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ガイベル
2024-11-20 18:45:48
4744文字
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お話
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小夜鳴鳥は夜に唄う
同棲出来上がり済っぽい けど
お家デートでイチャイチャしている話
寒いので暖かくなりたい。
「せっかく色々計画してたのに、ついてないな
……
」
バジルが窓の外で強く音を立てて振る雨を眺めながら、残念そうに呟く。
連休に合わせて前から決めていたお出かけは、この悪天候により日を改めることになった。
太陽は厚い雲の上に身を潜めている。
「家の中で過ごすのも良いんじゃない。
……
僕は、バジルとのこういう時間も、好きだけど」
サニーはそう言いながらバジルに近づくと、コツン、と自分の頭を軽く彼の頭に当てた。
頭突きというほど強くはないそれは、少し気恥ずかしい事を言ったことへの照れ隠しでもある。
「
……
そ、そうだよね!ぼくもサニーくんと一緒に過ごせるだけで嬉しいよ!」
先ほどまでのしおれ具合が霧散するように、ぱっと明るい笑顔になったバジルを見て、恥ずかしかったけど素直に言って良かったと思う。
「サニーくん、今日は何をしよっか。映画とか見る?それともゲームとか?」
時間はたっぷりあるから、やりたいこと全部やろうね!と、気を取り直したバジルがはしゃぐ。
そうしているとサニーのスマートフォンがブブッと震えた。
画面を見ると最近リリースされたばかりのゲームアプリの通知だった。
これはカードを集めてコレクションするも良し、デッキを作って対戦するも良し。結構気軽にできるから、かなり流行っていると思う。
僕たちも例に漏れず、毎日のように起動しては時々プライベートマッチで遊んだり、片方がオンラインで知らない人と戦っているのを見ながら応援しあったりしている。
せっかくだからと今日はお互いの画面を見ながら、運試しのようにパックを剥いた。
「バジルのカード運、結構良いよね」
「へへ、こういうのは割とね」
相変わらず微妙な運らしい僕の手持ちは今の所、可もなく不可もなくというような感じだ。
「いつかトレード機能が実装されたら、交換しよう?」
「うん。その時までにバジルの欲しい物、出せてたらいいんだけど
……
」
どうだろう、と自分の携帯をスワイプしてあまり期待できない今のコレクション画面を表示した。たぶん、複数持っていないと交換に出せないとかもあるだろうし。
当のバジルはたいしてその画面は見ずに、僕の顔を見て穏やかに笑う。
「
……
大丈夫だよ。なんでも、大切にする」
その言葉はきっと本心なのだろうけど。でも、そういうわけにも、いかないだろう。
そうやってゲームをしたり、その次は気になっていた映画をみながら話をしたりしていたら、いつの間にかすっかり夜と言える時間になってしまった。夢中だとあっという間だ。
まだまだ眠くないし、きっと一晩中起きていることもできるだろうけど、一応部屋の明かりは少しだけ落として間接照明に切り替えられた。
日中の煌々と明るかった室内とはまた違う
……
、そして外の悪天候とも切り離されたように落ち着いた、優しい夜の始まり。
「夜は冷え込んでくるから、あったかくしようね」
と、バジルが暖かい飲み物を用意してくれた。
ひとつの大きめのブランケットに2人で包まれて、隣に寄り添うように座った。
「えへへ、こうしてるだけでなんか、落ち着くな」
「
……
うん」
「
……
もっと近くに行ってもいい?」
「
…………
うん」
短い返事の後、バジルはサニーの肩に頭を乗せて、少しだけ体重を預ける。サニーは彼の手に触れると、指を静かに絡ませた。触れている部分から少しむず痒いような気持ちが芽生える。そうして言葉数は少なくなりつつも、心地よい空気が部屋を満たしていく。
次にはたと目があった時、バジルは何か思い出したかのように声を上げた。
「あ、そうだ。サニーくんに言わなきゃいけないこと忘れてた」
「
……
」
このパターン、ちょっとだけ覚えがある。
前にも、こんなことがあった。
……
こういう時のそれは、だいたいおつかいを頼まれるとか、僕が後回しにしていた家事のこととか。はたまた別の何かか。
さすがに今日の天気模様とこの時間におつかいとかはない
……
とは思うけど、きっと同じような事だろう。でもそれは今、いや、それに今日でなくたって
……
。という不満がよぎる。
このまま、ちょっといい雰囲気になりそう、と思っていた所なのに。当のバジル本人はそれに水を差したとか、そういった自覚は全くないんだろう
……
というので、より恨めしい気持ちにも拍車がかかる。
彼が自分を誰より特別と思ってくれているのは知っている。大事にしてくれているという事もわかっている。でもこういうことが重なると、なんだか自分ばっかりが好きみたいだ。とか、思わなくもない。
「
…………
なに、バジル」
でも悲しいかな、どんな時であれ、話をよくよく聞いてしまうのはサニーの性分だった。大切にしたい人には、なおさら。いつだって良いところは見せたい
……
。
心に生まれた少しの陰りも、全く見せることなく優しい声を出せた、と思う。けれど、
……
もしまた頼み事のたぐいなら。
ひとつ言う事を聞く代わりに、バジルからのご褒美のひとつやふたつくらい貰えたって、いいんじゃないか。バジルに目を合わせながら、そんな事を思う。
そんな僕の考えなど知る由もなく、バジルは何か考えるようにしたかと思うと、すぐには喋り出さずになんだかもじもじしている。もしかして、言いにくい事なのか。
少しの間があってから意を決したような顔になった彼は、僕の肩に身体を近づけると、内緒話のように口元に手をかざしながら僕の耳元で囁いた。
「
…………
。サニーくん、
……
あのね
……
」
部屋には僕たち2人きりだというのに、バジルは何故かことさら声をひそめていた。
もっとよく聴こうとして彼に身体を寄せる。
「
……
大好きだよ」
ちゅ
耳に優しく吹き込まれた言葉と、その後に続いた軽いリップ音が静かな部屋に響く。
「
……
な
……
んちゃって、えへへ
……
。びっくりした?」
照れたように両手で口元を覆うバジルの言葉を理解するのに、時間がかかった。
無言でサニーの腕の中に頭を抱え込まれたバジルは、いきなりの事態にじたばたともがいている。サニーは咄嗟に腕に力を込めて、彼が抜け出せないようにしていた。
……
今は顔どころか、全身が熱い気がする。とてもではないけど、誰にも見せられない状態だろうとすら思う。完全に油断していた。
「ちょ、ちょっとサニーくん、くるしいよ
…
」
バジルは慌てて焦ったような声を上げていたが、しばらくジタバタするとサニーの背に腕を回して大人しくなった。こういうところは案外、強かなのかもしれない。
この格好だとサニーも顔は見られなくて済むものの、早鐘を打つ心臓の音は彼にも丸わかりかもしれなくて。でも、ドクドクと部屋全体に響いているような錯覚がする鼓動は、きっと自分だけものばかりではないような気もした。
サニーはそうしてバジルを腕に抱え込んだまま、自分を落ち着かせるように深く息を吐いてから寝転ぶ。柔らかい生地が2人を包んだ。
目線を落とした先、腕の中のバジルの僅かに覗く頬や耳も、まだほんのり赤く染まっているような気がして、もう、じゃあいいか
……
、と少しだけサニーの気持ちが軽くなる。
彼の背に回した腕はそのままに、サニーはゆっくりと利き手でバジルの髪に触れた。
ふわりと指先を通すように優しく何度か頭を撫でていると、バジルは心地良さそうに目を細めてサニーの胸元に擦り寄った。
「
…………
サニーくん、すき
……
」
うっとりとした甘い言葉は不意打ちでなくたって、少しだけずるいと思う。
でも、きっとバジルは僕が喜ぶこともわかっていて、たくさん言葉を重ねてくれているのだ。
だから僕も今は
……
もう少し踏み込んでも、いいよね。
そう心の中で免罪符を作ると、サニーはそれまでバジルの頭を撫でていた手の指を、彼の耳や首筋にも滑らせるように動かしはじめた。
ゆっくり、指先で輪郭をなぞるように、触れるか触れないか程度の力加減で肌に触れていく。
……
本音としては少しだけ、いままでのやり取りでの仕返しも含んで。
腕の中のバジルは、いたずらに動きはじめたサニーの指に少しだけ息を呑んだようだったけれど、逃げ出そうともせずじっとしている。
「
………
っ、は
……
ぁ、」
「
……
気持ちいい?」
しばらくすると、すこしだけ熱のこもった吐息が漏れ始めてきた。サニーがそれでも手を止めずに続けていると、時折バジルの口からは、ひどく甘くて意味をなさない小さな声も、堪えきれないようにこぼれ落ちてくるようになる。
「
……
んっ、ん
………
、ぁ
……
」
「バジル、ここ触られるの好きだよね」
ふるふると震えながらもサニーの手を受け入れ続けているバジルに、少し意地悪な質問をした。
明確な答えを望んでいるわけでもなかったから、そのまま、また、サニーは彼の背中を撫でたり首筋を引っ掻いたり、耳の後ろに指を優しく滑らせた。
スリスリと優しくバジルの敏感な部分に触れると、身じろぎをしつつもサニーに縋るように身を寄せる。止める者のいない行為は、少しずつエスカレートしてしまう。
「ぁ、
……
さに、くん
……
」
「ん
……
」
バジルの潤んだ瞳がとろりとして、身体は発熱しているかのように熱くなってくる。彼は撫でられるごとに力が抜けて、サニーの上にぺしょりと伏せるようにくっついていて
……
それがカイロみたいにあったかくて、ちょっとだけ面白くなってしまう。
「
……
ふふ」
思わず漏れた笑い声に、バジルは少しばかり恨めしそうな瞳で僕を見つめた。サニーは、でも最初に仕掛けてきたのはそっちだよ。という気持ちを込めて見つめ返す。そうして視線を合わせ続けると、結局バジルは困ったように眉を下げて顔を伏せてしまう。
サニーはそんなバジルの頬に手を添えると、少し引き寄せて優しくキスをする。ふにゅ、と柔らかい唇同士が重なって、すぐに離した。
キスの後の、バジルの恥ずかしそうで、でも嬉しそうな表情を見て、もっと触れたいような気持ちになる。
2度目は、少しだけ強く、深く口付けた。
唇を触れ合わせたまま角度を変えて、お互いの形を確かめ合う。
そうして何度も熱を分け合った。
時間を忘れるほどの触れ合いのあと、また何をするでもなく静かに寄り添う。
サニーはふと窓の外の様子を目に入れた。
一日中荒れていた天気も、少し落ち着いてきたらしい。
サニーがしばらくそちらを見ていると、腕の中からバジルが控えめに囁く声が聞こえた。
「ねえ、サニーくん
……
」
「
……
なに、バジル」
それは暖かな2人だけの世界に引き戻す、甘い声。
「
……
もうすこしだけ、こうしていたいな」
バジルの静かなお願いを聞きながら、サニーはまた少しだけ彼を抱える腕に力を込めて、目を閉じた。
雨上がりの外の世界には、鳥のさえずりが響いている。
end.
__
いまだに毎日幻覚を見続けています ね
毎日毎日、弊サニバジのイチャイチャラブラブを
……
タイトルや描写、説明されてもわかるかよみたいな感覚連想ゲームをしていますが、書きすぎは一気に無粋になる感覚もあるので難しい。考えた所であまり難しい事はできないのですが。
身もふたもない事を言うとやっぱシェイクスピア強いですね。流石古典
今回はバジルが
小夜鳴鳥
サヨナキドリ/ナイチンゲール
ならサニーはヒバリになるんでしょう
……
と、いうイメージも込め。対になる関係って最高かも
最後の鳥の囀りも、
夜のままならまだ長い夜があるという事だし、
もし朝になっていたら間にそれ相応のやり取りがあったと言う事で
……
どっちなんだろう
……
と思いながらまた妄想に戻るのでした。
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