【能楽鑑賞】#168 宝生会定期公演

能「唐船」「葵上」「葛城」「夜討曽我」 狂言「伯母ヶ酒」「萩大名」

宝生会定期公演

宝生能楽堂
2024年11月16日(土)

午前の部 11時

能「唐船」盤渉
祖慶官人:亀井保雄
  唐子:藪俊太朗、内藤瑞駿
 日本子:内藤成鵬、亀井皐月
 箱崎某:殿田謙吉
  船頭:野村萬斎
  従者:野村祐基

 笛:藤田次郎
小鼓:飯田清一
大鼓:飯嶋六之佐
太鼓:徳田宗久

狂言「伯母ヶ酒」
 甥:野村太一郎
伯母:高野和憲
後見:石田淡朗

能「葵上」
六条御息所の生霊:内藤飛能
   照日の巫女:葛野りさ
   横川の小聖:村瀬提
      廷臣:村瀬慧
 左大臣家の従者:中村修一

 笛:寺田林太郎
小鼓:森貴史
大鼓:柿原孝則
太鼓:大川典良


午後の部 15時半

能「葛城」
女/葛城の神:金井賢郎
羽黒山の山伏:梅村昌功
 同行の山伏:則久英志、野口琢弘
   所の者:飯田豪

 笛:藤田貴寛
小鼓:古賀裕己
大鼓:原岡一之
太鼓:小寺真佐人

狂言「萩大名」
  大名:野村萬斎
太郎冠者:岡聡史
  亭主:石田幸雄
  後見:月崎晴夫

能「夜討曽我」
 五郎:渡邊茂人
 十郎:大友順む
団十郎:佐野玄宜
 鬼王:當山淳司
 古屋:田崎甫
 立衆:石塚尚寿、岩上昂平
五郎丸:上野能寛
 早打:深田博治、内藤連

 笛:栗林祐輔
小鼓:飯冨孔明
大鼓:佃良太郎

*・*・*

推し様、宝生→矢来→宝生のトリプルヘッダーの日。
全部観たかったケド、分身でもしないと流石に無理なので、貧乏性な私はボリュームある方を選択。結果、丸一日お能漬けになれて幸せでした🤗



能「唐船」盤渉

日中で争いがあり中国の祖慶官人(シテ)が日本に抑留される。そこへ、中国に残してきた二人の子供(子方)が官人を迎えに来る。主の箱崎の某(ワキ)は、官人の帰国は許可するものの、日本でもうけた二人の子供(子方)も連れての帰国は許さなかった。しかし、悲しむ親子の姿を見て、ついに帰国を許す。唐船に四人の子供を乗せ、官人は帰国の喜びを船上で舞う。


初見。謡の場面が多いので、優秀な子方4人が揃わないと上演が出来ないとされるレアな演目。そう言われているなだけあって、今回の子方4人はとても上手かったです。子方特有の澄んだ声は、聴いていて気持ちが良かったほど。

裕基くんは太刀持、萬斎さんは黒くて長いヒゲを蓄えた、唐の船頭の役。両者とも序盤から登場し、太刀持は途中で退場してしまうが、船頭は最後まで残り、場面に応じて船を運んだり、帆を立てたりと段取りが重要そうな役柄で、祖慶官人と4人の子どものドラマを裏から支え見守る役でもありました。

基本的に台詞は日本語ですが、一度だけ船頭が唐の言葉で喋る場面があり、萬斎さん特有のチャーミング狂言ボイスも相まって、見所からは控えめながらクスクスと笑いが漏れていました(笑)


大鼓の人が、独特な打ち方でカッコイイな思ったので、調べたらインスタを発見。そしたら、なんと、芸歴とても長そうなのに、唐船は初役だったそう。もちろんインスタはフォローした(笑)



狂言「伯母ヶ酒」

初見。酒屋の伯母が酒を呑ませてくれないので、鬼に化けて脅して酒を飲む話。怯える伯母に対して調子に乗り、甥(自分)を優遇するよう言う辺りとか、ちょっと狂言「清水」っぽいなと思いました(笑)

文句無しの配役で、たかのん伯母が良い味出してました。
太一郎さんが喉を鳴らして飲む姿は師匠の面影を感じますね。



能「葵上」

何度も観てる人気曲ですが、今回はシテが上手くてカッコ良かった!軸、体がブレない、まさに私好みの能の動きで痺れました🥰

歌舞伎座で玉様の「源氏物語」を観たあとなので、御息所の心情に対しての解像度が上がっており、前シテから生霊感あってゾクゾクしました。また宝生能楽堂では、後シテがシテ柱に来た時に、下からライトアップする演出が入るので尚良しでした😊

ワキの村瀬提師もカッコ良くて、シテも背丈あったので、互いにバッチバチ⚡️のシーンは見応えありました。

あとツレの巫女が女性の方で、美しくて可愛らしい声だったので、こちらも印象的でした。

総合的に、凄くいいモノ観れた感で大満足でした🥰



能「葛城」

山伏の一行(ワキ・ワキツレ)が修行のため、大和国・葛城山にやってくるが、吹雪で足止めに。そこへ、この山に住む女(前シテ)が現れ、自分の庵で休むよう案内し、楚樹を焚いて山伏たちをもてなすと、三熱の苦しみから救って欲しいと頼みこむ。

実は女は葛城の神であり、その昔、役行者から吉野の金峯山まで岩橋を掛けるよう命じられたが、自分の醜さを恥じて夜しか仕事をしなかったため、橋はなかなか完成せず、不動明王の怒りを買い、罰として蔦葛に縛られ苦しんでいるという。

山伏の祈祷の前に、再び現れた葛城の女神。山伏に感謝した女神は大和舞を舞う。そして、自分の醜い顔があらわになる前にと、夜明け前に岩戸の内に帰って行くのであった。


初見。舞台は吹雪の中の葛城山。雪の世界を描いた能で、しっとり舞う女神が素敵でした。が、この女神、自分は可愛くないと思い込んでいて、コンプレックスを抱いており、なんだか人間みたいな神様なんですよね🙄

基本的に女面は美しいので(素朴感はあったかも)、女神が悩んでるその醜さについては、容姿からはピンとこなかったのだけれども、女神の冠には葛が付いており、その影が顔にかかるので(前髪長い人、みたいな感じ)、それがちょっと根暗っぽい雰囲気は出してたかも😅

でも、雪のように、静かに、静かに舞う姿は美しかったなァ✨



狂言「萩大名」

もう、短期間で何回観てるんだろう?って感じですが😅
今回は、ニッコニコな幸雄さんの亭主の表情に凄い癒やされつつ、でも大名がポンコツだから、ほらぁ!亭主が怒っちゃったじゃなーい!って感じで🤣🤣🤣
岡さんの太郎冠者もプンプン激怒な感じで去っていたので、役者が変わるとキャラクターの雰囲気も変わるなァと思いました。

萬斎さんの大名は、安定のポンコツっぷり(可愛い)でした🤭



能「夜討曽我」

初見。能や歌舞伎には、曽我モノを題材にした演目が沢山ありますが、今回は曽我兄弟が仇討ちを遂げて、弟の五郎(シテ)が捕らわれるまでを描いた、まさにクライマックスの場面。
過去に観た曽我モノを思い出しながら観たら、まさにドラマティックで、映画一本観たかのような濃厚さがありました😳✨

中でも、既に討たれてしまった兄を探すシーンは、ちょっと胸が締め付けられましたね😢

ちなみに間狂言「大藤内」が演じられるのは、この演目なのですが、大蔵流ではデフォルトでセットになってるのに対して、和泉流では小書きが付かないと演じられないので、今回の間狂言では、伝令役の二人が登場し、仇討ちの様子を語るというものでした。


ということで、今回の番組はバラエティーに飛んでて、満足度の高い公演となりました。中でも、なかなか出ないという「唐船」を推しのアイで観れたのはラッキーでした🤗✨



過去の観劇日記はコチラから⬇️
https://privatter.me/user/mijuppa
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