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フレーメンちう
2023-11-25 16:48:45
2697文字
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百王子への苦悩
召喚されたばかりのドゥリーヨダナに振り回される黒髭の話
R-18な「、の原因」もあります!
ノックの音で、作業していたティーチの手が止まる。
今期イチである推しのフィギュアを更に魅力的にする為、削りをしていたというのに。
ほんの少し唇を尖らせながらも、デザインナイフをデスクに置き、ドアを開けに向かった。
そこには最近召喚されたドゥリーヨダナの姿があった。口元は笑みを浮かべている。
「珍しいお客ですなぁ。拙者に何用で?」
完全に接点が無いサーヴァントと思っていたドゥリーヨダナの来訪に、ティーチは小首を傾げた。
「ティーチ、海賊であるお前の宝や財宝とはどのような物なのか見に来たのだ。後学の為に入るぞ」
「ちょw ちょw いきなり失礼でござるな?!」
遠慮も断りの返答も待たず、自身より体格が良いティーチを押しのけて部屋に入って行く。行動が読めないドゥリーヨダナに驚きつつも、戸惑いが笑いとなって出てしまう。
「
……
!!」
デスクに広げていた魔改造途中であるフィギュアを見られてしまうのではと、ほんの少しパニックに陥るティーチは息を飲んだ。ドゥリーヨダナは召喚されて日が浅い。オタク文化を知らない一般サーヴァントであれば、正直見せられた物では無い。コチラ側ではない者に配慮は必要だ。
幸いな事に、ドゥリーヨダナは壁に貼られた美少女ポスターに視線を向けている。ティーチはドゥリーヨダナの側を駆け抜け、椅子に掛けていたタオルでフィギュアを覆った。
「ふぅ
……
」
デスク上に散らばっていた細々としたゴミが散らばってしまったが、見られる事を考えれば些細な事だ。まだ削りの段階で本当に良かった、と胸を撫で下ろす。
「ティーチは現代画の収集をしている様だが、それらが宝なのか?」
純粋で真っ直ぐな目を向けるドゥリーヨダナに、ティーチは目を丸くした。
ドゥリーヨダナが称した『現代画』は、キラキラ可愛い絵もあれば完全に際どい女の子のポスターもある。不快に思われる事はあれど、現代画と言われたのは始めてだった。
「
……
まぁ、今の拙者にとってはこの絵達も財宝の一部でござるな。あと、汚れないよう仕舞ってますが、ゲーム機にフィギュア、後は月並みに奪い集めた金銀財宝って所ですかな?」
萌え絵と称された方がまだ語ることが出来た。それ故にドゥリーヨダナへ『現代画とその他諸々』としか説明出来なかった。それに、サバフェスが開かれれば、そういう世界があると知るだろうから、今は説明をしなくても良いだろう。
「おい、ティーチ。これも財宝か? 落ちているぞ」
ドゥリーヨダナはベッドの隙間に落ちていた厚みのない大振りな本を拾い上げる。それを見たティーチは、一瞬にして青ざめた。
「ドゥリーヨダナさんよぉ
……
手にして良い物と悪い物、その分別を付けるのは今だぜ
……
?」
脂汗を流すティーチの視線の先には、全くもって何も理解していなさそうなドゥリーヨダナ。そして、ドゥリーヨダナの手にした物に対し、ティーチの緊張が走る。こんな事になるなら、ドゥリーヨダナを部屋に通さなければ良かった。
『ナカより外が良い♪』
ティーチが気に入っている一次創作の同人誌。表紙はうっとりしたヒロインの顔に精液がタップリと掛かっている。一見、ヌきをメインとした雰囲気だが、両片思いからの初心なセックスをするストーリーの所為で、素直にヌけない。けど心に染みる。その様な内容の所為で、まだ一回もお世話になった事がない。
しかし、今は同人誌の内容はどうでも良い。如何にして一般サーヴァントのドゥリーヨダナから取り上げるか、だ。
「そんな怖い顔をするな。わし様はベッドの隙間から拾っただけであろう?」
「拾ってくれたのは有り難いが
……
早く元に戻した方がいい」
同人誌に視線を向けるドゥリーヨダナに息を詰まらせる。そんな顔射の表紙をまじまじと見てくれるな。男だったら一度や二度は憧れるシチュだろう?
今にも掴みかかりそうなティーチにの様子に気付いたドゥリーヨダナは、全く意に介しない様子で、表紙のヒロインを指す。
「戻す前にひとつ聞きたいんだが、何でこの女の顔は白いものまみれなのだ?」
「
…………
はへ???」
ティーチの口から言葉にならない気の抜けた声が漏れる。
ドゥリーヨダナが言っている言葉は判るが意図が判らない。男なら顔射が判るはずだろう。
――
もしや、拙者を辱めるプレイでも始まった??
しかし、ドゥリーヨダナを見れば、茶化す様な雰囲気でも無く、純粋に疑問を抱いた顔をしている。
「
……
もしかして、顔射をご存知ない?? 顔に、ほら、精液かけるやつ
……
?」
目が点になるティーチは、なるべく言葉少なく答えようとするが、しどろもどろになってしまう。やはりそれではドゥリーヨダナは理解出来なかったのだろう。小首を傾げながら再びティーチに問うた。
「顔にかけたところでどうにもならんだろう。無駄にしてどうする?」
「無駄
……
いや、それは、その
……
征服欲と背徳感を味わうといいますか
……
ねぇ?」
更に言葉を詰まらせるティーチだが、答えとしては足りない。だが、言わんとしている事は理解した。
「うーむ
……
世継ぎを産むために精液は胎に注ぐ物だと思っていたが、そうでもないのだな」
表紙に再び視線を落とし「成る程」と呟く。ドゥリーヨダナは納得したのか至って真面目な顔で、同人誌をティーチへと渡す。
幾ら悪のカリスマを備えていた所で、元は国を持った王子。その事を痛感させられた。ティーチは、心の底にある『ちょっと接し難いサーヴァントリスト』にドゥリーヨダナの名前を加えた。
* * *
「なかなか有意義であったぞティーチ! 次来たときにはゲームを見せて貰うとするか。博打の物があるのだろう?」
「うん
……
けど、くるときは、はやめにおしえてネ
……
」
朗らかなドゥリーヨダナとは対照的に、羞恥心と罪悪感に満ちたティーチは辿々しい声を漏らす。小さく手を振るティーチに見送られ、ドゥリーヨダナは自室へと向かう。
顔に自身の精液をかける事に興奮を覚える者もいるのか、と新しい事を知れたとと同時に、ドゥリーヨダナ自身はそれに対してそこまで興味がない事に気付いた。
ふと、ビーマと肌を重ねた夜を思い出す。
仰向けに横たえるビーマ。肌は汗ばみ、必死にシーツに縋り付く。
浅い息を繰り返す胸は上下に揺れ、鳩尾から顔にわたりビーマ自身が吐いた精が浅黒い肌に白い斑を作り、その様子が一層映える。
「
……
彼奴自身の精液で顔を汚していた時の方が、好みだな
……
」
独りごちるドゥリーヨダナは、楽しげに口角を歪ませた。
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