたことを明かすと会場は一気に高杉達の味方となる。
「っ……負け惜しみを……せいぜい可愛がってもらうが良い」
「はっ誰が負け惜しみなど云うものか、何か誤解してない、僕は可愛がられるより可愛がる方が好きなんだよ、」
 ふふっと笑う高杉に完敗だと殿下が白旗を振れば、会場は一気に戦場へと変わった。
「よっしゃオレの出番だな」
「やけに張り切っているがどうした、」
「あっテメェがぐだぐだ他の奴に構っていて……
「可愛いな森君! ふふ、帰ったらいっぱい甘やかしてあげよう」
「あとテメェ、甘やかすより甘やかされてぇくせに、」
「何を!」
「喧嘩は一旦中止、敵の数が多いけどしっかり対策して、いくよ」
「おう!」
 こうしてぐだぐだ悪役令嬢劇は終わった。