エレベーターの話


重量オーバーにはなりません


俺、エレベーターの中が見えるモニターって嫌いなんだよ。たまにあるだろ?外で待ってる間に中の様子が見えるやつ。

いや、そうじゃなくて。プライバシーとかじゃなくて。これから乗るやつにさ、すでに大勢乗ってるのが見えるのがうんざりするんだよ。だろ?分かるだろ?

いやいや、おっさんじゃなけりゃいいって問題じゃねぇよ。パーソナルスペースを考えろよ。彼女だってあの距離はねぇよ。あと俺はお前の距離感も許してねぇからな。

俺と入れ替わりにごっそり降りてくれりゃあいいけど、そういう時は絶対に乗ったままなんだよな。めり込むんだよなぁ。女の肩が腰に来るくらいならまだ我慢できる。向きによっては気まずいけどな。おっさんの胸に顔を突っ込んだ時も、まあ、おっさんが草刈正雄系だったから、なんとか……。一番困るのが子ども。なんで子どもは縦揺れとか横揺れとかすげぇ動くんだよ?横揺れして俺の鳩尾をすり抜けていくなよ。俺の内臓は無事なのか?

ほらみろ、今回のエレベーターも団体様だぞ。お前もあそこに混ざって、そのまま残ったらどうだ。頼むからさ。お仲間いっぱいの方が楽しいぞ。なんせ次元が一致してる。いや本当に。そんな上から見下ろしてくるなよ。そもそもお前、エレベーターの入り口よりデカいのに、いつもどうやって乗ってるんだよ。先住の皆さんをお前の中に取り込むなよ。屋上まで行って、稲荷神社に納まって来いよ!!なんで半透明なでかい狐に付き纏われなきゃいけないんだよ!!

「ヲマエが祠オこわシタからダナ」