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AmexAmexxx
2019-10-17 14:35:19
3024文字
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tksi
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据え膳食わぬは男の恥
※抱かれるのは瀧の方ですけどタキスイです(そもそもヤッてない)
スイがベッドの布団の上に正座して俯いたまま動作を止めて十分は経った。
やることもないのでずっと眺めているが、顔を上げる様子はなく瀧は溜め息を吐く。すると溜め息に反応してびくんと肩を揺らすのだから呆れてしまう。反応するところを間違えているとしか思えない。
「
……
スイ、お前覚悟を決めたんじゃなかったのか」
「いや
……
その
……
、
……
いや
……
」
「脳の処理能力が極端に低下してオーバーヒートしたか?」
「
……
あの瀧さん、やっぱり」
「この状況でやはり止めると言うなら流石に怒る」
「
……
ッ」
「あとお前より覚悟が必要なのは俺の方だと思うんだが、何でお前がいつまでも愚図ってるのかよく分からない」
畳み掛ける言葉に、スイの拳が握られ強い力が入ったのが見て取れる。何となく予想がついていない訳でもない。スイは夢を見過ぎなのだ、と瀧は思う。手を伸ばしても届かないだの、触れてはいけないだの、勝手に思い込んで思い悩んでいるだけだ。そこに在るのは虚像としての瀧であって、生身から目を逸らされているような気すらする。
「俺が抱かせてやるって言ってるんだ、素直に抱け」
「いやだって、でも」
「俺で勃たないなら構わないが。お前が今まで一度も俺を抱く妄想をしながら自慰をしたことがないと言い切れるならな。まあ最近に限れば俺に抱かれる妄想しかしていないだろうが」
「
……
瀧さんそういう俗っぽいこと言わないでください
……
」
「お前は俺を何だと思ってるんだ?そもそも俺はお前とセックスがしたいという感情があるから抱いても良いと言っているんだが、お前にそういう感情はないという訳か。それは悪かったな」
「そんな訳っ
……
、ない、です
……
」
噛みつきそうな勢いで食ってかかったのに、一瞬顔を上げたのに、目が合った瞬間しおしおと力を無くしてスイはまた俯いてしまった。これは重症だな、と溜め息を吐きかけて押し殺す。次に溜め息が聞こえたらスイは自棄になりかねない。自棄になって手を出してくるならまだ良いものの、うっかり暴走して己の下半身を切り落としてしまいそうなところが危う過ぎて困るのだ。そんなことになれば間違いなく後で姉に怒られるであろう此方の身にもなって欲しい。
触れ合ったことがない訳でもないのに。こうなってしまうのならやはりいつも通り自分がスイを抱くべきだっただろうか、と思案する。それでも、スイの中にある瀧への愛情は捕食的なそれの色を孕んでいる。愛されたい気持ちだけを充たしてやるなら抱いた方が早いだろうけれど、それ以外の部分を纏めて充たすなら、一度くらいは試しておいた方が良いだろう。
そもそも自分としてはどちらでも構わないのだ。たまたまそういう成り行きでスイを組み敷いていたからそのままスイを抱いていただけで、スイ自身に希望を聞いた訳でもない。今やすっかりそれが当たり前になっていることを一度考え直した方がいいのではないかと思ったのは、瀧としてはごく自然の流れだった。
「
……
いや、あの、なんていうか
……
その」
「俺としてはお前が俺を抱く時どんな顔をするのか見てみたいという気持ちもある」
「
……
でも、俺が瀧さんを抱くなんて、」
「スイは見たくないのか?お前に抱かれて俺がどんな顔をするのか。知る気がないなら諦めてやっても良い」
「
……
そういう言い方は、狡い、です」
言外に含まれたものに、スイはきっと気がついている。酷い言い方をしていることは自覚している。
――
それが『誰も知らない』ものではないことを、スイは知っているから。劣等感を煽る。敵愾心を煽る。世界で最も許容出来ない相手を引き合いに出す。我ながら悪どい手段だとは思うけれど、それで駄目なら絶対に駄目であろうことを分かっているから取れる手段だ。
恐る恐る、スイが顔を上げる。瞳に浮かんでいるのは恐怖の色だ。自分が何をしてしまうか分からないことに怯えている。本当に瀧に手を出しても良いのか恐れている。まるで小さな子供が初めて大人の階段を踏み出すかのような雰囲気さえ感じて、思わず口許が緩んだ。
――
これだから、この愛しい子は。
「
……
俺は何も知らない生娘じゃないんだ、スイ」
「
……
分かってます」
「本当に?どうせお前が考えることなど『こうなってしまったらどうしよう』という不確定の不安要素で、実際やってみたらそうでもなかったなという結論が出る程度の下らないことだろうに」
「そんなの分からないじゃないですか
……
」
「好きにして良い。俺はそんなに脆くないし、それでもどうしても怖いならいつも俺がお前を抱いているように抱いてみれば良い。俺はお前を壊したことも殺したことも一度もないだろう」
「
……
貴方と俺は違います」
「当たり前の話をするな。俺と同じ奴が居てたまるか」
「そうですが、いやそうじゃなくて、」
「俺はお前になら何をされても良いと、そういう話だっていうのがまだ分からないのか?」
まどろっこしい。いい加減この状況にも飽きてきた。時間の無駄だ。手を伸ばして襟元を掴み、ぐい、と顔を引き寄せる。普段なら予測出来るだろうその行動に慌てた表情をするスイに緩く笑んで、瀧はその唇に自分の唇を重ねる。いつもとは違いもどかしくなるように、煽るように、けれど離れ難いように。恐らく癖になってしまっているのだろう、情欲に濡れていくスイの瞳はとても素直だ。可愛い、と思う気持ちはいつもと変わらない。
このまま抱くのは簡単だ。それでも引き摺り出したいと思う。スイの奥底に燻っている、どうしようもなく暗いもの。それを引き摺り出して、食いついて、呑み込んであげたい。それはまた、スイを自分に繋ぎ止める楔になるから。
襟元から手を離して、下半身へと手を伸ばす。触れたそれは確かな形を持っていて、びく、と身体を揺らしたスイが我に返ったように慌てて唇を離した。視線が定まらずにおろおろしているのを見ると、どうしようもなくおかしい。
「
……
俺に触れられて気持ち良くなるのはいつものことだろう?恥ずかしがることじゃない」
「いや
……
あの、瀧さん、本当に」
「お前だって何も知らない純真無垢な子供なんかじゃないんだ。
……
思った通りやれば良い、駄目ならどんな状況になっていようと俺はお前を止める」
「
……
、やっぱりするんじゃなかったとか言いませんか
……
」
「そういうことを言うのは俺じゃなくてお前だろうが」
「う
……
」
「心配するな。途中で本当にどうしても無理になったら俺がお前を抱くだけだ」
「
……
それ本当に今から俺に抱かれようとしてる人の台詞ですか
……
?」
「心配しなくて良いという話だろう」
何とも言えない声にならない呻き声を上げながら、スイの手が恐る恐る瀧へと伸びて。逡巡するようにそのまままた動きを止めてしまうから、その手を掴んで無理矢理自分の肌に触れさせる。一瞬腰が引けてしまうところが分かりやすい。
「いい加減覚悟を決めろ。余計な心配をするな。俺がお前に抱かれたいと言っているんだ。俺に恥をかかせるな」
「
……
、ずるい」
感情を殺した掠れた声に、もう一度口付ければ。恐る恐る体勢を変えようとするのが分かるから、その腰を抱き寄せる。しっかりと目を合わせて
――
その黒い瞳に映った自分の表情は、見なかったことにした。
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