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溶けかけ。
2024-11-14 23:17:45
546文字
Public
ほぼ日刊
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四季折々を君に贈る
花言葉、四季編です。
ちょっとだけ、枕草子の「春は曙〜」みたいになっていたらいいな、と思います。
春は白薔薇。ふわりと香る優しい香りを伴って、ヌヴィレットはやって来る。フリーナの苦悩なんて露ほども知らない顔をして、彼女の監督した舞台や映影の感想を告げると嵐のように去っていく。
夏は向日葵。燃え盛る太陽にも負けないほど華やかな大輪の花束がフリーナの楽屋に届く。小さなメッセージカードに「おめでとう」という一文が添えられて。タイプライターを用いることが多いヌヴィレットの貴重な直筆サイン。その手の好事家に売れば数十万モラにはなるだろう
……
そんな勿体ないことしないけど。
秋は金木犀。小さな花の集まりは、芳しいほどの香りを辺り一面に振り撒く。贈るヌヴィレットも受け取るフリーナも、楽屋に挨拶に来た新人さんも皆が皆、甘い香りを纏うのだ。その日は一日中「ヌヴィレットさんですか?」という言葉と甘い香りが付き纏う。ふう、と彼女は溜息一つ。
冬はスノードロップ。凛とした香りは雪を待つ日の空気のよう。誰が呼んだか、待雪草。なかなか悪くないネーミングだろう? 綺麗な花には棘がある、雪の下の悪意には十分ご注意を。
「それで、キミは僕にどうして欲しいんだい? あんな思わせぶりな花束まで贈ってさ」
一世一代の大勝負。
さてさて、鬼が出るか、蛇が出るか──その結末は二人のみぞ知る。
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