kurou1994trpg
2023-12-24 21:03:01
3522文字
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圭と聡

圭がいない日の聡の一人遊び(R-18)
やる気と時間が出来たら続きます。

探偵事務所を経営している、聡(受け:自己評価底辺)と圭(攻め:聡視点 優しくて自分にはもったいないと心から思う人)

※両想い






自分以外誰もいない事務所というのは久しぶりだ、と石森聡は独り言ちた。

幼馴染の綾辻圭と恋人になってから開いたこの探偵事務所は、自分たちの自宅兼事務所を兼ねている。だからこそ、この場所が自分だけになるということは早々になくて。改めて部屋を見渡してみれば、自分にはあまりにも広すぎる場所だなと身を縮こまらせた。




明日は事務所は休業日。だからこそ、二人の間でいつの間にか決まっているようなことがあった。
それは、―――肌を重ねること。
いつの間にか暗黙の了解の様になっていたその交わりは、彼が自分のことを気遣ってのことだとわかっている。自分が貧弱であるから、優しい彼は気遣っているのだと思うと申し訳ない、と口にすれば彼は優しく笑って「俺が勝手にやってるだけだから」と頭を撫でるのだ。本当に彼は優しすぎると思うのだ。

圭が求めてくれるのは嬉しい。
こんな特徴もなく、薄くて抱き心地も悪そうな体を嬉しそうに抱いてくれるのは、きっと彼しかいない。自分の渡せる数少ないものだから、いくらでも持って行っていいと思うのに。



そんな限られた逢瀬の日が本来であれば今日だった。
しかし、依頼の都合で遠方に出なければいけなかったために朝に圭は
「先に寝てていいからな」
と微笑んでそう言った。
やはり圭は優しすぎるのだ、自分にはもったいないと思うほどに。


せめて圭が帰ってきたときに温かくて美味しいものを食べてほしいと、夕食は少しだけ豪勢にした。本当は彼の分はいつでも良いものにしてあげたいが、別々にすると彼はいい顔をしないから。でも今日くらいならきっと許してくれるだろうか。
そう思いながら、夕食の準備をしていく。
自分の分は小さく握った塩結び1つと圭のための付け合わせで作ったスープを少し。
圭の分は豚の角煮に焼き魚、炊いたご飯に野菜スープを添えた。最後にはフルーツも切っておけば喜んでくれるだろうか。
これで、いい、かな
喜んでくれると嬉しいな、そんなことを思いながら、それらにラップをかけた。



時刻は22時。
風呂から上がり、特にやることもなく電気ももったいないからと寝室で小さな明かりをつけてベッドにもぐりこんだ。男が二人寝ても十分すぎる大きさのここで、聡は小さく身を丸めた。
ふと、普段彼が眠っている枕へと目が向いた。
ほんの出来心。少しだけ寂しくて、彼のなるべく近くにいたかっただけ。
そろそろと寄って行き、その枕に顔を寄せれば、安心できる圭の気配がした。それがとても嬉しくて、そのまますり寄っていく。
圭」
聞こえるはずもないのに彼の名前を読んで、声が空間に溶けていく。自分でしておいて寂しくなるなんて、馬鹿だなと思いながらさらに圭を求めた。





この前圭はどのようにしてくれただろう。
耳元で自分の名前を呼んでくれて、優しくキスをしてくれた。
上手く甘えられたらとご褒美にキスマークをつけてくれた。
酷くしてもいいというのに、壊れ物のように丁寧に慈しむ様に肌を撫でてくれた。
「好きだ、愛してる」と言葉をくれた。
こんなに幸せな日が来るなんて、思っていなかった。



しかし今は彼はいない。
この部屋に、家に、自分はたった一人だった。
枕に顔を埋めて彼の気配を探した。残り香のような気配に縋っていないと不安で堪らなくなった。
だって自分は、彼がいないと息もできないんだから。





残り香のような気配に縋りつき、次に湧き上がるのは情欲だった。
簡単な話だ。
長年に渡って蹂躙された自身の醜い身体は、他人に媚びることしか知らないから。浅ましいなんてことはわかっている。わかっているが、この状態で眠ることなどできないということもまた事実であった。
埋めていた顔を上げて、自身の股間で緩く勃ちあがるソレを見た。
背筋がゾクゾクと震えるのを感じる。
「ごめ、んなさい
今はいない愛する人へ、哀を囁いてソレに手を伸ばした。




「はぁ、んっんぅ
うつ伏せの形で顔を圭の枕に埋めて、膝を立てて腰を高くする。くちゅくちゅと音を鳴らしながら、自身の後孔を解きほぐす。すっかり勃ち上がってしまった自身の性器はダラダラと先走りを零しているが、彼のベッドやシーツを汚さないようにつけたゴムのおかげで、窮屈に泣いているだけだった。
震える性器を尻目に、ただ一心に孔の浅い部分を刺激しながらゾクゾクと背筋に快感を走らせる。
「ぅん、んんぁ、ぅ
顔をまた枕へと押し付けて。

囁くように彼の名前を呼んだ。

大切な人の残り香に縋って、そこで寂しさで枕を涙で濡らすだけだったら可愛げもあったのになぁと快楽に溺れる自分とは別のいやに冷静な自分がそう言ったような気がした。その考えに自嘲気味に笑って、浅いところで弄んでいた指を深いところまで押し込んで、期待に硬くした前立腺を掠めるように抜き差しを繰り返した。
自分以外に誰もいない寝室に響く、小さな喘ぎ声と卑猥な水音。
はしたない性器はダラダラと欲望を零してゴムの先端を少しずつ膨れさせていく。生殖行為でもない、愛し合う行為でもないそれで消費されていくそれらが、哀れで滑稽で聡は自分自身をそれに重ねた。
この行為が終われば、あれらは縛られて屑籠に捨てられるのだ。独りよがりの行為の末にそうされるのは、当然のことだしそれでいいとも思う。
「けい
だからこうして彼の名前を囁くことも本当はおこがましいのだろうな、そう思いながらまた、快感の海に溺れようとした。


その時だった。


すっと、誰かの指が自身の背を撫でた。腰骨から項に駆け上がるように優しく撫でられた感覚にまた、嬌声と先走りを零した。
「聡」
そう言って温かい手が自分の顎を掴んで後ろを振り向かせてくれた。

そこには浅黒い肌に赤い目を細めて自分を見つめる圭が薄く笑っていた。
「け?」
「あぁ」
そのまま口を寄せられて触れるだけの口づけをされた後に彼はやはり蕩けそうなほどの甘い表情と、劣情を含んだ瞳で自分を見つめ返してくれた。
「一人でしてたの?」
「俺のこと、思いながら?」
楽しそうにクスリと笑ってもう一度、彼は口付けをくれる。今度は息を奪うほどに舌を絡めて、唾液を流し込んで、熱く深いそんなものだった。必死になって唾液を嚥下して、息も忘れるほどに彼に縋った。息も続かなくなったころに口付けが離されて二人の間に銀の糸が紡がれる。
夢のようだと思った。
また圭は屑籠の中の自分を拾い上げてくれたなんて。
「ふふかわいいな」
「ねぇ、答えて」
「誰を想って気持ちよくなったの?」
赤くて美しい目を細めて笑ってくれる彼が本当に愛おしい。
「けい、のこと……
自分がそう小さく返事をすれば、彼は心底優しい顔をするすると頬を撫でてくれた。
温かい手だった。




「はん、んぅ///」
ヘッドボードに背中を預けて、足も大きく開いて見えやすいようにして、右手は前の刺激もそこそこに後孔を自身の指でかき混ぜて、左手は自身の胸の飾りを転がした。ぴくぴくと体を跳ねさせて、自分が快楽に沈む様を、圭はじっと見ている。
「ハハすっげぇエロい」
ごくりと喉を鳴らした後、圭は切なげに震える性器に手を伸ばし、すっかり膨らんだゴムの先端を指で這わせてまた笑った。
「ここもすげぇグチョグチョ」
彼もまた後孔に指を突き入れて、卑猥な水音を鳴らした。
圭が触れる一つ一つの場所に甘く電気が走るように快感が駆け上がりぴくぴくと身体が震え、喉からは嬌声が溢れ出す。どうしようもないはしたない身体を隠したくとも、隠せなくてぽろぽろと涙を零して小さく「ごめんなさい」と言えば、彼は首を横に振った。
「違う。俺は、嬉しいんだ」
「こんなに俺を求めてくれているのが嬉しい」
「ねぇ?」
「挿れていい?」
いつの間にか猛っていた彼の性器をズボン越しに当てられる。それも泣きそうなくらいに嬉しくて、笑って小さく頷いた。
「けぃでいっぱいにして?」
そう懇願すればまた嬉しそうに彼は笑ってくれるのだ。


本当に彼は自分にはもったいなくて優しい人。
屑籠から拾い上げてくれて大事にしてくれるのだから。
この夢のような時間が続いてほしいと思いながら、それでもいつかは屑籠に戻されても構わないと諦めて、今はこの甘い熱を甘受した。