窓の向こう側から聞こえてくる雨音がその日の目覚ましになった。カーテンの隙間からぼんやりとした光が薄暗い部屋の中へ僅かに差し込んでいるがそれは眠気を覚ますほどに眩しいものではない。同じ布団の中で横になっている心操くんはまだ夢の中なのか隣から小さな寝息が聞こえていた。
布団から出るとか、顔を洗うとか、テレビを付けるとか、朝食を作るとか、そういう基本的かつ色んな行動へのやる気がどうにも湧いてこないのはきっとこの雨のせいだ。許されるならもう少し寝ていたい。無数の雨粒が弾ける音を感じながら一度は開いた瞼を静かに下ろしていく。
そうして未だに深い所で沈んでいる心操くんの意識を妨げないようにそっと身体を寄せた。二人分の体温を蓄えた布団というのは恐ろしいもので眠気が一斉に押し寄せてくる。
また寝ていたい。起きたくない。頑張りたくない。楽をしたい。
そんな思いで彼の手を握るとしなやかな指が絡んできた気がした。
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