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ちよど
2024-11-11 16:40:21
1849文字
Public
アシュヨダ
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ドゥリーヨダナがアシュヴァッターマンにお返しをする話
ドゥリーヨダナのCBC礼装の内容が含まれます。
ドゥリーヨダナ「たまには外せ」
ご注意。カルヨダ、ビマヨダがうっすらあります
「わし様の指を潰すなよ。アシュヴァッターマン」
「潰さねぇよ」
笑いを含んだドゥリーヨダナの声に、アシュヴァッターマンは指の力を込めた。
バレンタインが終わろうとしている真夜中のベッドには裸の男がふたり横たわっている。
引き寄せたドゥリーヨダナの右手に悪戦苦闘しているアシュヴァッターマンは乱れた前髪を透かして目を眇めた。
金属などサーヴァントの力では飴よりも柔らかい。紅玉を抱く艶のある金細工はアシュヴァッターマンに押されて、僅かな隙間もなく鍛えられた指をしっかりと抱きしめた。
ドゥリーヨダナはアシュヴァッターマンによって右手の薬指に嵌められた指輪を見て、また笑う。
「これでは外せないではないか」
「
…
外すのかよ」
拗ねたような表情にドゥリーヨダナはとうとう笑いだしてしまう。
現代のインドでは右手の薬指の指輪は既婚者の証だそうだ。結婚指輪など彼らが生きていた頃の風習にはなかったが、そんなものになぞらえる恋人の心情が愛おしかった。
「お前の事だ。わし様に跪いて恭しく差し出すつもりだったのだろう?」
指摘にアシュヴァッターマンはベッドサイドテーブルの上を見た。そこには飲みかけのふたつのグラスと透明な酒が満たされたピッチャーがひとつ。そして指輪がみっつ転がっていた。
ふたつは揃いの飾り気のない幅広の金の指輪。もうひとつはこれみよがしに大きなアメジストの指輪である。
ドゥリーヨダナの左手がアシュヴァッターマンの髪をかきまわした。
「くふふふ、説明する前に押し倒すとはまだまだだなぁ」
顔を赤らめて唸るアシュヴァッターマンにドゥリーヨダナはにまにまと笑う。その指がアシュヴァッターマンの耳を軽く引っ張った。
「ふたつは見ての通りカルナからのものだ。──ああ、鎧を溶かしたものではない。わし様に贈り物がしたいと言うのでな。ふっつーにQPで買わせた。ペアリングだが気に入ったのでふたつともわし様のものにしたぞ」
宥めるようなドゥリーヨダナの声にアシュヴァッターマンは唇を引き結んだ。
言いたいことがありそうなアシュヴァッターマンにドゥリーヨダナはからからと笑った。
「そしてもうひとつ。このアメジストのやつは。なんと! ──食堂のおまけだ!」
アシュヴァッターマンの口がぱかりと開く。
それに構わずドゥリーヨダナは続けた。
「食堂でカレーを頼んだらトレーの上に乗っておった。誰かの落とし物かと思い問い合わせたのだが、そうではないとの事なのでな。いつも周回をがんばっておるわし様へのプレゼントだろう」
愉快そうに笑っているドゥリーヨダナの声に偽りはない。それにアシュヴァッターマンは安堵してため息をこぼした。
「
……
旦那がそう思ってんなら、それでいい」
アシュヴァッターマンが手を伸ばして体格のよい体を抱きしめると、ドゥリーヨダナはその背中に腕をまわしてくれる。
その手がするすると背中を滑り、臀部を抜け、ふとももの裏まで到達したところでアシュヴァッターマンはドゥリーヨダナの顔を見た。
「旦那?」
「足を出せ、アシュヴァッターマン」
悪巧みをする顔で笑うドゥリーヨダナは大抵ろくな事をしない。
「旦那に足なんか触らせられるかよ!」
掴もうとする手に抵抗して足を振りほどこうとするアシュヴァッターマンにドゥリーヨダナはにまにまと笑う。
「わし様。さっきまでお前の足よりも恥ずかしいところを触っておったし、なめ
…
」
「旦那ァ!!!」
真っ赤になった初な恋人が足を蹴り上げるのを掴み直してドゥリーヨダナは、その足首にふれた。
しゃらり、
細い鎖の感触にアシュヴァッターマンが目を瞬かせる。
「わし様がお前にプレゼントのひとつも用意していないわけがなかろう?」
満足げなドゥリーヨダナに何と返すべきか分らずにアシュヴァッターマンは足首を揺らす。
その度に繊細な意匠のアンクレットが揺れた。
夢ではない。
「おまえに指輪は邪魔になるだろうからな。アンクレットなら鎧の下に隠れるだろう」
ドゥリーヨダナの解説にアシュヴァッターマンは彼を見た。
アシュヴァッターマンがどんな宝石よりも美しいと思う紫の瞳が笑いを含んで彼を見返した。
「ありがとう。
…
ぜってぇ、外さねぇ」
「たまには外せ。傷むからな」
ドゥリーヨダナの言葉にアシュヴァッターマンはこくこくと頷いた。
彼がドゥリーヨダナの足に揃いのアンクレットがある事に気づく数時間前の話である。
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