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rikuru
2024-11-18 10:13:00
4230文字
Public
グレシル
グレシル小話
1118
グレシル/グレシル♀でも可/コメディ寄り/英雄は格好良かったりそうじゃなかったり腹黒かったり/旅芸人は喜怒哀楽ハッキリしていたり塩対応だったり/普通にゲームとかある/DQ3HD2Dで遊んでる最中(と言うより最初の方)の一幕
※誤字脱字あるかもですがご了承下さいませ
ポイピクと翡翠singsにも載せています
己の分身
……
と言うわけではないが、無意識に自身に似せてしまうのは、誰にだってあるだろう。だって人間だもの。
もはやお馴染みロトゼタシアが誇る騎士の町兼大人気観光地。
その領主邸にて
……
パーソナルスペースという言葉が存在しない位、隣同士ゼロ距離で寛ぎながらとんでもなくデッケェ画面を睨みながらコントローラーを握る無骨な大男
……
グレイグと、長い足を優雅に組んで雅な動作で紅茶を味わいながら苦笑する濡烏の佳人
……
シルビアがおったそうな。
ちなみに座っているソファは大人が3人いても余裕があるデカい物らしい。勿論超高級なのは言うまでも無かった。
更に余談だが、他のパーティーメンバーは各々好き勝手に過ごしていた。
会話を楽しむ者やカジノに入り浸る者や、海で遊ぶ者、何かしらの作業に勤しむ者など
……
実に様々である。
とまぁ
……
このように仲睦まじい2人
……
バカップルが起こしたちょっとした喜劇(コメディ)をご堪能あれ!
「俺は
……
やはり戦士だな」
品定めの如く色々見繕った結果『でしょうね』と言われてもしゃーなしの無難な選択をした男は、流れるように次のキャラクターの作成へと取り掛かる。
職業の欄までササーっと進め、どれにしようか、と佳人は文字をぼんやりと眺めるのだが、
「そうね、えーっと
……
アタシは
……
やだもぅ!旅芸人は無いじゃない!」
自身と同じものを選べないことに憤りが露わになる。だからと言って乱雑になることはなく、あくまでも高貴に、そして優雅に感情を表に出したのであった。幼き頃の愛ある躾と教え込まれた貴族の作法が細胞レベルで染み込んでいるのだろう。多分ね。
「おい落ち着け」
ゼロ距離が故のメリットをこれでもかと利用し、男はやんわりと抱きしめる。相変わらずの程良い弾力にニヤケそうになるが、そこは気を引き締めて仏頂面を貫き通す。が、背に回った手がコソッと(しておらず寧ろ直球で)イタズラを試みるのだが、
「ん
……
あ、ちょっと! 今触ろうとしたわね!?」
普通にバレた。そりゃそうだ。尻に一直線で行ったのでバレるのは当然だった。
「チッ
……
」
「バレなければいけたのに、みたいな目で見るんじゃありませんっ!」
心の内まで見透かされていた。しかも一言一句当たっていたらしい。
これはもう隠しスキルに空気を読むとオンナの勘があるのではと思われる。スキルマ(スキルレベルMAX)で。
「それよりもだ
……
」
好感度が目に見えてダダ下がりした事に危機感を覚えた男は、すぐさま汚名返上の算段に取り掛かる。
抱きしめたままだと地の底まで落ちてしまうのではと、別ベクトルの危機を招きたくなかったらしく、惜しみつつ拘束を解き元の位置へと戻った。勿論ゼロ距離のままで。嫌がられてしまったらもう少し離れるつもりだったのだが、その反応は無かったそうな。
「お前の職業はどうするのだ?」
仕事や任務時の如くロジックを組み立て、突破口となると確信した『職業の話題』へと即座に促す。いや、早いな。
「あっ! そうだったわ!」
どうやら隠しスキル(?)はパッシブスキルでは無かった模様。もしくはお下品行動に気を取られてしまっただけの可能性もあるのだが
……
見事、誘導に成功したのであった。
焦りから解放され内心ガッツポーズを取るグレイグと、心の内に気付かず「何が良いかしら」と唇に指を当て思考に耽るシルビア。
対象的な2人による話の中心は『旅芸人に代わる職種』へ。
「んんー
……
」
「旅芸人が無いのであれば
……
」
テーブルに置いていたコントローラーを手に画面に映る文字を選んでいくのは、男の方だった。
佳人はというと、珍しくまだ思考の渦に飲まれていた。これはドツボにハマってしまっているのだろう。
「戦士
……
はアタシって柄じゃないし
……
。あ、世界中を渡る時にお金の面で色々頑張ったから
……
商人とかかしらん? 確か合ったわよね?」
貸してちょうだい、とコントローラーに指が触れようとした瞬間、
「遊び人か」
と、至極真面目なトーンで言葉が放たれたのである。本人にではなく、独り言の様に、ポツリと。
辺り一面静まり返り、心なしか画面左右のスピーカーからも音が止まった様に思えた。実際はそんな事無いのだが。
空白の間はほんの数秒間。だが何故だか長く感じられた。
「なぁぁぁああぁあぁんですってぇ!? 遊んでいるって言いたいのかしら!?」
僕そんな事一言も言ってないよ!?と、町の何処かにいるであろう、某勇者の悲しみの突っ込みが聞こえたような聞こえなかったような。それは置いといて。
「アンタの事だから、男遊びとかそっちの方で言ってるんでしょ!?」
今回は流石に優雅さを保つ事が出来なかったらしい。勢い良く立ち上がり、鋭い視線と人差し指をグレイグに向ける。怒り心頭なのは火を見るより明らかだった。
「天真爛漫、博愛、清廉、生真面目が変わらず中核となっている事は把握している。遊ぶにしても意味合いは違うだろう」
またもや好感度が音を立てて崩れていく様が手に取るようにわかった男は、再び焦りつつも冷静さを携えたまま答える。
彼女の性格上、男遊びしているとは思ってはいない。が、興行上パトロンと言った男達との食事や接待と言った付き合いがあったのは、立場を利用し把握済みらしい。この人怖
……
。
「でしたら、納得出来るように説明して貰えますか・し・ら・? 将・軍・様・?」
落ち着きを取り戻し優雅さが戻って来たシルビアだが、言葉に巻き付いた棘がこの佳人の内に怒りが残っている事を現している。
ふぅ、と一呼吸置いた男は刃の如く鋭い視線を彼女へ返す。しかし相手は怯まなかった。普段であれば効くのだが、今回の発端はグレイグなので当然と言えば当然なのかもしれない。
「
……
それは貴様なりの意趣返しか? まぁいい
……
。遊び人だと言ったが額面通りの意味では無いぞ」
「ふぅん?」
ほんの少し細まったアイスグレーの瞳に灯る怒りは、緩やかに収まっていく。しかし、納得した訳では無かった。
「遊びと言うが、それが芸事に通じる可能性が無いとは言えぬ。その職業に着いた者しかわからない事もあるだろう?」
「
……
」
雪解けの水のように鋭さが解かれ、佳人の瞳には慈愛の花が咲き誇る。勿論、表情も。
「遊び、芸事を極めた者にのみ、見える先の世界もあるのではないか
……
お前と似通う所があるのではないか
……
そう思って言ったのだ。旅芸人が遊び人と言っている訳ではないぞ。とは言え
……
ゲーム内の遊び人に対しては、あくまで推測に過ぎないが」
段々思考が纏まらなくなってきたらしく、言葉に迷いが含まれる。が、シルビアの顔色が良い方向へと向かっているとわかっていたので、これ以上言い訳の如く言葉を紡ぐのは愚策だと決め、念の為の保険
……
『推測』だと言って締めたのだった。
「ん
……
完全に納得したってワケじゃないけど
……
。つまり、一介の旅芸人として世界中でたくさん頑張って、極める事が出来て
……
ようやく皆からスターって言われるようになったアタシみたいな? なぁ〜〜んてね♡」
貴方が言いたかった事はわかったし、許してあ・げ・る・♡と付け加え、再びソファへ座るシルビア。自身の隣に置いてあった、良い香りがするフッカフカなまんまるクッションをギュウっと抱きしめる。
チャンスだ!!目に焼き付けろ!!と脳が司令を出す前に、バッッッッチリ焼き付けまくっている男は、訪れた汚名返上の好機を逃さなかった。
「わかっているではないかゴリアテ!」
「え、あの、アタシ冗談で」
「冗談? 真実の間違いだろう? お前がスターである事は本当の事で、誰もが知っているとも」
「あ、ありがとう
……
」
「(フッ
……
これで先程下がってしまった好感度は戻ったに違いない! よし、この表情も焼き付けておかねば)」
ここぞとばかりに畳み掛ける男に、シルビアは押されてしまった。何度も言っているが、2人の間はゼロ距離である。自分よりデカい人間に詰め寄られて、恐怖で押し負けるのは致し方がないのかもしれない。
だが今回は違った。愛する男からの褒め称える言葉による嬉しさが優ったのだろう
……
多少の恐怖心があったかもしれないが。
「それなら遊び人でも良いかもしれないわね。あ、アタシ自分で選びたいからコン「
…………
待て」
穏やかに纏まり、甘々な空気が生まれ2人で幸せな気持ちのままゲームが進行する
……
はずだったのに。
「え?」
「言葉通りの意味なら
……
言いくるめて俺の妻にして養う事が出来るのでは
……
!?」
何故、余計な一石を投じてしまうのか?
しかも甘さが固まり、粉々に砕け無くなってしまう方向に。
「よしゴリアテ!!お前の職業は遊び人で設定だ!! お前も今すぐになれ!! いや俺が設定しておこう!!」
「何処からどう見ても意味わかんない事を私欲塗れの人に言われてやるワケ無いでしょ!! て言うかゲーム内の話だからね!? アタシとは関係ないからね!? ちょっと!! アタシが決めるんだってば!!」
えーーっと
……
さっさと決めて冒険(ゲーム)を始めた方が良いのでは
……
?
と、淹れたての紅茶と交換するために入ろうとほんの少しだけ扉を開けてしまったメイドや、周辺にいた騎士や従者の息のあった突っ込みは、本人達に届く事はなかった。
なお、この不毛なやり取りは、10分くらい続いたらしい。
終
ちょっとしたおまけ
「おい」
「はいご主人様」
「アイツらを外に摘み出せ。寧ろ町から摘み出せ」
「なんとご主人様!! 摘み出すのはグレイグ様だけで
……
!!」
「アイツが帰ってきてから一層甘やかしてねぇか!?」
「当然でございます!!」
「(((さ、さすがセザールさん
…
徹底的にゴリアテ様に甘い
……
!! 10割増しで甘い
……
!!)))」
「ほっほっほ
……
相変わらずあやつらはラブラブじゃのう
……
!」
「ロウ様ァ
……
!?」
「ほっほっほ
……
!」
「良いからさっさとあのバカ共を摘み出してこい!!」
「ハッ!! なりません!! ゴリアテ様に関しては出来ません!!」
「(((こっちも騒ぎになりそう
……
)))」
「巻き込まれる前に帰るとしようかの〜〜♪」
「(((逃げた!!)))」
ちょっとしたおまけ終
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