ortensia
2024-01-03 21:16:46
389文字
Public 傭リ
 

破壊と再生(ではない)のよーり


 目玉を繰り抜かれるのかと思った。
「抱きたいですかわたしを。」
 けれどそうでは無いらしい。
「なに。」
「そう言う目をして居るものだから。」
 ふふ。と笑う男の爪が、貫くこと無く目の下を滑る。
「おれは……、前々から思って居たが。内臓を傷付けるようなことはしたく無い。」
 ははは!と声が上がる。内臓を貫いて血飛沫を浴びて居るのはお互い様だろうに、と言うことだろう。
 しかしそれは目的がそれそのものなのだから、それはそれが道理なので有る。
「何かを成すと言うことは、いつだって何かを壊した後に生じるのですよ。」
「そう言うものか?」
 ええ、時代だってそう。
「ならばおまえを犯しても良いのか?」
「襲ってみろよ口先ばかりに成ら無いように。」
 誘う爪を、出来るだけ優しく抱いた。
 どうしても付けることに成る傷のその先で、生じるものが飛び切り甘いもので在るように。


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いつもリアクション絵文字等ありがとうございます。