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2024-11-16 10:00:37
408文字
Public 🪨短いdcst夢
 

❄️に〝偶然〟助けられる話

❄️

「いつまでそうしている気ですか」
苛立ちを隠そうともせずに氷月が言う。せめて月が隠れてくれたら。空の天辺で煌々と光る月が恨めしい。今日が新月なら、目の赤さまでは気付かれずに済んだかもしれないのに。
「何もなかったんだからいいでしょう」
何も。何も?! 仲間だと思って気を許していた男に詰め寄られて、びっくりして抵抗もできなかった。裾から這い上る手の感触をまた思い出して身震いする。それくらいで済んだのは氷月が通りがかったおかげだから彼が私に睨まれる謂れはないはずなのに、この気持ちの矛先がわからない。好いた相手に見られた、そのことが今、何より苦しい。
「これに懲りたら誰にでも好意的に振る舞うのを止めることです」
……放っといて」
人に優しく、誠実に。親の教えを守った結果がこれだ。本当は目の前のこの人にこそ、好意的でありたかったのに。
「心配しなくてもあの男に襲われることはもうありませんよ。──二度とね」