何ひとつ安心できる要素がないです本当にありがとうございます。トレーラーがホラー的部分ばかり切り取ってるからすごい怖いかと思ってたけど、普通にスリラーだった。怖くはないな。思想上のグロテスクさはあるけども。
システムが破綻しかねないバグが起きたときに参加者を終了するフェイルセーフは組み込んでいないのか?それはあまりに手落ちでは???というマッドサイエンティストが囁きましたが。
これ結局、何がしたくて始めたんだろう。シンプルに「その世界が見たかった」的茅場晶彦ムーブなら、まあフランク主犯だねわかるよってなるけど、存続させようとする意志をシェリーのほうが強く持ってそうなの、なんだろうな。アメリカの女性権に関する公民運動で、足踏みをさせたのが保守派の女性だった、というのを思い出したんだけど、そういう感じなのだろうか。
プロジェクト規模がでかいので、どこかの誰かが利潤を得るような何かが動いてるんだろうなと思うとすげえええきな臭いし、起きたアリスが無事であることを願っています…PTSDすごいだろうな…がんばって…。
それにしても大変レトロな世界観でしたね…!車も服も曲も素敵だけど、It's A Man's Man's Man's World、誰も不思議に思ってない序盤から異様で、うわスリラーはじまった!って思いました。完全に自己啓発系セミナーな共同体もやばかったね。私たちは誰よりも正しく、誰よりも勝利している。
フランクの言い方とか、声のでかさとか、復唱させるタイミング、優しい顔の使い方、全部計算されててウワ〜〜〜ッてなった。毎日ラジオで思想を刷り込まれつづけるのやべーなって思ったし、たぶん誰ひとりとして「何故朝にラジオをつけなければならないのか」疑問にも思ってないんだろうなと思うとやばい。このユートピアの皮を被ったディストピアよ。
昇進パーティでジャックをくるくる踊らせるとこ、マリオネットと支配者みたいでよかったです。人の家でセックスを始める理性の足りないふたりをなかば憐れむように優しく見送るところも好き。彼にとってはすべて取るに足りないことなんだろうな。この"完璧で素敵な"世界を構築するNPCみたいな感覚なんじゃないだろうか。わからんけど。だって誰でもよかったんでしょ、傷ついて自己愛強めの操りやすいManなら誰でも。
アリスがフランクをパーティに呼ぶところ、おっいよいよ一騎打ちか?とあがったんですけど、好きなだけアリスを喋らせてからへし折るのもうますぎた。そりゃそうだわ〜〜〜〜!この世界はMan基準の世界で、もはやそのように定義された環境にガチガチに整備されていて、ここで被害者です!と叫び声を上げても、被害者気取りで喚いてんじゃねーぞ、むしろお前に非があるからそういうことになるんだろ、って二次被害が発生するだけなんだよね。げ、げんじつ…と思ったし、写し取り方がうまいなと思った。フランクはね、ジャックもね、君のためを思って、言ってくれているんだよ。ヒュ〜〜〜〜グッロ〜い!
ジャックがシンプルにクズでどうしようもなかったんだけど、アリスは確かに彼のことを愛していて、こんなクズみたいなことをしてるのが本当にショックだったろうなと思う。混乱しているアリスの様子もよかったです。
あとメアリーね!よかった!!このふたりの友情は、偽物のようで本物のようで、でも確かにその瞬間には、ちゃんと、存在していたんだろうなあ。子供がいるから、って、その子供だって、きっと非実在じゃない?けどさあ、けどやっぱ、それはちゃんと現実なんだよね。今、目に見えて感じている自分は、どんなに嘘でも真実じゃん??もう後戻りをしないと決めた女と、いつかの自分を救うように「走ってアリス!」と叫ぶようなところ、考えるほどにグッときます。
子供を産ませて足枷にしようとするのもクズかったね〜!そもそも飯作ってんのに性的な接触をして台無しにするのは令和の攻めでもやらんのに。妻は窓までピカピカにして、洗濯物を干し、皿が何個もある飯を作って、ホームパーティでは華のように着飾り、趣味でバレエをしていて、セックスには必ず乗り気で応じてくれる。大変なことでしたね…。
メンズはメンズで男性同士のノリの良い仕草を強く求められてそうなとこ、窮屈そうだなと思ったけど、そもそも"ビクトリープロジェクト"が稼働してるのは君たちの業績だからな。地獄に堕ちろとは思わんが、ともにこの地獄を抜け出す協力はしてほしかった。たぶんそれだけのことなんすよね…。すごくソーシャルな映画だな、本当に。
私の人生なの、と叫ぶアリスの言葉が、かけらも伝わってなくて、ほとんど言語体系からして違うところ、ある意味クライマックスだなと思いました。
曲、よかったです!Sing Sing Singだ〜!昇進パーティ、フランクが前に出てきたときに、えっパインくんなんか歌う?!ブーブレのFeeling Goodみたいなやつ歌って〜!と心のうちわを振りましたが、そんなことはなかったです。残念。
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