はるの
2024-11-14 17:26:23
3163文字
Public 感想文
 

ヴィクター・フランケンシュタイン

ネタバレ感想

ああほら、ああほらすぐに泣いちゃうじゃんどうしようもなくもがき苦しんでいる内側と、凪いだような外側の隙間からあふれるような涙をこぼすじゃない?もうそれは本当にわたしに効く。きれいな水

という悲しみと切なさが乱れ打ちの心情で、息つめて観てたんですよね、最後。
これは、ヴィクター死んでしまうかも、助かってほしい、なんとか、いや待てイゴールちゅっちゅしてる場合じゃな

懲 り ね ぇ な ? ! ? ! !

こんな夜中にでかい声が出たんだわ。ラスト数秒で笑かしにくるとはどういうことだ。
ちょっおおおヴィクターちっとも懲りてる気配がない!なに、あの心がないとか、俺が間違ってたとか、ごめん兄さんとか、あの悲しみはなんだった?!反省の色が無色透明すぎるんだけど?!?!!?!!す、好き〜〜〜〜!!!!!!

ここから原作へ還っていく感じなんですかね。北極でプロメテウスと心中することになるからほんとやめなって。もしかしてあの創造物、脳みそ入ってなかったんですか???どうやって手足動かしてたんだブラックボックスすぎるだろ。

というか、まぁぁた父だよ〜〜死んだ兄弟のほうが出来がよかったなんで死んだのはお前じゃないんだって言われ続ける人生送ってるじゃんねえヴィクター、未来のスコットランドに君に似た人がいるからいっかい会ってみるといいよ、ブルースロバートソンって言うんだけど。まあ会ったら会ったでドッ喧嘩して血が出そう。君たちは自分のことが大嫌いだもんね。
ヘンリーくんはものすごくいい兄だったんだろうなあ厳格な父がいる家庭で、こんなピュアな弟がいたら、そりゃあ命に代えても守りたいほど大事だったろうな。死にかけてるちっちゃな弟の手に懐中時計持たせて時計の音に集中させることでパニックとか眠りそうになることを防ごうとしたのかなOh…………

いやジェイドカーティス、と何度か思ったんですけど
もうひとり、同じものを作れば、帳尻が合うんでは?という計算が、確実に間違いであることは誰にでもわかることなのに、そのことだけがわからない、それ以外は素晴らしくよくわかる、この、有能という欠陥。知能が高いから頭がいいと思っていたけど、あなた馬鹿なのね???わたしこういうタイプ、すごく愛おしく思ってしまうんですよね
プロメテウスが生まれてうれしさに満ちあふれてるヴィクター、あまりに救いようがなく、あまりに愛おしかった。
失敗してキリングマシーンと化した創造物を見たわたし「ほらあああネビリムイベント始まったあああ」

普段のテンション振り切れてるところ、これは素なのかどうなのか演じているうちにそのように定着した感じもしました。ヤジに屈してしまう程度には作り物で自信がなくて、ガワなんだろうなと思った。それに、ヘンリーのことで泣いてるときはほんとちっちゃい子供みたいにピュアじゃない?あのまかぼの泣き方、ほんとずるい。ほんと大好き。かわいそうでいとおしい。岩肌に清水が生まれるように泣くじゃんなんなのもう。もおお!
自分が兄を殺したと思ってることと父の圧力を跳ね除けていくには、自分をONにし続けるしかなかっただろうから、もうずっと命をガソリンみたいに燃やして突っ走ってたんじゃないかなあ。
イゴールと酒飲みながら設計図書いてるところ、最高にかわいかったね。嫌な予感しかしないのに、この瞬間だけはずっと続いてほしかった。ヴィクターも気を許しててね、あんなに誰かに気を許したのはいつぶりなんだろうね。懐中時計の話をするくらいだもんね同じ言葉で同じ話ができる人がいるということは、すごく、すごく幸せなことだと思う。イゴールくんも優しくてさせつねえああいう感じで、兄とも遊んでたんだろうな。
反面、思い通りにいかないときに、癇癪を起こしたり言うことがコロコロ変わったり支配的になったりするの、普通にモラハラで目を覆いました。支配的に振る舞うことは、父にされてきたことだろうしはあ。
こういう不連続性、もはやまかぼのホームグラウンドみたいなところある。アンバランスというバランスの取り方がうまいなあといつも思います。しょげるときとか優しくなるとき、調子こくときとか激昂するとき、強弱とタイミングに理解がある。

イゴールくん拾ってきたときは、いい道具が増えたなって感じだったろうけど、一緒に研究しているうちにだんだん家族みたいになって、最後はほとんど兄弟だったところ、とてもよかったです。
だからもうほんと懲りなって。頭はいいんだから、イゴールくんと一緒に大学でゼミ持って別の研究やりなって。
けどそんなことするヴィクターはもうヴィクターではないんだろうな、ちくしょ〜〜〜〜!

イゴールくん、素晴らしかったね!ほんと彼を拾ったことは奇跡だったよ、ヴィクターが考えもしない理由で。
風呂入って髪を整えたらものすんげえ美青年が誕生するの、シンプルにわらいました。すごい!まるで映画みたい!
あんな環境で生きてきて、どうしてこの善性を保っていられたんだろう。ローレライとはよく喋る仲だったのかな。目を見ただけで誰かわかるくらいだもんな。彼女という光だけで生きてこられたのかすごいな。精神が強い。
ヴィクターが研究にすがっているところ、父に殴られて惚けたように座り込むところ、そういうすべてに対して自分も痛がって、少しでも楽にしてあげたい、と思ってるような情動が、逐一あったかくて切なかった。確かに、ヴィクターにはくそみたいな人生から救ってくれたという借りがあって、それに責任を感じているところもあるんだろうけど、わたしがヴィクターを愛おしいと思うように、イゴールくんも彼を愛おしいと思う部分があって、本当に、ただ単純に好きなんだろうなあっていう。そういう感情をくれる、機微な表情をするんだよねまたラドクリフくんが。
懐中時計の話もそうだし、よい思いつきをしたらよく褒めてくれるところ、研究にはとてつもなく熱心で、そういう一途な、どうしようもなくピュアなところ、毎日毎日一緒に生活しているうちに、どんどん彼の人となりがわかってきて、ヴィクターに詳しくなるたびに、彼を好きになってしまうようなところ、とてもありそう。空気は読まないし癇癪は起こすし何もかもやりすぎで倫理観ぶっ壊れてて人の話を聞いてくれない最低で嫌なところはたくさんあるはずなのに、彼はひとりぼっちで、ずっと深く傷ついているから、自分が助けなきゃいけない、みたいなチャールズとハンクか?なんかそういう、沼を感じました。望んで浸かりたくなってしまう。

警部補の信心から狂信へ片足突っ込んでる感じのやつもよかったです。危うい〜〜〜ギリギリ!最後に銃を向ける先がヴィクターじゃなかったの安心しました。殺されかねんと思ってた。妻が死んだことを神の意志とすることで救われたつもりになりたい男と、兄が死んだことを神などいないとすることで救われたつもりになりたい男

フィネガンの城でイゴールくんと再会したとき、本当にうれしかっただろうな、ヴィクターは。大事にするんだぞ友だちをなんか、死んだ脳みそを生かす研究が完成したら元気いっぱい訪ねてきそうだけど活きがよすぎんのよ。その成果は別の医療現場で生かせ???
でも、うわ想像以上に元気がいい、と思いながらも、イゴールくんはうれしくておかえりハグしちゃうんだろうなあ。ローレライ先生、よろしくお願いいたします。
君を作ったのは俺だから、というセリフは、そのうちふたりの間でふたりだけがわかるただの挨拶になってしまうといいですね。そんなふうになってほしいなと思います。ほんと懲りねえな〜〜も〜〜!!!!