三毛田
2024-11-15 16:36:17
1069文字
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12 012. 待ち合わせ場所

12日目 そこにいる君はすごく目立つ。不本意だろうけど

 一度別れて行動して、用事を終えたらご飯を買って集合。そして、自分の買い物を終えて地図を見て決めた待ち合わせ場所へ向かう。
 目立つ。ものすごい目立っている。
 角と尻尾は流石に隠しているものの、あの衣装は目立つ。
 更に言えば、美人だからだろなぁ。
「穹」
 俺を見て嬉しそうな、柔らかな声で名前を呼んで。
 周囲の視線が痛い。
 俺のような美少女なら、丹恒の隣に立ってもおかしくないだろ! という気持ちと共に、もしかして不釣り合い? とも考えてしまって。
「待っていた。お前が好きそうなものを買ってある」
 丹恒の口から出た声が低かったので、男どもは残念そうな表情で去っていく。
 俺の丹恒を変な目で見やがって。危うくバットを振り回すところだった。
 が、女性たちは男だとわかった瞬間、彼に声をかけようとソワソワし始めた。
 俺の恋人、美人だろう。と、自慢して回りたいものの、邪魔はされたくない。
「丹恒。買い物全部終わった?」
「ああ。お前はどうだ」
「欲しいものは買えた。だからさ、もう列車に戻ろう」
 腰に手を回す。少し視線が鋭くなったが、知ったこっちゃない。
 付き合い始めた頃は、接触と体温に慣れなくて何度も振り払われていた。
 それを考えると、丹恒も成長してるよな。
「いいのか」
「視線がうるさくてご飯に集中できないから」
「そうか。俺もこの格好で出てきてしまったから、少し居心地が悪かった」
 と、胸に手を当ててホッとしたように息を吐く。
「綺麗だ」
「そうか。お前に言われるとくすぐったい」
「戻ったら、いっぱいイチャイチャしよう」
「俺の中に、お前を注いでくれるか」
「今日の丹恒ハレンチ」
「そういう気分なんだ」
 腰に回していた手をツンツンしてきたので、大人しく外す。すると、するりと指を絡めてきて。
 そして手を繋いで歩きながら、列車へと戻る。
「ただいま〜」
「戻った」
「おかえり。思っていたより、早かったの」
「列車でご飯食べようって話になって。はい。頼まれてた調味料」
「助かる。在庫が心許なかったからな。お礼はパムブレンドでよいか?」
「うん! ご飯のお供に飲みたい」
「二人分でよいか?」
「ああ」
 丹恒が頷くと調味料の入った袋を抱え、キッチンへと向かう。その背中を見送り、俺たちは荷物を置きに行ってからラウンジのテーブルにご飯を広げ。
「今日のパムブレンドじゃ!」
 ワゴンを押して戻ってきたパムは、誇らしげに胸を張って。
「じゃあ、いただきます! うん、美味しい!」
「ああ。美味い」