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でがらし
2022-12-30 12:01:05
551文字
Public
【吸死】ドラヒナ~全年齢~
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『I love you』を知る前の月
「月が綺麗ですね」のドラヒナ。Twitterの1枚で収めた短いお話。
甘さレベル★★
(初投稿2022年1月18日)
「死んでもいい」とその吸血鬼は身体を塵にしながら呟いた。
私はただ、「月が綺麗だな」と言っただけなのに。
夕食の買い出しへと出かけた時には雲に隠れていた月が、今は金色に輝いている。こんなに大きくて綺麗な満月は久々に見たから、ただ隣にいたドラルクに教えたかった。たったそれだけだった。天気の話題なんてありふれていると思っていたのに、どうしてなのだろう。それとも何か気に障ることを言ってしまったのだろうか。
地面にポトリと落ちてしまった買い物袋を拾い上げる。落下の衝撃で品物が傷ついていないかと確認したが、ひとまずは大丈夫そうだ。もぞもぞと隣の砂山も動き出す。
「
……
ねぇヒナイチ君。そのセリフ、私以外には言わないで。絶対に」
緩やかに塵から復活していくドラルクは、吸血鬼は思えないほど真っ赤で、微かに潤んだ目をしている。その顔があまりに必死そうで、でも何故だかは分からなくて。言葉が飲み込めずいると、ドラルクは「やっぱり無自覚かぁ!」とうなだれてしまった。それなのにどこか楽しそうで、ますます状況が分からない。
「まあ、私からちゃんと言うつもりだったから構わないさ!
……
いつか絶対、ね?」
満月を背に、踊るように歩き出すドラルク。
……
その笑顔の意味が分かるのは、もう少し後のお話。
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