零ミリ
2024-11-19 20:54:04
1211文字
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dear cat

むてらんむて(左右不問) セックスしたい藍桐とその気がない无諦

「无諦〜〜〜〜〜!!!」
 もう日付も変わろうかという晩、執筆を続ける无諦に藍桐がにじり寄る。大声で近付く藍桐にも无諦は無言のまま万年筆を原稿用紙に走らせる。
「そろそろ寝た方がいいよ!」
「君だけ寝たらいい」
 にべもない无諦に藍桐はむ、と口をへの字にすると、拳半個分また无諦に近付くと无諦の太腿に手を置きゆっくりと内腿に沿って撫でる。そしてわざと湿った囁き声で无諦に話しかける。
「ねえ无諦、もう一ヶ月もしてないよ」
 无諦はようやく藍桐の方を見た。藍桐は上目遣いで无諦を熱っぽく見つめている。しかし无諦の瞳は藍桐を映しても心は空想の世界に置いたままだった。
「仕方ないだろう。ここ最近君が来る日に限って筆がのるのだから」
 藍桐が休みの度に无諦の家に来る時はほぼ確実に二人は床を共にしていたが、ここ一ヶ月ほどは藍桐が来た日に限って无諦の筆が異常に走り深夜まで執筆をしていた。
「无諦の執筆が順調なのは喜ばしいことだけれどね! 寂しくもあるんだよ! ああ、僕はなんて欲深くなってしまったのだろう!」
 藍桐は无諦の腿に手を置いたまま无諦の耳元で喚く。无諦はようやく思考が藍桐に辿り着いてきた。无諦は全く閨の気分ではなかったが、一ヶ月も恋人と過ごしながら何もできないことが男にとって辛いものであるということは理解はできた。逆の立場であれば、无諦は藍桐に何が何でも頷かせるだろう。无諦は人差し指で自分の唇を示しながら藍桐に言った。
「分かったら。口付けだけでもう少し我慢してくれ。閨はまた今度」
「无諦!!!」
「ちょ、」
 藍桐は无諦の膝に乗り上げ上から口付けを落とす。无諦の舌を絡め取り、熟知した无諦の弱い所を重点的に責める。无諦は藍桐の勢いに押され、床に手をつき、身体を傾ける。藍桐は无諦の姿勢が傾いたことに気付くと、无諦の頭の後ろに手を添えて緩衝材にして无諦の上体を押し倒す。
「んっ……
 藍桐は何度も角度を変えて口付けを落とす。无諦は一分とも一時間とも判断もつかないくらいに時間感覚が狂わされるほどに深い口付けに翻弄され、藍桐がようやく无諦を解放した時にはすっかり息が上がっていた。
「无諦、この先も……ダメ?」
 藍桐は猫が甘えるような蕩けた表情で无諦を見つめる。无諦は藍桐の唇に人差し指を立て、きっぱりと言う。
「駄目だ。……そんな可愛い顔をしても、駄目」
 藍桐は无諦の言葉にきゅうりを見た猫のような顔をする。
「无諦、僕のこと可愛いって思ってるんだね!」
……!」
「ふふ、无諦も可愛いよ! 无諦が駄目っていうなら今日は諦めるよ! おやすみ!」
 藍桐は无諦の額に軽い口付けを落とし、无諦から離れて書斎から出て行く。无諦は自分に呆れながら口付けの跡を撫でる。
「私も溜まっているのか……
 次藍桐が来る時は存分に身体を貪り合おう、と无諦は思いながら眠気が襲ってくるまで執筆を続けたのだった。