AmexAmexxx
2018-02-12 08:51:59
2385文字
Public bkyi
 

夢見がちキャット


「そういえばさあ」
「何」
「こないだー、化龍にレイプされる夢見た」
「ぶっ」
「やめてよかかるじゃん」
「君が変なこと言うからだし更に言えばそんなとこ座ってるからだよね?」

 とある日の休日、化龍の部屋にて。
 ソファに座ってる化龍の膝の上に当たり前のように向かい合うようにして座って、ふと思い出したことを口にしたら盛大に吹き出された。唾飛んでるから、もー。ていうか座っても今日は特に文句言わなかったでしょ。重いとか邪魔とか言わなかったでしょ。いちゃいちゃしたい気分なんだからいいじゃん。
 夢。夢にしてはリアルだったなあ。泣いても叫んでも止めてくれなくて、演技する余裕もないくらい追い込まれて。なかなか幸せな夢だった、とか言ったらまたどえむって言われる。

……姫、欲求不満だったの?」
「んー、そうかも」
「あっさり」
「だって先週会えなかったしねー」

 先々週は呼び出し受けて飛んでったら無茶苦茶にされたしね、というのは口には出さない。多分、アレのせいなんだよなあ。今でも思い出すとクるものがある。
 文句もあるけれど、それでもあの時間を幸せだったなー、って思っちゃうの、頭おかしーのかな。化龍に『僕のモノ』って言われるの、すごいいいよね。ちゃんとそういう意識はあるんだなあって実感出来るのが、いい。しあわせ。そういやスイも瀧に『俺のモノ』って言われた時ちょっと嬉しそうだったな。あれと一緒かな。
 本人にそんなつもりはないのかもしれないけど、確かな欲望を向けられるのはたまらなく嬉しい。それがどんな形でも、あー可愛いなー、って思うからやっぱり頭おかしいな。反省しよう。
 男の趣味が悪いだの何だの言われたい放題だけど、だって好きなんだから仕方ないじゃん?って言い張り続けてもう結構経つ。いい加減皆諦めて認めてくれないかなー。騙されてるって心配し過ぎじゃない?騙してるのはお互い様だって。

「で?それどんな夢?」
「あれ、聞いちゃう」
「興味ある。君の願望じゃないのかい」
「んー、願望かどうかはともかく夢の中のセンセの方がかっこよかった」
「へえ」
「あ、ちょっと面白くなさそうな顔したね今?」
「別に」

 嘘吐き。面白くない癖にー。可愛いな。
 願望。そうなんだろうか。そういう風に滅茶苦茶にされたい、って気持ちがどこかにるのかな。だからあんな夢見ちゃったんだろうか。
 まあでも自分勝手に欲望をぶつけて吐き出す最たる例、みたいなところはあるから、そういう意味では確かに願望なのかもしれない。もっと知りたい、もっと見せて欲しい、って思ってる部分だもんね。

「別れ話したらキレられて」
……
「誰にも渡さない、って散々言われながらヤられたから、確かに願望かも」
……別れ話も願望?」
「何で別れなきゃいけないの、んな訳ないじゃん馬鹿なの?」
「別れたいのかと思って」
「嫌に決まってるでしょ」

 ーーいつかは、別れ話はするけどね?
 なんてことは口に出さない。今のところはする予定はあるけれど、しなくていいかもしれないし。あれは賭けだから、勝てない賭けはしたくないの。
 でも今は絶対に嫌だ。手放してあげない。誰かに渡したくもない。まだだめ。完全に自分のモノに出来るまでは。
 一瞬読めない表情になった化龍に、軽くキスをする。変な猜疑心持たれるとめんどくさい。ていうかこんなに大好きなんだからもうちょい信用してくれてもよくない?
 どうやったらずっと一緒に居られるのか、ずっと考えてる。一緒に居たい、愛したい、愛して欲しい。だから頑張ってるんだからね。

「センセ、顔が怖い」
……あのねえ」
「夢の話だよ。ねえー」
「分かった、分かったから」
「分かってないー」

 色々考えさせてしまったかもしれない。不用意にする話じゃなかったなあ、反省。
 首元に腕を回して、ぎゅう、と抱きつく。心臓の鼓動の音が聞こえる。ゆっくり息を吐き出した化龍は、落ち着こうとしてるのかな。
 折角今の立ち位置を手に入れてるんだから、手放さないよ。いつだって捨てられるかもしれない、って思ってるの、こっちだってまだわかんないかなあ。捨てられたくないからいっぱい色々頑張るのにね。
 一緒に居たいだけが割と難しい相手を好きになったのは、自分だから。手に入れたいって思ったのも、愛されたいって思ったのも。

……センセ、好き」
「ん?」
「好きだよ」
……何でそんな顔してるの」
「んん、どんな顔?」
「いや……、」

 口元に手を当てて、す、と化龍が視線を逸らす。……?どんな顔してたんだろ。今何も考えてなかった。
 まずったかな、と思ったけど、身体を支えるように腰を抱かれて。その手つきに、何となく大丈夫だな、と思ったから、気にしないことにする。

……何だかんだ、姫って割と素直だよね」
「え、何、素直でいい子の優等生捕まえて今更何言ってんの」
「それ自分で言う?」
「んふふ、まあ教師誘惑してえっちなことしちゃう悪い子だけどね」
……それ自分で言う……?」
「今化龍しかいないもん、言うー」

 別にいいでしょ。ていうかしょっちゅう言ってるでしょ。今更何に引っかかってんの、ウケる。
 ぎゅう、と身体を密着させると、小さく苦しい、って文句言われたけど気にしない。いいの、今はこうやって甘えてぬくもり感じたい気分なの。
 夢も悪くなかったけれど、やっぱりこうやって触れて喋って温もり感じて、うん、幸せだなあ。こういうのも、好きーーっていうか、こうしてられるならやっぱこうしていたいよね、って思っちゃう。
 何回でも、何百回でも、何万回でも、好きだよって伝えるから。……そしたらいつか絆されてもうちょい心の奥まで入れてくれるかな。……なんてね。