はるの
2024-11-14 17:53:37
11637文字
Public 感想文
 

ウィッシュ

ネタバレ感想

フェアリーゴッドマザーは遍在しているんですか?????

いや〜〜〜大大大セルフオマージュフェスティバルでしたね!惜しいのは100周年を言祝ぐことにリソースを費やしすぎてストーリー幅が窮屈になってしまっていることですが、スタジオとしては言祝ぎを優先したということだろうか。こんなにあれもこれもやらなきゃならない中でストーリーを作るのは大変だっただろうなと思います。逆にWDAS構文をまったく知らないとちょっと物足りないんじゃないか。たぶんね。

すべての魔法のはじまりみたいな触れ込みでしたけど、あのフェアリーゴッドマザーとアーシャは無関係ですよね?ダリオはシンデレラを観たことがあるんですか?!?!と飛び跳ねそうになったけど、そもそもフェアリーゴッドマザーって汎用語句ですもんね。もはや固有名詞になってるけどわたしの中で。
WDAS概念のイデア的収束、みたいな感じなんだろうか分からんけども。キングダムハーツふうに言うと、ドワーフウッドランドやキャッスルオブドリームとは別に、他のすべての世界に影響されてできているキングダムオブロサスがあるみたいな。フィコが怒り狂って襲いかかってくるボス戦で\イェーイ!/つってフィコちゃんと一緒にセルフィを撮りたいですし、そのあとロングスタッフをソニックレイヴで叩き折りたいですし、ご褒美にスターちゃんのキーチェーンがほしいです!(気が早い)

フィコちゃんについて行きましょうか。観るまではマグさまと呼び親しんでいましたが、今ではこのざまです。

その意味ありげな
タペストリーの話を
回収してほしい。

匂わせで終わりですか?!それとも燃えた事情からロサスが王国として隆盛するまでをアニメーションシリーズにしてディズニープラスで配信しますか????しましょうよ、できるはず!絶対できるよ!(CVアナ王女)

若かりし頃の彼が両親と故郷、おそらく当時の彼の世界すべてを略奪されて、戦争孤児となったときに得た、魂に刻み込むような絶望とか
夢も希望も失った彼を、それでももう二度と奪わせないと決意させるに至ったものは何だったのかとか
もちろんあらゆる魔法を学び始めたときの新しい驚きや失敗を見たいですし、なんなら根詰めすぎてぶっ倒れて将来の妻と出会うやつとか見たいです
願いを人から取り出して、それが叶うように導く魔法が使えるようになったときは、喜び勇んでアマヤをバレリーナにしただろうし
新しく家族と故郷を作って、この力ですべての人の願いを守り叶えようと、はじめはみんなの願いを叶えていたのかもしれない
そのうち願いを叶えたことで"家族と故郷"を脅かす存在が現れたのかもしれないし
これをもって"願いは精査し管理しなければならない"と思い始めたのかも
そもそも彼のこの強固な"wish"に対する執着は、略奪者に対する憤怒でできていて、それは疑念によって簡単に裏返るものだから、守りたい→守らなければ→守ってやっている、と発展しやすいのかもしれないね
そして宇宙が嫉妬するハンサムと褒め称え続けていたらそのうち自称するようになって、おだてにチョロくなっていくみたいな過程をやさしく見守りたい
アマヤ「自尊心が珍妙な成長を遂げてしまったけれど実際ハンサムなのでオッケーです」

みたいな話、いくらでもできると思うんですけど、どうですかWDAS

なんならアーシャ父と面識があるようなので、そのあたりもやっていただいてよろしいのですよ。父は星が導くと娘に教えている哲学者なので、占星術や天文学に造詣があるのかなと思いますが、フィコの修学履歴に両方ありましたものね。願いをストックしてるとこ天文台ですし、話すこともあったんじゃないですか?
アーシャ父が大人になっても娘に"願い星"(※願うと叶う天で最も明るい星の存在はピノキオ以降WDAS作品にたびたび現れる概念)のことを教えていたのだとしたら、もしかしたら彼は願いを取り出す儀式をしなかったのかもしれませんね。それは王にではなく星に願うものだからそろそろお分かりかと思いますが、今のところ全部妄想です。
願いは何よりも大切だというフィコの想いに最も賛同しながら、フィコには願いを託さず最期まで全部自分で持っていってしまった男の話とかすげーーー見たい。フィコにはできなかったことだろうから。そろそろ終わりにしますね。

アーシャの面接、自分が家族を失って悲しかったこととまったく同じ思いをしたアーシャに共感していたら、「願いは何よりも大切」って自分と同じ想いを一緒に歌ってくれるもんだから、はちゃめちゃうれしくなっちゃったフィコちゃん、愛おしかったね。君の願いは偉大な魔法使いの弟子になることでは?ってドヤ顔で言っちゃうのかわいかった。魔法使いの弟子といえばスーパースターことミッキーさんですしね(※ファンタジア)。
"守らなければならない"だけは彼らにとって等しく真実で、ただやり方も捉え方も真逆なんだよなあ。
アーシャがサビーノの願いを見つけて輪を乱していくところと、祖父の願いを叶えてくださいってアーシャがお願いしたときのフィコの失望顔、よかった。

わたし、くだらないと思っていたことが何よりも大切なものだった、という展開、好きなんですけど、その逆の、何よりも大切にしていたはずのものをその想いによって壊してしまう、というのも同じくらい好きです。チャールズエグゼビアの話はそこまでだ。
フィコちゃんは願いをだいじだいじにしまっておいて、自己破綻した結果、願いを壊して壊して食べてしまっている破局ぶり、良良いの良いでした。

そしてフィコちゃんは、自分の願いの玉、作ってないんですね。
君の願いはもはや永遠に叶わないからか?
忘れてしまっては何のための魔法なのか分からなくなってしまうからか?もうそれが全部の答えだろ。
スターを手にしたときに願いが叶ったと言っていたのが哀れでよかったです。すべてを支配できる強大な力は、確かに大切なものを守るという君の願いのために君が欲したものだろう、その爆風で君の大切なものは今くそぼろになってしまっているけども。気づいてないんだよなあその強さがあればすべてを守れると思ったんだろうな違うゲームの話をするな

アーシャと敵対するようになってから、外面が取り繕えなくなっていくとこ、とても良かった。
一度禁書に手をつけようとして、好きな人にめちゃめちゃおだてられてやめにしてるあたりすごくチョロいんだけど、彼の強硬的で支配的な側面はそんなふうに無自覚なところが厄介で怖いなって。どんな思想が安全かを決めるのは私だという独裁思考の強固さは「自分は正しいことをしている」という自認がガッチリ支えていますし、彼のこの構造は、ヴィランとして良いバランスだなと思います。ガワはガストン(※美女と野獣)が近いのかな。彼は自分に賛同する者のみを周りに置いて殴れそうな異分子を発見したら聖戦だ!と民衆を先導して略奪する朝から卵5ダース食べ男なのでなあ、そういうものこそを、若かりし頃の君は憎んだのではなかったかそういうとこやぞ。自分がハンサムだと豪語するくらいはまあポジティブでいいじゃん???でもこの認知の歪みは、だからハンサムと称えないやつは悪、ってなるからね。怖いね。
禁書以降はただただ傲慢強欲自己顕示に傾いていくから、逆にザ・ヴィラン〜!と安心するくらいだったんだけど、サイモンの願いを叶える集会のとき、おどろおどろしい光の演出して「びっくりした?!」つって民衆を煽ってるフィコ、完全にキマっててやばかったです。禁書を開くまでは願いを潰して自分の力にするなんて考えもしなかっただろうにな。お前のそういう以下略
あと髪振り乱していくのが本当にね。哀れでかわいくてセクシーでしたねわたしフィコが王冠をかぶっていないのは、髪型ばっちり陛下だからだと勝手に思っています。髪かき上げるポーズとか、手をばらばらと動かす仕草とか好き。
キュートで愛嬌のある見た目と、やさしい色合いの素敵な衣装で、こんなことになるのが好きだな。衣装、というかこの映画の美術、全部好きです。イニシャルセーターを着るタイプのフィコかわいいね。

『輝く願い』を歌うフィコ、ほぼプリンセスでしたしね。この雰囲気は森の動物たちが集まってくるやつ。きらっきらしててほんと本当に"wish"を大切にしてるんだなとそれが自分の管理下にないと我慢ならないけどOMAENO SO-YU TOKOROYAZO

『無礼者たちへ』大好きです!甲冑とわちゃついてるのかわいいし、人形作って遊んでるのもかわいいし、階段の上がり方かわいい。マグヌスはラテン語で偉大なという意味で、magn-は同等の意味を持つということを補足しておきます。偉大な王にあやかったんだか、権力者サイドに生まれたんだか。宇宙と同じものでできていると歌うのは『誰もがスター!』に通じるものを感じます。
えっとどこまで歌ったっけ?のとこ好きです。フィコの自我がぶれていく感じも好き。まさかこんなぱやっぱやした浮かれた明るい曲で闇堕ちすると思う???しますよ、Wishならね。

彼のモデルの骨子は白雪姫の女王だそうですが、あらゆるヴィランの特長を兼ね備えていて本当に忙しいなと、それでもフィコという唯一のアイデンティティを持ってるバランスが良いなと思います。地下が開いたときはちょうどいい穴ができてしまったと思いましたが(※ディズニーヴィランといえば高所落下エンド)、女王の秘密の実験室の模倣ですよね、たぶん。天文台の実験室自体、ちょっとそれっぽいですけど。緑色のドクロが浮かぶりんごがありそうな雰囲気。マントひらめかせて降りていくところは同じ貫禄があります。そもそも『無礼者たちへ』で、鏡に映った人物に容姿について話しかけるという行為がもろMagic mirror on the wall(※白雪姫の女王が鏡の男に話しかける常套句)ですし、クライマックスでたくさん鏡を出して自分を映してるあたり、女王と鏡の男の役割を兼任している、と思ったら最後、鏡に閉じ込められて、しゅぽんって入る一瞬、白雪姫の鏡の男そのものがぱっと映るじゃないですか。女王の高所落下をフィコは踏襲しないのと、彼の所業は鏡のようにすべて跳ね返って彼の責任になる、というのはなるほどでした。そもそもこの禁書、力に溺れたら力に食われるというものなので、開いたら最後鏡エンド確定禁書なのかもわからんね。その力の象徴が、あの一瞬映る鏡の中の男なのかも。

鏡の中の男にはなさそうな自我が、鏡のフィコには有り余ってたし、フィコと鏡の男は完全にイコールではないと思うんですが、やっぱロサスは白雪姫と同じ世界なんでしょうかあの世界スペインにあるの??なんとなくドイツだと思ってた。
鏡の男の姿は仮面なので、心理学的ペルソナだと仮定すれば、たとえばフィコを鏡(禁書)から引き剥がしたら、その禁書の強大な力そのものだけが残った、ということもあるかもしれないね。そして仮面をでかい鏡に移して封印したあと、100年後に白雪姫へ続くみたいな。それならすべての魔法のはじまり(※白雪姫は長編カラーアニメ第1作)になりますしね。どうだろ。

禁書とのつながりを断つのは難しいそうですが、なんとかアーシャがやってくれないかなあ。せっかく魔法の杖もらったんだし。フェアリーゴッドマザーの魔法は物を変身させたり動かしたりするだけで、何かを解決するものじゃないけど。でも、うまいことやってほしいなあと思います。アマヤは最後軽蔑した顔してましたけど、彼女が彼を支え続けてきた歴史と彼女自身の人柄は、だめになったからといって放り出したりはしない、ものであってほしい。あのときのフィコはアマヤにとって"ふたりの大切なロサス"を脅かすバカでしかなかったでしょうから、それはド怒られて当然ですけど。
たとえ禁書とのつながりを切っても、禁書に手を出す前から支配欲は強い方でしたので、一度破局した今、解き放ったら解き放ったでしこたま面倒なことになるでしょうが、彼の精神は解放してほしいなと思います。君は君そのものにおいて叱責されてほしい。良いことも悪いこともすべて君であれ。

クリスパイン、大変なチャーミングでしたね。
動きから何からめちゃくちゃクリスパイン。あっクリスパインだ、って思いました。アリアナの演技を見てアーシャの動作を調整したと言ってたし、これ絶対クリスパインに寄せてますよね。今年のクリスパイン賞ノミネート作品。
セリフ回しもチャーミングの使い方に熟達された方のそれで、愛すべきヴィランを作り上げていてよかったです。歌も相変わらずお上手ですしね。

まさフィコは完璧なキャスティングではありませんでしたか?歌が始まった途端アリーナに着席したような心地にもなりましたが、あまりにもマグニフィコ。クリスパインから福山雅治の声がするという謎の心境になったものです。福山雅治にいいことだけが起こり続けてほしい。

フィコのことで文章割きすぎじゃない??わたしもそう思う。

アーシャはめちゃくちゃかわいかったです!陽の気がすごい。笑い方とかアリアナの人柄を反映してるんだろうな。愛情深いけど17歳なりの目の前のものしか見えてないようなところもあって、良くも悪くも願望に一直線で、弾けるようだった。そしてアリアナの存在感の作り方がすごい。

森でスターに魔法の杖を渡されたアーシャを見た瞬間のわたし「フェアリーゴッドマザーやないか!!!!!!!!!!」

びっくりしました。
フードかぶってるシーン見てたはずなのに、杖を持った瞬間にそれと分かるこの体験。外套もリボンの色もまんまフェアリーゴッドマザー(※シンデレラ)やないか!!!
夢を叶えるというのはシンデレラの骨子なので、この映画に採用されるのは、まあそれはそう。そうね。その杖よく振らないと魔法の粉出ないから気をつけて。そして呪文はそう、ビビディバビディブー!
いや〜あのわたしシンデレラとフェアリーゴッドマザー大好きでシンデレラの話自体は観る人を選ぶDVと家庭内暴君の話なので1950年生まれだな〜おい王子ぼやっとしてんじゃねーぞって感じなんですけど、キャラクターが好きでねシンデレラ2も3も良いのでぜひ観てください。2は特にいいですね、アナスタシアの勇姿をぜひ見届けてほしい。これを観てからの3は感慨深いものがありますし、ぼやついてた王子の華麗なるアクションにご期待ください。シンデレラの夢を叶える強さは、どんな状況にあっても揺るぎない希望への前進と踏ん張りのすさまじさだと思う、本当にね。びっくりするほど挫けない。よし、いったんこの話は横に置こうか

Wishは、はじめに物語の本が開いて、森に住む主人公に7人の友人がいて、井戸で願いと出会い、魔法を使う時の権力者に理不尽な理由で排斥される、っていう白雪姫の話がベースになっていると思うのですが、そのいくつかはカウンターになっていてよかったです。
アーシャはプリンセスではないし
恐ろしい魔女はハンサムな人気者で
命を狙われて森に逃げ込むのではなく、立ち上がって立ち向かう
安全な場所で隠れ暮らすのではなくて、反逆のドラムを叩き鳴らし
7人の愉快なメンズがいつのまにか悪者を退治してくれるのではなく、誰よりもアーシャ自身が強いNOを叩き込まなければエンディングには辿りつかない
森に住む仲間たち、鹿やリスやうさぎや小鳥や、あの亀は、白雪姫から続くWDAS作品のあらゆる場所にいる"いつものみなさん"で、それがスターの魔法で喋るようになるというのは面白かったし、白雪姫では白雪を脅かす存在だった「動く木」が、Wishではにこにこ顔で参加してたのよかったです。動く花たちはアリスとかファンタジアを思い出します。

あのミュージカルシーンもめちゃくちゃオマージュでしたよね。ぱっと数作品出てくるこのUnder The Sea的フェスティバル(※リトルマーメイド)。
あと、吹き替えを観たときに、なんか知ってる声がする気がすると思ってたんだけど、エンドロールでびっくりしました。めちゃめちゃ過去ディズニー作品を吹き替えてきた方々が参加されている!びっくりした!
今までさまざま印象的なキャラクターを演じてきた方々が、"いつものみなさん"として、アーシャに「ぼくもわたしもみんなスター」と教える歌を歌っているのは、ちょっと感慨深かったです。
飛行機作ってるピーターの声とか、パンさんでしたよね???

メインテーマソング、とても良い。父との思い出の木と星空、ほんと美しかった。願いを取り出していない未成年たちしか持ち得ない感情的で無鉄砲で落ち着きのない力強さ、あると思います。アリアナも生田さんもめちゃめちゃよかったです。To have something more for us than this! これ以上のより良い何かを私たちが持てますように!(そして呼びましたか?という顔でやってくるスターちゃんである。サ、サムシンモア〜!)(吹き替えの歌詞はちょっとだけ意味が分かりにくい気がする)

ウェルカムソングもね〜!楽しかったですね!ウェルカムソングもWDASの伝統芸能のひとつですよね。雰囲気がコロナ王国(※ラプンツェル)を彷彿とさせて愛おしい。
あと普通にフラメンコ踊ってるの好き。スカートさばきがね。いいよねフラメンコ🌹

テーマソングのリプライズもよかったです。クライマックスでリプライズ(※リプライズもWDASの伝統芸能)
アーシャフレンズはさておき民衆のみなさんは状況分かってらっしゃいますかあまりに他人の意見に左右されすぎじゃないですか?!というのはちょっと気になるところですが、みんなの願いがひとつに、より良いことをただ求める願いが最も強い魔法になるあのシーンは、中島みゆきマインドが感じられてよかったです。つばめよ高い空から教えてよ地上の星を。

結局フィコちゃんの願いの叶え方って、その人がその願いを叶えられる環境を整えるって感じだったから、それって自力でやることとどう違うんだろうって思ったけど。彼はそういう安全な、劇的な変化をもたらさない願いばかりを選んで叶えていたのだろうし、民衆は「自分でできるのでは?」と思うことさえできないほど飼い慣らされていたのかなあと思います。そりゃ環境を整えることすらままならない人もいるだろうから、一概に意味がないと断じることはできないけど。より良くなるために最善を尽くすことをすっかり忘れて気ままに過ごしてそのうち誰かがうまいことしてくれるなら、それはとても楽な人生だろうな。

最終的に魔法の杖がフェアリーゴッドマザーそのもののちょっと太めの白いやつになったのと、スターに魔法の粉をかけられてアーシャがシンデレラの変身ポーズ取るのと、特に何も困ってないアーシャは結局なんかちょっとキラキラしただけというの、え?!?!ってなりながらもちょっと笑ってしまいました。その象徴的ムーブしておいてちょっとキラキラしただけじゃん!いいね。

そういえば説明を忘れていましたが、フェアリーゴッドマザーは、夢を信じ続けている人の前に現れる守護妖精です。
亡き母の形見で友だちが今風にカスタマイズしてくれた大切なドレスをめちゃくちゃにされたシンデレラが、もうなにも信じられなくなったときに、大丈夫だとやさしく膝を貸して素敵な服を着せてくれる人です。
きっと魔法使いのアーシャは、そういう人になっていくんだろうなあと思います。信じたいものを信じられなくなったときに、大丈夫だと言って励ましてくれるような。それと、ほんの少しの魔法で。フェアリーゴッドマザーの本質はそういうものだとわたしは思っています。
というか今書いてて気づきましたが、森で逃げるアーシャが木に服を着せてたのってそういうことか!掘れば掘るだけ元ネタがありそう。大変な作品だ

スターちゃん。かわいかったね。
名だたるアニメーターたちが最終デザインにたどり着くまでに何ヶ月もかけてたそうで、ものづくりよという感慨があります。あのシンプルさにたどり着くまでに必要だった道のりよ
光、希望、好奇心、という推進力の塊なのがもう振る舞いだけで分かるのよかったです。すぐ喧嘩売ろうとするし。スターちゃんの魔法も物を変えたり鍵を開けたり動物に人間様式を授けたりするくらいなんだけど、底抜けの明るさが少しだけ人を助けることがあるよなあと思います。みんなの願いを見て顔きらきらさせてるのかわいかったね。サイモンには露骨に悲しそうな態度取るから、いやっちょっ、やめてあげて?!ってなったけども。良くも悪くも純である。クライマックスでみんなの願いを受けた途端、やたらめったら元気になるところもかわいかったです。はちゃめちゃよもう。
ラスト、城の上に花火上げて、それが見覚えのアングルになって、ぱっと魔法の虹がかかる演出、よかったな。Got to go, but thanks. On with the show.(※ワンスアポンアスタジオ)

バレンティノ、気づいたら高いところにいる。そして困ったら頭突きをする。ヤギよ、おおヤギよ。
スターちゃんに負けず劣らず元気で健康で突進するポジティブ3週間児、かわいかったです。
パンフを読むと彼はクライミングが不得意なのだそうですが、構わぬ登れとばかりのこの態度。スターちゃんお気に入りの毛糸は母産のようですが、ヤギ毛でも毛糸ってできるんですか?と調べてみたら、カシミアがヤギだと知って仰天した今日です。めっちゃ軽くてあったかいじゃん、母はもこもこになる系のヤギだったんでしょうか。立派に育てよ。
吹き替え、山寺宏一の貫禄がやばかったです。(※数々のディズニーアニメを吹き替えてきたレジェンド。本国版も同じような立ち位置の方です)

7人の友だち、多いわ😂ってなったんだけど、白雪姫をオマージュをする以上避けて通れないこの設定、という感じで大変でしたねそしてダリア先生めちゃめちゃよかったね?!?!ロサスはどんな場所からも移民を受け入れている国なので、アジア系がいるのも不思議ではないし、フィコ推しのきゃっきゃ部分と総じて聡明なところ、考えを変えることに躊躇はしても思い切りはよいところ、持っている障害を特別なこととして描くのではなくて、ただ暮らしを営んでいるところ、よかったです。フィコビームで狙われたときにアマヤが庇ったの、とっさに動けないからですよね。逆に言えば、それでも啖呵切ってんだよな。
エヴァンピーターズくんが『真実を掲げ』に参加してない理由これか〜ってなったサイモン、こんな立ち位置になるほど
ひとりだけ先に願いを失ったことは、この未成年たちのエネルギーに囲まれて暮らしていると、ものすごく肩身が狭くてしんどいだろうなと。願いを叶えれば、彼らのようにエネルギッシュになれて、かつての充実感を得られるんではないかと、思ったんだろうなあ。成人してからつまんなくなったって、あんな露骨に言われてればな。
ねぼすけだからパリッとした騎士を目指したい、と思ったかもしれないサイモンはちょっとけなげだなと思います。
あ、ガーボですか?デレのこないツンはいない、とカーク船長も言っていました!(※言っていません)
この7人、イニシャルが7人のドワーフと一緒というのを知って、手厚〜〜〜!ってなってました。この世界では平和に暮らせよおとぼけ(若干のトラウマ)(※失語症を持つ知的障害と思われる白雪姫のドワーフのひとりですが、扱いが大変不遇)

アマヤは、アマヤはなんだろうな〜〜〜!『真実を掲げ』に参加してくるときのくそつよボイスよかったです。
「私の愛する人に限ってそんなことはない」とずっと信じていたかったんだろうなフィコはアマヤにくそチョロなので、彼にはまだ助言が通ると思っていたのかもしれない。フィコがプリンセス顔で願いを守りたいと言っているのをずっと見てきて、彼が粉骨砕身でそれを叶えるために魔法を習得してきたことも、彼のその明るく献身的な側面を、ずっと見てきただろうから、まさか人々を虐げる圧政をするわけがないと、最後まで信じたかったんだろうな。
けど、問答無用の血まなこで未成年を狩ろうとする夫を見て、もう本当はずっと分かっていたことを、認めざるを得なかったんだろうな
魔法の杖を作った直後にフィコから詰められたアマヤが「ロサスに対する裏切りは許さない」と言ったの、よかったです。これはフィコのことなんだけど、アマヤの行動指針はここから「フィコと一緒に作ってふたりで大切にしてきたこの王国を守る」になって、それに仇なすならたとえあなたでも敵対するというね。
フィコが人の願いをいいようにしはじめたのがいつなのかは分かりませんが、年間成就数と国内人口を割ればどれだけ叶わない人が出てくるのかそもそもわかると思うし、民衆もフィコを打倒したらすぐさま女王陛下ばんざ〜いってなる身軽さだし、いや〜〜〜どうだろうな、ちゃんといろいろ考えてみてよ自分でさ、と思うところはあるんだけども。
アマヤも切り替えがめちゃ早いので、それだけ内に溜まっていたものがあったんだろうか人がキレる瞬間って今までの所業を溜めに溜めたあとのほんの一押しで起こるからとも思いつつ、ちょっとフィコの情状弁護をしたくなるわたしです。ぜひ地下牢に遊びにきてね。アマヤのミレイ(私の王)呼び、フィコのマイラブ呼び、好きです。

サキーナ、カフタン風の衣装でしたね。父はユーロ、母はアフリカ。ロサスのモデルとなったイベリア南部は、歴史上だと確かにムスリム勢力のイメージがあります。ハードボイルドアミールことアブドアッラフマーンがシリアからスペインまで大移動した後ウマイヤ朝とかね。美術のモデルになった13世紀はナスル朝グラナダがあって、これはイスラム王国です。アルハンブラ宮殿ができたのもこの時代。パインナッツにわかりやすく言うと、北のほうでアウトローキングがそろそろはしゃぐ時期になります。グラナダはやがてレコンキスタで滅ぼされてしまい、その後はずっとキリスト教ユーロ圏ですが、つまり普通にアラビア語があるだろうなって地域です。パンフに載ってた地図、アラビア語風にデザインされた英語を使用されてましたね。この時期はユーロ圏よりイスラム圏のほうが文化は発展していました。
欲を言えばモスクとか見たかったなと思いますが、架空の王国という統一感のある設定のほうを遵守しなければならなかったんだろうな。ムデハルはレコンキスタ後の様式だし。けどちょっと、見たかったな。

サビーノ、100歳の誕生日〜!って登場したときに、あっじゃあこのじいさんがつまりWDASの精神!ってなってました。みんなを感動させることがやりたいという願いを持っているのは、なんか知っておりましたよ。なんかね。100歳なんだから無理しないでって言われても元気にボートを漕ぐじいさん、じいさんよこのじいさんの孫が、イラスト帳を持っていて、その隅にアニメーションを描く趣味を持っているということよ
最後の『星に願いを』で、なんだかじーんとしてしまいました。「星に願いをかけるとき、あなたが誰かは問われない」と歌うこの歌が、真実であればよいと思っています。

願いの成就と努力は必ずしも比例しないことや
純粋であっても醜悪な願いがこの世にはあることや
人生の大切なことは自分で決めたい人もいれば、他人が決めてくれたほうが楽な人もいることや
自分が正しいと信じて突き進んでいる状態はアーシャもマグニフィコも変わらないことや
"願い"を扱うなら、そういうのも見てみたかったなと思いますが
そこまで踏み込むともうアニメーションスタジオの仕事ではないような気もするしあっ実写化は?あの、クリスパインっていう見た目がほぼフィコの方がおられましてですね(気が早い)

WDASさん、100周年本当におめでとうございます。

そして派生アニメシリーズを心よりお待ちしております。I wish!