ortensia
2024-10-07 02:16:56
541文字
Public 傭リ
 

珍しく?リが絵を描いてるのを邪魔する傭(猫か?)

謎時空。

 カンバスの上を筆が、色が、滑る。その都度、時が進む。そりゃそうだ。
「おまえって、結局それ、過去のことだろ。」
 傭兵が言ったことが、リッパーには脈絡無く感じた。
 そのせいでつい顔を上げてしまった。あーあ。
「過去?」
 リッパーの傾げた首に答える傭兵曰く。
「例え描いている景色が現在のものだとしても、描き終えた頃、どころか描いている間に進んだ時のせいで、過去のことになるだろ。」
……まあ。絵ですし?」
 未来、を題材にしたとて、描いた絵それそのものは描き終わった、という過去形に違いない。
「なら、現在に手を伸ばさないか?」
 言った傭兵が無造作に手を広げるから、リッパーは少し驚愕と不可解を伴って、傾けた首の儘静止した。
 そして少しして笑った。
「なぁんだ。構ってほしいんですか。」
 傭兵は眉を少し動かすだけで、黙った儘だ。
 だからリッパーは告げる。
「邪魔しない程度なら、こっち来て良いですよ。」
 その言葉に今度こそ明らかに顔を顰めた傭兵は、そのあと諦めたように大きく息を吐くと、手を下ろしてリッパーのそばに寄った。邪魔しないように背中に触れ、その体温をリッパーに伝えた。
 例え向き合っているのがカンバスの過去の景色でも、現在には確かにこの男がいる。


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いつもリアクション絵文字等ありがとうございます。