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AmexAmexxx
2015-01-21 22:24:08
1297文字
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フレンチトースト
私が恋をした人は、新しい「お兄ちゃん」でした。
+++
「律兄様!おかえりなさい!」
「ただいま、桜ちゃん。何作ってるの?」
「フレンチトーストなんですっ。あの、えっと、爺やに作り方を教えて貰ったので
…
」
今日は、律兄様が帰ってくるって聞いたから。
その言葉は飲み込んで言った言葉に、そっかあ、と律兄様は笑って、ひょいと私の手元を覗き込んだ。
ふんわりといい感じに焼け始めたフレンチトーストは、甘い匂いがする。
まだまだ覚えたての料理。
律兄様はとても料理がお上手だから、絶対に敵わないけれど。
でも、手料理を食べて欲しくって。
美味しい、って言ってもらいたくて、私は毎日、爺ややお祖母様に料理を教えて貰っている。
「
…
桜ちゃん料理上手くなったよね、美味しそう」
「ほ、本当ですか
…
?」
「うん。後で俺も食べていい?」
「はい!是非!」
「ほんと?楽しみにしてる」
くしゃくしゃ。
律兄様の大きな手で頭を撫でられて、ぼっと身体の体温が上がるのが分かる。
は、恥ずかしい
…
。
また後でね、と笑った律兄様は、温室の方に行ってしまった。
…
今日はお祖母様にご用事なのかな。雪乃様は海外にいらっしゃるし。
「
…
っ、いけない!」
ぼーっとしてる場合じゃない!
せっかく律兄様が食べたいっておっしゃってくれたのに、焦がしてしまうところだった。
いけないいけない。美味しく焼かなくっちゃ。
ひっくり返したフレンチトーストは、キレイに焦げ目がついていて、ちょっと一安心。
―――
律兄様。
私と椿兄様を茅嶋の家に連れてきてくれたその人と出逢って、1年が経った。
肺を患っていた私は茅嶋家の手厚い看護のお陰で普通に生活出来るレベルで元気になって、感謝してもしきれない。
元々殺される運命だった。
元々死んでしまう運命だった。
変えて下さった律兄様には本当に感謝しているし、この恩は一生かけても返しきれない。
律兄様に私が恋をするまで、それほど時間はかからなかった。
いつだって心配してくれて、優しくしてくれて、私に笑いかけてくれて。
ぎゅう、と胸がしめつけられて、いっぱいになる。
律兄様がいらっしゃるだけで、しあわせな気持ちになれる。
これが恋ではなかったら、一体何が恋なのだろう。
キレイに焼けたフレンチトーストをお皿に盛って、ほっと一息。
…
ああでも、律兄様が食べる頃には冷めてしまっているだろうか。
今ならあったかい状態で食べられるのに。
律兄様のご用事は時間がかかるだろうか。お祖母様といらっしゃるなら持って行って食べて貰えば、ああでも、お邪魔してしまうし。どうしよう
…
。
うう
…
。せっかくだから美味しい状態で食べて貰いたいし
…
。
ちらり、とキッチンの状態を確認。
材料はまだあるし、作れる。
これはひとまず置いておいて、律兄様のご用事が終わってからもう一度焼いてみようか。
…
そうと決まれば。
「これは椿兄様に食べて貰おう
…
」
…
ごめんなさい、椿兄様。
味見と思って、食べて下さい
…
。
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