ortensia
2024-11-04 20:18:52
963文字
Public 傭リ
 

時代が胡乱な(?)よーり。一緒に住んでるっぽい。

……この場合のシンデレラはわたしではなくおまえなのでは、と思った。現実逃避だ。

 向かいで食事を取っていた男がそれを止めた。リッパーは、このひとって食事を中断出来るんだ、と思った。
「何か言いたいことがあるな?」
 向かいの傭兵がリッパーを上目に見た。まるで睨む一歩手前だなあ、とリッパーは他人事のように思った、現実逃避だ。
……ちょっと、舞踏会に参加することになりまして。」
「おれに出てほしいってことだな、シンデレラ?」
「そんなこと言ってませんけど。シンデレラじゃありませんけど。」
 はあ、と傭兵は匙を置いた。本格的に食事を中断した。
「おまえ流に言うと、おまえの気が進まない会だが長い目で見ると参加したほうが良いから参加するが気の持ちようは変わらない、だからおれを視界に入れて気を紛らわせたい、と。」
 どうだ、と確認さえされなかった。断定だ。さも様式美の流儀であるかのようにわざわざ言葉にして述べられただけだ、正に「おまえ流」と前置きしただけある。むかつく。
「食事会じゃないんですよ、舞踏会、分かります?」
「何を踊るんだ?おまえがいつもやってるやつか?」
……それじゃなくて、前に見せた」
「ああー、あれか。ガチめのやつ。」
 リッパーは、もうこの言いようで通じるのさえやだな、と思った。なんか少し考えてる様子だし。
「いつだ?」
……らいげつ。」
 この会話こそを中断したい。傭兵はまた考え込んでいた。もう知ーらない、と投げ出したかった。リッパーの都合である。
 そして。
「わかった。」
「わかるわけないでしょう。おまえの予定は?」
 反論する言葉は、傭兵が黙っている間に決めていた。
 そもそも何故答えを出す迄食事の休止に付き合ってしまったのか、ばかばかしい。
「なんとかする。」
「おまえの練習時間もあるんですよ?」
「なんとか。する。」
 顔を覆ってしまおうかと思った。
 この男がなんとかすると言ったならば、そうするのだ。
「なんで、そこまでします?」
「なんて、言ってほしいんだ?」
 聞いたのはヤケになったからだ。ある種の現実逃避。
 案の定向かいの傭兵はリッパーを上目に見た。まるで睨むようでいて、意地悪く笑っている。ちゃっかり食事を再開している。
 諦めてリッパーも食事を再開した。
 待っているのは食事会ではなく舞踏会だ。打倒。しかし勿論、武闘会でもない。


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いつもリアクション絵文字等ありがとうございます。