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いぬみ
2024-11-27 10:55:43
7644文字
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逆裁
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甘ったるい禁煙法
タバコ吸ってる法介と、
そんな彼に戸惑ってる響也の成立済みオドキョ。
キスしてるし、わいせつな単語が出ます。
身長差十五センチは、キスがしやすい距離らしい。
ちょっとかがんで、ちょっと顔を上げて、すぐ、唇同士がふれあう。だから、キスがしやすい。そういう理屈らしい。言われてみれば、室内で牙琉検事とキスをするのは、外出先でのそれより断然、首が楽だ。彼は百八十センチという身長の上に、さらに、ヒールでかさまししている。
だからかあ、とオレがしみじみ納得していると、響也さんが、ちょっとだけ首を引いた。くちびるが離れる。オレがあともうちょっと足を伸ばせば届きそうな距離にはいるけれど。
「ね、また吸っただろ」
ほんのすこし不満を乗せた声色で、彼は囁いた。呆れたように、嫌がっているように、眉をひそめている。
彼が何を言っているのか、ピンときながらも。
ナニをです、とダメもとで訊いてみると、タバコだ、と返される。オレの胸ポケットを小突きながら。火をつけるのに使うために、カッコつけて買ったジッポライターの定位置。さらに手を回されてズボンのポケットも荒らされる。中身が少し減ったタバコの箱の感触を認めると、響也さんは予想が当たったと言わんばかりの顔をした。
ああ、事件の捜査でもこんな、楽しそうでありながら訝しげでもあり、ひとつまみの嫌悪感が混じる顔をするんだろうか、と関係のないことを考える。だとすると、さながらオレは刑事のよう、いや、真犯人のような気持ちになる。
「ニガいし、ニオうんだけど」
かと思えば彼は、頬をふくらませて、拗ねたような顔を作る。それが不快だ、というよりかは、隠したつもりでもバレてるぞ、と胸を張っているような印象を受けた。
「ちょっとだけですよ」
「ちょっとでもカラダにワルいんだよ」
「それ言ったらたいていのモンはカラダに悪影響ですよ、酒とか」
砂糖や塩なんかも、量をまちがえれば命取りとなる。そんなどうでもいい屁理屈をこねて、付け足す。
確かに、今日は吸った。今から一時間前に、一本だけ。それでも、味や匂いは舌に染み付くものらしい。響也さんは目ざとくその後味を感じ取って、戸惑う。拗ねるとか、嫌がるとかではなく、戸惑う。どうやらオレがタバコを吸うというのがイメージとちがっていて、驚いてしまうみたいだった。
酒を飲んだり、わいせつな画像や動画を見たりと、〝成人済み〟の特権を駆使することの違和感はないけれど、どうしても、喫煙と王泥喜法介という人物が結びつかない、と語った。ライターを手馴れた様子で使い、乾燥した葉を包んだ白紙に火をともし、人差し指と親指で無骨にタバコをつかみ、肺をモヤで満たしながら、煙をたちのぼらせる。そんな一連が、様になっていることが、どうにも不思議だという。
『おデコくんが、不良になった』
喫煙者であることが発覚したとき、牙琉検事はそんなふうに驚いた。喫煙室から出てきたのを、その拍子に中身の少し減ったタバコの箱を落としたのを、目撃されたときだった。鳩が豆鉄砲でも食らったような、あるいは、法廷で致命的な〝見逃し〟を自覚したときのような牙琉検事の顔が脳裏に焼き付いている。当時はまだ付き合いはじめで、今以上に、お互いのことを知らない時期だった。
喫煙者であるだけで、〝不良〟という判断を下す牙琉検事はまあ、イメージ通りだった。ちゃらついた
……
イヤ、じゃらついた見た目に反して、彼は、度が過ぎるほどにマジメであることを知っていたから。
それでも。むりやりにやめさせるつもりは毛頭ないようであった。バンドメンバーにも喫煙者がいるらしく、香りやらには慣れているようで。喫煙は、公共のマナーに従うのなら問題ない、という考えらしい。
オレだってタバコのせいで恋人を失いたくないので、そりゃあ、文句だって聞くし、配慮だってする。我慢もする。そう、やってほしいと頼まれたならば、禁煙だって努力する。
……
現状、その必要はないと思っているだけだ。つまり、さして響也さんが、タバコをやめさせるつもりはない、ということに繋がる。
響也さんは、キスやらなんやらして、ふと、オレがタバコを吸う事実を実感したとき、思わず話題にしてしまうようだった。それを裏付けるように、響也さんは、毎回、「意外だなぁ」みたいな表情で、興味深そうに、こっちを見つめてくる。オレがタバコを吸ったという確信を得たとき。そして、オレがタバコを吸っているのを、直接、その目に映したとき。
毎度、見蕩れるように、こちらを眺めるのだ。
それは、初めて、彼がオレが実際に煙を吸う場面を見つけたときと、ずっといっしょだった。
オレの住んでいるアパートのベランダ。そこに出て一服しようとすると、ある日、響也さんは「となりで見守っていてもいい?」と訊いた。タバコ休憩を申し出られるたび、なんだか信じられないような気分になるので、直接見て確かめたい、とのことだった。
「なにもおもしろいコト、ないと思いますケド」
ただ単に、二十二歳男性がタバコをふかすだけの光景だ。タバコにそこまでの嫌悪感はないまでも、興味もない彼の提案に、少し拍子抜けして、念を押した。それでもいいらしいので、まあ了承したけれど。見られている中でというのはまあやりづらくはあるものの、特段、困ることはない。
響也さんは、オレがタバコを手に取る姿から、咥えて、吸って、やがて、灰皿に押し付けて火を消すまでを、その澄んだ青い瞳でジッと見つめつづけた。
顔にかからないように、風向きに気をつけながら煙を吐くオレの横顔を、食い入るように、眺めていた。
そうして、彼は、惚けた後に、
『おデコくんは、不良だった』
と言い改めたのだ。
不良になったのではなく、不良だったんだと言い切った。なんともシツレイなものである。
オレは二十歳以上になってから吸い始めたのだし。まあ要は、少なくとも二年は習慣づいているのだという驚愕があったようだ。スムーズな手つきが、様になっていて、目を見張ってしまった、という。
しかし、少なくとも、取り上げるつもりはないらしい。ただ、なぜ吸うのか
……
それが気になるようで。
「タバコ代も安くないんだろ?」
「まあ
……
そうですね」
カラダに悪い、高い、臭う、肩身も狭い。それなのになんで吸うのだと問う響也さんは、止めさせたいというよりかは、本当に、純粋に疑問に思ったうえでたずねているようで。純粋に、感想をつぶやいているだけのようで。だからこそ、少し扱いに困る。
『なんで』と言われても、特には理由がないのだった。吸い始めたのも、成人したのだしという軽い気持ちだったし、吸い続けているのは、なんとなくそうしたいからというだけだ。重大な理由があるわけではない。強いて言うなら、好奇心だ。
まあ、仕事のストレスだったり、ふと襲い来る孤独感だったりを発散するのに、タバコの効能は都合が良かった、というのもあるけれど。世の喫煙者がそうであるように、オレも、軽い気持ちで手を出して、軽い気持ちで続けているだけだ。一日数本を、節度を持って、だいじに摂取している。
「だいたい、ニガいし」
むっとして、響也さんはまた、思うがままの感想をぽつりと吐いた。つんと尖らせた唇。その中身は、オレの舌とツバを通じて、タバコ特有の苦みを味わってしまったらしい。
ニガいマズいという文句は、キスだけに限った話ではなく。ツバだけでなく、精液もニコチンの影響を受けるようで。夜も、オレのを勝手に咥えて、喉仏を上下させては、「ニガい」だのと文句を言う。別に強制はしていないのに、響也さんは、自分からディープキスを催促しては、フェラチオを持ちかけては、顔をしかめるのだ。
さっきだって、キスをしかけにきたのは響也さんからだ。こっちだって、勝手にされるのはいいにしろ、(オレだって恋人とのスキンシップが多いのはうれしいし、口淫だって気持ちいいのだ)文句を言われつづけると、気にはなる。
改善には野菜とか、果物とかを多く摂るといいらしい。まあ、それは置いておいて。
「禁煙したほうがいいですかね」
オレとしては、やぶさかではない。
大した理由もなく吸っているのだから、大した理由があれば、そりゃあ、そっちを優先できる。実際、司法試験の受験勉強時に、禁煙に成功している。手元のストックを思い切って捨ててしまえば、案外、耐えられたりする。こういう場合、自惚れは失敗のもとだから、あんまり胸は張れないけども。
そんなオレの問いかけに、響也さんのほうが、なぜだかまごついた。
「そりゃ
……
まあ、個人の自由だとは思うし、その。タバコ吸ってるきみは妙にかっこいいけどさ。いいものではないし」
もぞもぞと歯切れの悪い言葉を吐きながら、強制したいわけではない、と響也さんは繰り返した。吸ってほしいわけじゃない。それでも、やめてほしいわけではない。そういったジレンマを抱えた顔だった。
タバコを吸うオレを見つめる響也さんの顔。それを思い出してみる。最近は、けっこうな高頻度で、すぐ近くで見ることができる表情。
『ノドに悪いんじゃなかったんですか』
喫煙のために部屋から出ようとする前、響也さんに、確かめるように問いかけるのが、もはやルーティーンとなっていた。オレの家に泊まるときは、狭苦しいベランダ。響也さんの家にお邪魔したときは、マンション備え付きの喫煙所に、わざわざ出向いて(ベランダもあるのだが、高層マンションなので、高所恐怖症にはキツい)。
ぼくは吸わない。ノドにも悪いし。──毎回、彼は、キッパリと宣言していた。だからオレは、できるだけ彼と離れたところで喫煙を心がけているのだが。そのわりに、響也さんは、オレについていきたがった。
副流煙の存在を知らないわけでもないだろうに。たとえ響也さんが吸わないとしても、オレが煙を吐き出すたびに、その物質が混ざった空気を響也さんが吸うたびに、その気なく、煙は、蝕んでいくのに。
オレの喫煙を『見守った』あの日からだ。響也さんが、オレに寄り添おうと名乗り出るようになったのは。
寂しいのかなとは考えた。喫煙に出向けば、五分とか十分とか、待たせることになる。
……
しかし、それだったら、彼は、もっと直接的にねだって、オレの腕を引くだろうと思った。──ねぇ、それ、今じゃないとだめかな
……
。いじらしく、切なげに、囁いてくるはずだった。実際、そうやって、引き止められたことも何度かある。そんなかわいい〝ワガママ〟に、オレは何度も、耳を傾けた。
だから、時たま、吸いもしないのに後をつこうとする響也さんに、問いかけたことがあった。何がおもしろいのかと。穴があきそうなほど見つめてくる響也さんに、理由を訊いたことがあった。
『
……
なんでだろう。きみのことなら、なんでも見ていたいんだよ』
熱に浮かされたように、彼は、そう答えた。なんでだか、きみのその姿を、見ていたくなるんだと。見落とすとなんだか損をした気分になるのだと、まとまりなくつぶやいた。
「なんで、きみだと、なんでもカッコよく見えちゃうんだろうね」
回想の響也さんと、現在の響也さんが重なった。
相変わらずの、複雑そうな顔だった。悔しげとも、困惑とも、恍惚とも、愛おしげともいえる顔。うっとりとしながらも、焦燥感を抱いているような、そんなムジュンをはらんだ表情。
苦いのなら吐き出せばいい。やめさせたいんだったら取り上げればいい。寂しいのなら引き止めればいい。意思表明で崩れるような仲ではなかった。むしろ、お互いに遠慮なんかしないでぶつかりあって、妥協して、成り立っている。
それを信じるならば。
それをしない、むしろ、喫煙所の場所を調べては教えてくれる親切さを、信じるのならば。
響也さんは、オレがタバコを吸う姿が、好きなんだろう。姿が、というか。姿も、なのかもしれない。
なんで吸うんだ、という疑問には、なんで魅力的に見えるんだ、という自問が紛れているのかもしれない。いやふつうに、彼は苦いものがそこまで好きではないようなので(コーヒーを飲むときも、「本場ではこうするんだよ」なんて言って、たんまりと砂糖を入れている)、そういう切実な好みもあるのだろうけど。
でもそれでも。ディープキスだって、フェラチオだって、やめようとしない。いやがらない。むしろ、恍惚とする。それが──普通に考えたら心地いいわけないのに──魅力となってしまうのが、何よりも、不思議なのかもしれない。
響也さんは、検事のくせにロックバンドなんてやっていたし、自由気ままに生きている。けれど、彼の中の倫理観や価値観というのは、堅苦しいくらいマッスグだ。
タバコとか、度が過ぎた飲酒とか、セックスとか。そういう、ちょっと人目を避けたほうがいい行為に対する忌避感は、人並み以上にあるのだ。あくまで他人に押し付けるのではなく、個人での範囲で。絶対に手を出さないし、絶対にやりすぎてはいけないし、絶対に好きにならない。好きになるわけがない。そう自分を制しているし、やりとげている。息苦しいだろうことを、のびのびと。
ベッドの上で乱れることすら、ためらうような人なのだ。オレが「おかしくなってもいい」と囁くまで、自身を律する人なのだ。許しを一度でも得てしまえば悩まない人だけれど、それまでは、密かに不安を重ねる人。
それなのに、避けるべき喫煙行為をする姿を見て、『かっこいい』と感じてしまった。見とれてしまった。悪くないと思ってしまった。だから、戸惑っている。
あんなに興味もなかった、むしろ避けていた事柄に、こんな好意的な感触を持ってしまうなんて──と。
好きでも嫌いでもない、世間一般的には良くないことを、「やめてしまうのが惜しい」と──「見られなくなるのはちょっと残念」と思ってしまうのが、らしくないし、間違っている視点だと感じるのに、そう思わざるを得ない
……
。
こちらとしては、カッコいいなんて真っ向から好意を告げられているし、熱い視線を恋人から向けられているので、照れくさく誇らしいことこのうえないのだが。
響也さんとしても、それが実質的な告白であり、〝らしくない願望〟の発露であることに自覚はあるらしい。
「まあ、クチがさみしいんだったら、せめて、アメでも舐めておきなよ」
ごまかすように彼はそう提案した。
好きだろ、きみも──響也さんはそう言って指を向ける。ついと向けられた方向を見てみれば、『しゅわしゅわーん』と書かれたパッケージが映る。オレも響也さんもお気に入りのアメ玉だ。しゅわしゅわと口の中ではじける感触が楽しく、爽快な甘さがたまらない、人気の炭酸アメ。
「禁煙するんだったら、ぼくも協力するけどね」
棒付きのアメだろうがなんだろうが、なんでも調達するし、なんでも手伝うよ、と軽々しく彼は言う。棒状のアメをくわえる姿なら、タバコをつまむ姿とも似ているし、砂糖は、ニコチンよりかは体にいいだろうし、過剰摂取も起こりにくいだろう、と。
実際、頼めば、あたりまえみたいに手を尽くしてくれるのだろう。軽い気持ちで、ちょっとした願望も含ませて、利害一致であると言って。
たとえそれに必要なものが、自身も気に入っている、大人気ゆえに購入さえ困難なアメ玉だったとしても。
さっきも彼は、そのアメを舐めていた。
「さっそく舐めるかい?」なんて、誘ってくる。中身の少し減った、彼の好物。ライブ前には必ず食すと決めていて、手に入らなければ、歌えないとまで主張するそれを、彼は、軽率に差し出す。
確かにオレもこのアメは好きだ。見ていると、特有の甘さと爽快感が思い起こされる。やけに鮮烈なイメージ。見かけては買って、喉をうるおして、糖分を補給しているからだろうか。いや
……
。
「でも、」
今に限っては、明確なイメージを持って思い出せるのには、別の理由がある。気づいて、つま先を伸ばして、響也さんの襟をこちらに引き寄せた。
「アメの味なら、あなたで事足りるんで」
今度は自分から舌をねじこむと、先程と同じような残り香を感じた。ちょっと薄れてはいるけれど、たしかにある。しゅわりとした感覚と、清涼感ととなりあわせの甘味。──甘い。
響也さんとのキスは、たいてい、そんな甘ったるい味がした。ライブ前といわず、彼は、定期的にこのアメを嗜んでいるようで。たまに、舌肉や、上顎などをなぞると、うっすらとした甘さを感じた。口内でぬるまり、唾液で薄まった、そんなエキタイの味。タバコを吸った後というのは、味覚がちょっとはにぶるものなのに、響也さんの味は、やけにはっきりと、脳に到達した。
ぴりっと痺れに似た苦み。その後に香る、駄菓子らしいベタついた甘み。そのどちらにも似つかわぬ、こっちの興奮を煽るような深みのある匂いが、だんだんと主張してくる。
アメで舐めているだけでは味わえない甘さが、彼によってもたらされるのなら、そっちのほうが良かった。そっちのほうがお得で、〝特別〟だ。
「味のはなしじゃ、ないよ
……
」
口を離して、にやりと笑ってみれば、響也さんは狼狽して、たどたどしく反論する。口寂しさを埋められるのならという話で、今は、味覚は関係ない。こちらがワザと逸らそうとした話題を引き戻す話術は、法廷のときのように巧みだけど、こういったプライベートでは、負け惜しみに成り下がってしまう。
悪くはない──なんならうれしい──満更ではない──と、目が語っているのも、相まって。今度は「ニガい」という文句すら、言うのを忘れているのも、決定的だ。
「じゃあ、今度吸いたくなったら、響也さん舐めさせてください。それだったら、できそうなので。というか、したいです、オレが」
口寂しさは、キスでも、満たすことができる。それ自体がタバコや、アメ玉にはならなくとも、欲求から気を紛らわすことはできる。少なくとも、オレは、タバコと響也さんならば、アメ玉と響也さんならば、どれにしたって、〝牙琉響也〟を優先したいと思う。
そっちのほうが、魅力的だ。
「あなたが良かったらですけど」
口角を上げて、顔を向ければ。
「
……
性格悪いよね、きみ、そういうところ」
小麦色の肌を血色よく火照らせて、響也さんはためいきをつく。その吐息にも、まなざしと同じ種類の熱を含んでいる。わざわざ、了承を取ろうとするオレのイジワルさに、苦言を呈しつつも
……
なぜだかイヤな気分にはならず、快く受け入れてしまう。
そんな複雑そうな顔をして。悔しさと愛おしさとをまぜこぜにして。響也さんはやっぱり熱に蕩けたような目線をこちらに向けて、言う。
「
……
好きにしておくれ」
「ぼくを」とも、「禁煙を」とも聞こえた。
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