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ortensia
2024-04-18 20:32:35
845文字
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傭リ
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目の前に人間が落ちて来たのを見た傭がその時見上げたらリが居た現パロ奇譚。
安家賃のアパートへの帰り道。
まだ陽が沈む前だった。暗く成る前に帰れたことに自分の機嫌が上向いたことを自覚した。
おーい、こっち見てー。
そうしたら自分の部屋のベランダから声が聞こえた。丁度アパートのベランダ側は逆光に成って居て、誰かは分から無かったが、相手は手を振って居た。
自分の部屋で何故、と思う間に、相手はその手を下ろすと同じくらいに自分の上体も下に向かって振り落とし、全身ごと真っ逆様に飛び込んで行った。
勿論そこはプールの飛び込み台でもなんでも無い。
落ちた先はただの地面だ。
「は?」
声も息も上手く出せ無い儘、目の前にぐしゃりと人間は落ちて来た。
ぶち当たった地面に潰され崩れ飛び散った液体とかけらを、随分肉質の有る果実だなと思った。まごうこと無き肉塊だ。
そこで自分も腹から液体やら固形物やらを地面にぶち撒けるかと思ったが、どうしてだかおれは、その時もう一度上を見た。もう落っこちた人間の体が目の前に在って、既にそのベランダを見る必要も無い筈なのに、見上げて仕舞った。
そこには男が居た。
さっきのは確かに逆光で人影しか分から無かったのに、その時ははっきり男であると分かった。先程より陽が沈んだとか言う話でも無い、なのにその相手が紳士風で帽子を被って居ること迄理解出来た。背の高い痩せぎすの男だ。
その男はベランダの手摺にゆるりと肘を置き下を一呼吸分見ると、あっさりと部屋へ戻って行った。
やはり間違い無く、おれの部屋だ。
おれは何も考えず、自分の部屋迄階段を駆け上って走って行った。
乱暴に自分の部屋を鍵で開けると飛び込んだ。確かに鍵は、いつものように掛かって居た。
狭い部屋だ、室内は影っては居るが、あの背の高い男が隠れる場所など無い。ベランダへ出た。
下を見て驚いた、ここから落ちたように見えたそこには、何も無い。呆気に取られて居る間に、直ぐ後ろから。
「おーい、こっち見てー。」
まだ陽が沈む前の、真っ赤な空の下だった。
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いつもリアクション絵文字等ありがとうございます。
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