けろか
2024-11-21 18:26:01
924文字
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スタンドイン兵助と左右くく

a〇〇n…のどい先生のスタンドインをする兵助と撮影スタッフの左右小話

 薄手のブラウス一枚を纏った自分の姿から兵助は目を逸らした。鏡から逃れるように目を伏せても、薄布と擦れ合う素肌の感覚が否応なく意識に上る。
「兵助、もうちょっと首傾けて……そう、その角度」
「ん……こう?」
「いいよいいよ、色っぽーい」
 勘右衛門の声は弾んでいる。容赦のないスポットライトが、真上から照りつける。強い光に晒されて、顔や体が灼けてしまうような錯覚がする。言われるままに首を傾けると、熱った肌に汗が伝った。空調が効いているにもかかわらず、兵助の体は既にじっとりと湿り気を帯びていた。全身がカメラに吸い込まれてしまいそうだ。
 八左ヱ門がそっとタオルを兵助の首筋に当てた。
「もーちょい辛抱してな」
「うん……
 学園生活で全裸だって見せ合って見慣れてるはずなのに、今は服を着ているのに、どうしてこんなに恥ずかしいんろう。熱い、くらくらする。兵助の思考は熱に浮かされたまま、ぼんやりと霞みがかっていた。八左ヱ門の優しい手がタオル越しに首や肩を撫でさする。
「あー汗かいてハイライト落ちちゃったね。塗り足そっか?」
「俺がやる」
 八左ヱ門が、パウダーを含ませたブラシでお腹を撫でた。くすぐったさに身を捩る。手付きは丁寧なのにどこか責められているようで、落ち着かない。
「っ、ねえ、これまだ続くの……?」
 耐えきれなくなってとうとう音を上げた。勘右衛門は唇の端をあげて楽しそうに笑う。
「土井先生に負担をかけるわけにはいかないだろ?兵助の役目はスタンドイン。主役がカメラの前に立つ前、ライティングやアングルの調整をするために代わりに立つ――優等生の兵助にしかできない仕事だね!さ、次のアングル行くよー!」
「台詞が説明臭いよ勘右衛門!」
「はいはい。八左ヱ門、ハイライト塗ったら早くこっち戻ってきて。今度は横からの光、強めで」
「おー了解」
 解放の予感は儚く消え、二つの熱い眼差しが再び兵助の柔肌を辿っていった。

「ねえ三郎、これってSEX特集の撮影だっけ?」
「いいや?違うよ、普通に服着て撮るやつ」
「もー! 教えてあげなよ!完全に遊ばれてるじゃないか」
「だって面白いから――どれだけ赤い顔で帰ってくるか、楽しみだな」