ortensia
2024-01-02 22:13:24
751文字
Public 傭リ
 

よーり+しゃしんか。じょぜふさんはやさしいしゃしんかさんだよ。

(軽い)火傷の表現が有る。

🤕<手を火傷した。
✂️<ステーキ皿を素手で掴むからです。

 治療した手を鬱陶しそうにして居た傭兵が、ふと写真家を呼んだ。
 その話の内容に、写真家の白い顔は難色にひび割れた。
「手が不自由なのは今だけだろう?」
「今不便だから、言ってるんだ。」
 写真家、サーベル。
 顎を遣る傭兵の態度は、とても人に物を頼むそれでは無かったが、余程うんざりして居るのであろうことは充分写真家に伝わった。
 ただそんな写真家にも、傭兵に言っておかなければ成らないことが有る。
「その手が使え無いのなら、別の手を借りれば良いだろうに。」
「借りは作らん。」
 これは借りを作ることには成らないのか、思うも口にはせずに、写真家は、分かった分かったと言って、傭兵の髪をばっさり切り落としてやった。
 傭兵の今の手では、自身の髪を結うのも儘成らないのだ。
 散る髪がはらはらと落ちるところを、なんとなく見て居た傭兵がそこから視線を上げると。
「あんなに面倒をみてあげたのに。」
 何処か呆然と呟かれた声を、傭兵は呆然と見詰めた。
 その視線の先には、リッパーの仮面が有った。
 合わない視線は、リッパーが覚えた矛盾感を伝えて来るようだった。
 それが、リッパーも面を上げて、傭兵と漸く視線を合わせたことで明確にされる。
「特に不自由しない内は、散々手入れさせたくせに。」
 言うだけ言って踵を返したリッパーを、やはり傭兵は呆然と見て居た。
 ただ先程とは違い、心に焦りを生み出して。
「世話を自分から頼んだ覚えは一度も無い、って言いたいのは分かるよ。」
 それまで黙って居た写真家がサーベルを収めたと同時に、傭兵は焦燥を抱えて衝動の儘リッパーを追い掛けた。
 それを、写真家と落ちた髪だけが見送って居た。


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いつもリアクション絵文字等ありがとうございます。