三毛田
2024-11-16 18:05:42
1077文字
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13 013. ここから始めよう

13日目 出会った場所から。でもまだ、難しい

 特に重要な任務やら依頼やらがあるわけじゃないけれど、ふらっと宇宙ステーションへ向かう。
 まだまだレギオンの残党やらがうようよしているから、気をつけながらあちこち歩き回る。
 そして、とある場所で足を止め。
「穹?」
「ん?」
 そんなに日は経っていないはずだが、なんだか懐かしく思っていると同行してくれていた丹恒が俺を呼ぶ。
「ボーッとしているから、どうしうたのかと」
「ここで丹恒となのと出会ったんだなって」
 そう。
 カフカの手により星核を埋め込まれ、言霊を聞かされ置き去りに。
 意識を取り戻し、視界に映ったのはゆっくり迫る顔。耳に届いたのは、それを押しのけながら俺が起きたことに弾む声。
「あの続きは、してくれないのか?」
「今のお前に人工呼吸は必要ない」
「遠回しに言っても無駄かぁ」
 苦笑すると呆れられた。
「丹恒、好きだ」
……そうか」
「何その反応」
 拗ねた声が出た。
 俺の反応に、丹恒は目を細めて。
「その顔、何」
「いいや。それを伝えるためだけにここに来たのか?」
「ううん。アスターに見回り頼まれてるから、今度はちゃんと見回りしてから帰るよ」
「わかった。手伝おう」
「お願いしようと思ったんだ。丹恒、お願い」
「ああ。任された」
 深呼吸してから、軽く頬を叩いてサポート部分と収容部分へ向かう。
「丹恒、今日はついてきてくれてありがとう」
「いや。俺も、いい運動になった。たまには外に出ろと、パムに怒られたからな」
「はは。俺が外を走り回ってる時も、資料室にこもってるもんな」
 苦笑すると、ちょっとだけ居心地悪そうな表情になって。
「楽しかったか?」
「少しは」
 と答えたところで、丹恒の腹がぐうと音を立てる。
 驚愕が碧に広がって。それから、顔を真っ赤にしていく。
「たくさん動いたから、お腹すいただろ」
「そう、だな」
 自分の腹を手で押さえながら小さく頷いて。
「アスターに報告して、帰ろう。今日はパムのご飯が美味しく食べられるだろうな」
「ああ」
 恥ずかしそうに唇を噛んでいるように見える。気のせいかもだけど。
 アスターに報告して、列車に戻り。
「ただいまー。パム、今日のご飯は?」
「おかえり。今日はの」
 俺がメニューを聞いている間、丹恒はうつむいていた。
「丹恒、一緒に食べよう」
……
「嫌?」
「恥ずかしいところを見せたから、今更ない」
 手洗いうがいをしてきてから、二人でご飯を食べる。
「いただきます」
「いただきます」
 ああ。
 こうしてゆっくりする時間が、とても好きだ。