ortensia
2024-11-11 03:28:33
715文字
Public 傭リ
 

最終的に脱出出来た荘園()の時空でリの封印術を傭に伝授しようとするリ(???)

力ずく。

 スリルを求めて生きることを自らに定めた小男は、スリリングな荘園内で、その対象の最たるものとしてわたしを抜擢したらしい。いやなんでだ。もっと色々有ったろ他に。
 そんなわけで、ロンドンに戻って来たわたしに、付いて来てしまったのだこの男は。
「ねえ。こんな慣れない土地より、やっと荘園から出られたんだから、故郷に帰りなよ。」
「帰れる故郷なんてとっくに無えよ。」
……それにしたって、ロンドンはおまえの生活圏とはだいぶ文化も違うでしょう。」
「そうでもない。イギリス軍に雇われていたこともある。」
「それって別にこの国が戦地だったわけでも無いでしょう?」
 黙った。
 だが言い負かしたところで男がアトリエを出て行く気配は無い。
 わたしは何も掛けていない画架の前で項垂れた。
 この男はスリルを求めて、わたしに付いて来たのだ。
 しかし、ここへ戻って来た以上、ルールが無い限り、わたしの対象がおまえになることは無いよ。
 画架に何も掛けてすらいないそこに「顔」を上げて、妄想の中で真っ白な画板を見出してみる。
……おまえ、絵描けます?」
……おまえがいつもやっていることだろう、なんでおれが。」
 もう「わたし」が描いても、どう抑え込むことも出来無いんです。
「だから?絵を描くなら、それが誰でも良いって?ハ。」
 御免だね。
 後ろからやって来た男に、肩を持って上体を伸ばされた手で「仮面」を掴まれる。
「絵を描いて抑え込む遣り方よりも、どうせもっとおれ向きの遣り方ってもんがある。」
 確かに、どう遣ってるのか知らないが、その手の力を振り切ることが出来無い。
 成る程、確かにこの男御誂え向きのスリルと言うわけだ。


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いつもリアクション絵文字等ありがとうございます。