黄金の尾花が月光の波に揺蕩う。垂れた
頭がさらさらと鳴き、褪せた藍の袖を撫ぜてゆく。
望ちる月に跳ねる玉兎のまぼろしを観ては、互いに出逢うことのない金烏に想いを馳せる。
──いやそれとも。
面前で穂先を
手遊びする黒毛の兎を見遣る。
たとい目には見えずとも、愛しい兎を目に焼き付けるよう、こうして誰にも知られることなく静かな逢瀬を重ねているのかもしれない。
戯れに舞う、冷えた
鈍銀に覆われた手をそっと握る。
頭上に浮かぶ届かぬ光より、目の前の玉兎だけを見ていたいと言ったら、あんたは笑ってくれるだろうか。
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