ortensia
2024-08-04 19:47:30
2450文字
Public 傭リ
 

よーりに巻き込まれるいそっぷかぁるの現パロ。よおへえがしんでる。

リが出て来ない()。日本寄りの葬式。浮気迄はしてない(と思う)けど密告はしてる()。納がのうかんは絶対なので後のことは知らん言うてる。巻き込まれたく無さ過ぎて納が吐きそう(←)。
無歸「No Return」って言うホラゲがございまして…相手のいる暖かい家庭の食卓から始まり、悪人を善人するような産まれ直し(エルデンリング?笑)のような怪しげな儀式やカルマの教えの資料が各所に散らばり、儀式の豚に食べさせれば善行となるだろうってんなわけあるかーい、ハニー貴方ったら私が貴方の顔を忘れてしまいそうなくらい忙しいと直ぐに食事を疎かにするんだから誕生日の今日くらいお肉食べてよ…ってゲームの中の記事で書かれてた「椀飯」って儀式は日本だと普通に饗宴で来客を歓待する意味だと思うんですがゲーム内だとたぶん死者のためにご飯を入れたお椀を伏せて(ご飯ごとひっくり返るが?)そのお椀の高台の上に箸を揃えることでお前はもうこの世のものを食べ終わったからあの世へ逝けって意味の儀式だとたぶん思うんですよ、それで実際ゲームの食卓で出て来たの日本で言う一膳飯(枕飯)でしたね立て箸の、記事の翻訳が違うのかわざとなのか分からないです。

 それは死んだ筈の友人だった。
「よお!暫く振り。」
 夢枕、とかではなく、休日をひとり自宅で悠々自適に過ごし、手製で少し遅めの昼食を用意した時分。
「お前ちょっと昼メシ遅過ぎねえ?おやつの時間だろお?いつおやつ食うんだよ?」
 うとうとと白昼夢をみるには確かにその時間だが、幽霊が出るには明る過ぎる日中だった。やはり白昼夢だろうか。実際は自分はベランダのそばの横で床に寝こけているのだろうか。そこで死んだ友人が、日中の光を透かすように受けて、幽かに立っているのだろうか。
「お前おれの話聞いてる?」
「君は死んだ筈だよね?」
「おう、それで頼みがあってだな。」
「君こそ僕の話聞いてくれない?」
 幽けさを感じるには強すぎるインパクトの強引さである。驚愕を覚えること成る程確かに幽霊だ。
「おれを納棺してくれないか」
 僕は彼を納棺していない。彼の死を知ったのは人伝だ。だから葬儀にも出席していないのだが、それを教えてくれたひとの言葉を疑うことはしない。「死にました。」そう静かに告げたあのひとのほうが幽けきに相応しいのは誰しもが思うだろうことだが、それ迄はとても元気なひとだった。
 そもそも僕は幽霊を信じていない。僕は納棺の行為に絶対の信を置いている。
 だからというわけでもないが、この友人が納棺されていないというのなら、こうして今目の前に幽霊として現れているのも仕方がないことなのかもしれない。この友人は食事が好きだったし。
「食べないのか?作り立てが美味いだろ。さっさとマスク取って食っちまえよ。美味そうだが、おれのことは気にしてくれるな。」
「あ、そう?」
 気になるなあ。
……飲食供養待ち?」
 ひょっとして。しかし、はは、と笑われた。
「んーん。間に合ってる。」
 間に合ってる?あのひとが?まめなことだ。しかし、この友人に死んで尚食事を用意するなんて、あのひとくらいしかいないだろう。
 あのひと自身は食が細かった気がするが、確かこの友人はかなりの健啖家だった筈だ。もし目の前の幽霊が生きていれば、遠慮なく僕の今日初めての食事だろうと容赦なく掻っ攫って行くことだったろう。
「おれは朝飯も昼飯も食って来た。お前と違って。」
 余計なお世話だ。
 しかし彼は幽霊のくせに、言ってることは実に健康的な内容だ。
 いったい誰が用意してやっているのか、という考察は、既に先程済ませたばかりだ。
「毎日、三食。今日の昼は海鮮パスタだったよ。」
「海鮮パスタ……?御霊供膳が……?」
……まあまあ、お前は食えってば。必要なんだから。」
 物言いたげな視線を逸らしてはくれたが、美味しいとは思いづらくて仕方がない。
「なら僕が食べている間にちゃんと説明してよ」
 これなら幾分こちらが気にならずに済む。
「まあ、依頼するならそうだよなあ。……いやあいつがさ、」
 そうして幽霊の口から語られたのは、先ずあのひとのことだった。当然のことだ。この幽霊は、そうなる前から、先ずあのひとのことを口にした。変わらないな。
 そんな幽霊曰く、彼は死んだ身にもかかわらず、この世のものを食べているらしい。死者が食事をする、その時点でおかしいが、黄泉の者は黄泉の物を食べる、それならおかしくないだろうと言われれば、頷くも難くない。
 黄泉竈食ひというものがある、彼は逆のことをしているらしい。否、この場合の黄泉が、自分の世界ではない場所という意味ならば、彼にとっての黄泉竈食ひが行われているということに他ならない。黄泉竈食ひを行ったらさいご、もうその世から離れられないと言う。
……なら君は、もう死者の世界にはいけないということ?」
 食事を終えて手を合わせて、空いた食器のその向こうの死者に問う。彼も今僕が食べたものと同じものを今も食べているのか。
「だから納棺してほしいんだ。」
 食事が好きだった彼は、現在も普段から食卓で過ごしているらしい。実は、彼の霊体は今僕の家の食卓に着いているが、死体はあのひとの家の食事に座っているらしい。僕はこの仕事に就いていなければ今吐いていたかもしれない。
「つまりおれは、実のところまだ一度も棺桶なんてものに入ったことがない、死者の世界もいったことがない。ならば、おれはまだこの世のもので、今からでも納棺されれば、そこで初めて、おれは死者となるのではないか、と思ってな。」
 黄泉竈食ひをしていないと主張する彼のこの理屈が、果たして理論武装となるか。
 何はともあれ、彼の頼みというのは。
「あのひとがこの世の食事を与えている君の死体を、僕に納棺しろってこと?」
 やっぱ吐いて良い?
「あいつにいつ迄も世話になるわけにはいかないだろう。」
 現状の彼の食卓の惨状がおそらく相当凄惨なものなのだろう。
 僕は黙って立ち上がった。
「お、引き受けてくれるか」
「食器を片付けるんだよ」
 僕はあんまり食器を落としてしまうことはないんだけれど、音には馴染み深いかもしれない。
 危なげなく洗った食器を籠に伏せて振り返る。食卓の死者は未だそこにいた、残念だ。
「なら」
「ん?」
 幽霊と社交を交わす、不思議なものだ。
「茶碗割りは、あのひとにやって貰おうかな。」
 あのひとが手づから友人に食べさせているというのなら、その椀を自ら割って貰うが良いだろう。仕事が一つ減ってしまうのは否めないが。
「お前、酷い奴だよなあ。」
「君に言われてもね。」
 幽霊が眉を下げ、光の中で慈しむような表情をしたとて、こちらにその仕事の全うを依頼したのは、他でもないこの死体だ。
 納棺すれば死者となった者は救われるが、この世の者は未だこの世からは救われない。ひとり救われてしまった死体を失ったあのひとの救いについて、この友人は口にしなかった。まあこの眼差しがあのひとに向けられ続けることは、おそらく確かなことだろうが、それでも分からない。
 なにぶん、僕は幽霊を信じないので。


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いつもリアクション絵文字等ありがとうございます。