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三毛田
2024-11-14 16:47:43
1067文字
Public
1000字2
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11 011. 友達演技
11日目 彼には清らかなものだけを向けたい
「俺たちって、なに?」
おやつのパイを飲み込んで、そんな言葉がこぼれ落ちた。
「え? うーん
……
仲間。以外でってことでしょ?」
「うん。俺ら三人で補給のために街に出た時さ、なーんかコソコソ見られてたから。その時聞こえたんだよ。『どんな関係?』みたいなのがさ」
「どう、なんだろう。丹恒は? どう思う?」
中身の林檎をフォークに刺し、口へ運んで飲み込んで。なのは丹恒に話を振る。
「仮に訊ねられたら、友人とでも答えておけば無難だ。もしくは、兄妹」
「「兄妹はない!」」
俺たちの声が重なると、彼は優しく微笑んで。
「男女間に友情はないと邪推する人間もいる。三月に振り回される哀れな幼馴染。みたいな立ち位置が彼らは納得するだろう」
「幼馴染って、なに?」
俺もなのも、記憶喪失だ。
だから、そういう関係がどんなものなのかわからない。二人揃って首を傾げていると、どう説明しようかと悩む丹恒。
「定義としては、幼少期に仲良くしていた友を指す。アーカイブに登録された書物に登場する幼馴染も、お前たちのような間柄の人間もいるみたいだ」
そう告げ、コーヒーを一口。姫子のコーヒーじゃないので、安心したように飲んでいる。
「ふーん。まあ、兄妹よりは説得力あるよな」
「ウチが妹?! そこは、穹が弟でしょ!」
とか言ってるが、そこは無視。
「でも、丹恒はお兄ちゃんって感じはしないし」
「これでも、お前たちよりは年上だ」
そう。
本当に本当に信じられないのだが、丹恒はこの見た目で俺たちよりも何十年どころか下手すりゃ何百年も歳上なのだ。
長命種、恐ろしや。
「俺と丹恒の二人なら、友達でも通じるよな」
見上げると、少し照れくさそう。
可愛い。
なんて思ってしまっているから、駄目なのだ。
お互いに初めての友人ともいえるのに、俺はもう彼をただの〝友人〟として見る事が出来ない。
抱きしめて、キスをして、シラフでは口に出来ないようなことをしたいと考えているなんて。
バレたくない。バレないでくれ。誰もそれに気づかないで欲しい。
でも、丹恒にだけは知られたいと。
この醜い感情を、引かずに受け入れて欲しいなんて。
なんて
……
なんてわがままなんだ俺は。
「穹?」
「大丈夫」
「パイの食べすぎで、気持ち悪いんかなって思った」
「なのほど食べてないってば」
思わず拗ねた声を出すと、二人とも小さく笑って。
今はまだ、友人を演じるしかない。
ドロドロとした欲を、清らかな水のような丹恒に向けるわけにはいかないから。
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