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ortensia
2024-08-06 00:07:32
3669文字
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傭リ
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おめがばよーり。傭←おめが、リ←あるふぁ。※たぶんいつもよりハード(???)ですたぶん。
塗り付けられる体液は自分のものではないのに、さもこちらがそう望んでいるかのようになじられる。
「おまえより早く濡れるオメガのおれが、仕方なくおまえが擦れて痛くないように、おれのを使ってやってるんだろうが。」
そんなこと恩着せがましく言われても。
「だ、誰も頼んでなんか」
「は?じゃあおまえ、痛くても良いって言うのか?」
ぎゅうとわざと力を込められ、自分と違って相手の短い筈の爪を、立てられ引っ掻かれる。
「痛っ。や、嫌です。痛いのは
……
っ」
「そうだろう?」
荒げられた声と共に、手が緩められる。
それに対してはほっと息をつくものの、この状況そのものには何も安心出来ない。
「いや。離して
……
」
はあ。
大きく溜め息を耳に吹きかけられて、びくりと肩が勝手に跳ねる。相手に対するおそれだとは考えたくない。かと言って、体の反射だとも思いたくない。この状況を、肯定したくない。
「おまえがおれに充てられたから、こうなってるんだろう。」
「それはおまえが、わざとわたしのそばに
……
」
「はあ?」
また。思わず身を縮こまらせる。この男よりずっと高い上背なのに。こんな男、ただのチビのオメガなのに。
「ふら付いたおまえを手づから支えてやったのに、なに、その態度。わざわざ自室に運んでやったのに。」
あーあ。と男が言う。その態度に、こちらのほうが目入りそうだ。
なのにこの男はまだ続ける気だ。
「おれよりずっと高い上背のおまえを、アルファのおまえを。オメガの、おれが、手引きしてやってるってのに。」
ぐっと肩を寄せられる。
「そうやっておまえは、いつ迄も全然協力してくれないんだ?」
密着した体、元々寄せられていたのに、体を引かれて、それ以上に近付くことが可能なのかと驚いた。肌が余計に熱い。ちがう、自分の温度じゃない、この男の体温だ、そうだ。
「おまえ、いつもは冷たいのに、今はあっついなァ。」
耳元で告げられる。ちがう、ちがう!
「自分で確かめてみろよ。」
ぐったとと力の入れられないでいる左手を取られ、自分の掌に自分の吐息が当たるように導かれる。ちがう!やめて!ちがう!
「ほら。」
はあはあと荒い息が熱を零していることを無理矢理自覚させられる、それどころか。
「ああ。分かったか?」
開き放しの口からは、舌がだらりと垂れ下がり、そこからしとどにはしたなく涎が垂れている。俯瞰しているような感想しか抱けないが、これはまごうことなき自分のことなこだ。唖然とする。呆然としてしまう。
「こっちよりもどんどん出て来るな。」
そうしてまた男の手がゆるゆると握られる。
「や。」
「そっちの方が滑りが良さそうだ。」
おれよりもな。オメガのくせに。オメガのくせに!
「口から自分で垂らすか?」
なにを、何処に!
自分でも深く考える前に首を横に降っていた。それで口からの雫が余計に跳ねようが、構っていられなかった、本当に。
「そうか」
男の手は弛まない。
「じゃあ口は啜ってやるよ。」
勿体ないからな、って。意味がわからない。
わからない儘、言葉通り啜られた。
ちゅうと吸い付かれた始めの次に、まるで息継ぎをするかのように唾液を飲まれた。
ず、ず、と嫌に耳に響く音が煩わしく感じた。
思わず首を降って振り解くと、こら、と嗜められて、なにか胸の奥がぎゅうとなって苦しかった。
「なんで泣くんだよ。なんにも痛いことじゃねえだろ。」
「痛くは、ないですけどぉ」
なんて声だろうと思った。自分の声が。ぐずる子供みたいだ。
「なに」
オメガの男がそっと問い掛けて来る。宥めるように、始めのように口をちゅうと吸われた。これは悪くないかもしれない。
「んあ、音が。あむ。」
「
……
おと?」
啜られずに、少し吸われたり軽く食まれるくらいなら許せる気がする。さっき迄びりびりしていた頭が、ぼやりとして来る。
「ああ。」
男がまたしたり顔のような声を出した。何か嫌なことを言う気だ。
「待って、」
「おまえ、音がやらしくて恥ずかしがってんのか。」
ぼんやりしていた頭が、またかっと熱くなった気がした。
「いや!」
「そうなんだな。」
言いながら、眼窩の目尻を耳ごと食まれた。大口だ。ヤ。嫌。
男から口を放したせいで、またぼたぼたとしたたり落ちる。自覚を持ったが、構ってられないのは変わらなかった。
なのに男はこんなことを言う。
「口はだいぶ治ったが、こっちはだいぶ濡れて来たな。」
「や!」
男が自分の言葉を事実だと証明するかのように、手を擦らずに、揉み込むようにしてぬめりけを確かめた。
「いや!」
「ああ、音がするもんなあ?」
男が揶揄って来る。嫌。
音、聞かせないようにしてやっても良いけど?と言う男が上目に見て来るけれど、嫌な予感しかしない。
「やです。やめて
……
」
「はは!だと思った。」
男はこちらと違った上機嫌だ。思う壺なのが、そんなに愉快なのだろうか。
「じゃあちょっとだけな?」
「は!?」
抵抗が最初から通じた試しはないが、今度は抵抗する間もなく仕掛けられた。
べろりと耳を舐められた直後、さっき口にしたみたいに、ちゅと吸い付かれて、心臓ごと肩が跳ねたかのように、強く脈打った。
熱過ぎて耳が痛い。
「いや!いやぁっ
……
」
あまり自覚がないが、おそらくびくびくと、痙攣のように暫く震えていたのだと思う。男はその間は、何をするでもなく、こちらの肩を抱いた儘、じっと見詰めていた。その視線にすら耳が痛いのだと言ったらどうするのだろうか。浮かんだ思考は、血脈のように流れて行った。
「
……
やっとおれと同じくらい濡れたか?」
嫌に穏やかな男の口調が、その意味も碌に理解出来る思考が戻っていないのに、どこか深いところに落とされるかのような危惧を感じた。またびくりと跳ねてしまった肩をさすられ、少しだけ冷静さを取り戻した。けれど警戒心が拭えるわけではない。そんなこと出来る筈がない。
「一緒に合わせようか。」
腰が引けた。部屋に入れられた時に乗せられた寝台の上で、力無い体を滑らせるも、碌に男との距離は取れない。今のていたらくじゃ、触れただけで裂ける爪で、ベッドの柔らかなシーツ一枚引き裂けない。
「おれだけに触られるのが怖いなら、おまえもおれにそうして良いよ?」
「
……
嫌。」
そうかあ、と男は明らかに残念そうなのに、不思議と機嫌を損ねてはいないようだった。困ったような顔をして、笑ってすらいる。
「おまえのこれで、中触って貰いたかったんだけど」
それはそれで気味の悪いことだ。
「まあ良いよ
……
」
触って貰うのは、また今度にするから。ぞっとして否定する前に、向かい合わせに引き寄せられ、熱が重なる。
男はずっと笑っている。
腰を引くのが一歩間に合わない。しかしどんどんずり下がって行ったところで、寝台の上など限りがある。おかしい、普段は上背のある自分でも使えるファニチャーに不満は無かった筈なのに。
「あっついな」
「嫌、」
目の前で笑うこの男のせいで、こんなにも全て理不尽に感じる。
「おまえも、おれも。」
「嫌ぁ
……
」
無理矢理熱を高められて茹だった頭がどんどん馬鹿にされてゆく。なのにそんな顔で笑った眼差しを向けないでほしい。よく見えないんです。ぼやけた思考と視界の合間、時々ちゅうと口を吸われるのは分かる。
「おまえこれ好きだもんなぁ」
「好きじゃないぃ」
はは、と男がまた笑う。だから。よく見えないんだってば。
「おまえはこれくらいの口付けと。頬から首にかけて、それから手を握られるのが好きか?」
「好きじゃないってば、」
やはり男が笑う。そうか。そうだな。段々なんだか耳もぼやけて来た。嫌だった音はもうとっくに聞こえないし、なのに聞こえていた男の声も、頭にぼんやり響くみたいな状態だ。
「うあ。あ。もう、」
「
……
そうか」
そうか、じゃない。なんで。なんでかこの男のほうはぼんやりした様子はなく、どこか達観しているような態度で気に食わない。なんで。どうして。もっと。
もっとめちゃくちゃになってほしい。
「ん。」
どうすればいいかわからなくて、そうすればいいかわからない儘口を吸った。それ以下だった。男がしたもののどれよりも浅い、ただ押し付けてほんの少し擦り合わせるだけのようなものだった。
しかしそれを必至で済ませたこちらは、口を離した瞬間ぜえはあと大きく息を見出し、全身をしとどに濡らしたかのような心地だった。水源は圧倒的に男のものだったと断言出来るが、ふわりと息をした儘の男は、その熱こそ熱かったが、ただ呆然とした様子で、こちらはそれに怒りで沸騰しそうだった。
なのにそれは突然、水風船が割れるように綻んだ。
その時は怒りでか冴えた頭が、男の顔をはっきりと見せた。それどころか、雫の反射が多いように思えて、眩しくさえ見えた。
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いつもリアクション絵文字等ありがとうございます。
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