トビハネ
2024-11-10 16:49:51
3091文字
Public 納品済み
 

メ○ナイト鳩時計洗脳

試食コースでのご依頼。
古代文明の機械の残骸で出来た小惑星にギャング退治の依頼でやってきたメタナイトと部下たち。
しかしアジトに侵入した瞬間床に穴が開いてメタナイトだけが落下し、気がつけば巨大な鳩時計が佇む謎の部屋に放り込まれていた…

……ここは?」

落下の衝撃で地面にぶつけた額を抑えながら、メタナイトはゆっくりと立ち上がる。

声の響き方から、ここがかなり広い部屋であるように感じる。
小さなアジトの外見に反して天井が高く、上方に見えるハッチの大きさからかなり地下まで落とされたのだろうと察した。

誰も居ないのか」

ついてきた部下はおろかアジトの団員らしき人物の気配すら見当たらないが、奇襲に備えてギャラクシアに手を添えつつ警戒する。
入り口に落とし穴が存在したという事は、このアジトは敵襲を想定しており、更なる罠が仕掛けられている可能性がある。
しかしながら罠を恐れて動かないまま助けを待つのは、銀河の騎士としての精神に反する。
足元に用心しながら、メタナイトはこの空間を見渡した。

改めて観察すると部屋というよりは寧ろ大広間という風に受けとれ、床には長椅子を置いていたと思われる跡もある。
空間の広さもさることながら蛍光灯自体も古くなっているようで、不規則に点滅する明かりは全体を照らしきれない。
元はアジトの首領か何かが団員たちへの演説の為に使っていた場所だったのだろうと、騎士は推察した。
広間の奥には見上げる程のサイズの巨大な鳩時計が鎮座しており、薄暗い空間の中で一際不気味だった。
アジトの団員は古代の機械文明を崇拝していると噂に聞いていたため、この鳩時計もまた古代の遺産なのだろうかと騎士は思う。

動いてはいない、のか」

時計の針は止まっており、静かな空間により一層静寂をもたらす。
もしこれが正しく時を告げる仕事に従事していれば、視界いっぱいに広がる巨大な針が回る光景はさぞ圧巻だろうと、少しばかり惜しむ。

(かの文明の遺産、興味はあったのだがな)

この手の未知の機械群にはメタナイトも何度か関わった経験があり、その多くが持ち主の欲望を暴走させ災いを招くものだった。
しかしながらそれらの物品はもたらした被害に目を瞑れば美術品にも劣らない洗練された美しさを持ち、所持者の祈りに忠実に作動する機構もまた謎に満ちており、このアジトの団員達のように崇める者も少なくない。
騎士はそこまで魅了される事はないにしろ、精巧に作られた巨大な鳩時計を見て動くところを見たかったと思う程度には、美術品として愛でる感覚はあった。

(あの扉から出ていたのだろうか)

文字盤の上の閉じた扉を見上げ、巨大な鳩時計にふさわしい巨大な鳩が時刻を告げるために飛び出す様子を想像する。

「鳩だけでも一度、見てみたいものだ」

メタナイトはなんとなく、そう呟いてみた。

しかしその直後、突然扉が開いて何かが飛び出す。

「なっ!!?」

木製とも金属製ともつかない無機質なアームが騎士に向かって伸びて、避ける間も無く丸い頭を鷲掴みにした。

「く……離せっ!!」

騎士は不愉快なアームを掴もうと必死に手を伸ばす。
だが辛うじてアームに手先が触れた瞬間、頭から爪先にかけて全身に電流が走った。

「ぽ゛お゛お゛お゛お゛お゛っ!!?!?!」

視界が真っ白に染まり、命の危険すら覚えているというのにその場から逃れられず、素っ頓狂な声を上げてしまう。

強烈な電流によって身体の自由が奪われる中、騎士の脳内に特定のイメージが現れる。

(こ、これは……………っ!?)

他の事を考えたくとも思考に白い鳩の概念が割り込んで上書きされてしまい、自身に伝わるあらゆる感覚的な刺激が全て『鳩』であるように感じられてしまう。

「ぽ……ぽぉ……っ♡」

口からは自然と鳩の鳴き声が漏れ、五感全てを鳩として感じる事で電流の痛みにすら恍惚としていた。

断続的に鳩の概念を流し込まれ続けていたが、唐突に電流が止まり、頭を掴んでいたアームが外れて扉の中に素早く戻っていく。

(な………っ)

奇妙な感覚から解放されて正気に戻り、暫しその場で唖然とするメタナイト。

(ななんだったんだ、一体……)

鳩である事に快感を覚えさせる、一種の催眠か洗脳か何かを施されかけていたのだろうかと推察するが、平常な精神でそれはないだろうと払拭した。
気を取り直して探索を続けようとしたが、今度は拘束を受けていないにも関わらず自身の身体が動かない事に気づく。

(う、動けない!?)

鳩時計に向き合ってその場で直立したまま、ピクリともしない。
考える事は出来るが、それだけであり、騎士は焦る。

(一体どうすれば!?)

ふと目の前の鳩時計の針が動き始めている事に、カチ、カチ、という音で気づかされる。
秒針が回り、長針が上方に近づくにつれて胸の高鳴りのようなものを感じ始める。
それが何であるかは分からないなりに、これから起こる何かについて憂慮させられた。

(もうすぐ……11時だ………)

秒針と長針が共に頂点に近づき、鼓動が早くなる。

カチ、という音と共に針が頂点を刺し、上方の扉が開いた。
しかしながらそこから時刻を告げるべき存在が現れる事は無く、代わりにはるか下方で大声を上げる者があった。

「ぽポッポーーーーッ!!!!!♡♡♡ポッポーーーーッ!!!!!♡♡♡」

声の主はメタナイトだった。

騎士としての威厳のある姿に見合わぬ間抜けな鳩の鳴き真似を本人の意図せずして行いながら、一回鳴く毎に強烈な快感に包まれ射精してしまっていた。

(なっ!?なんだこれはッ!!?!か身体が勝手に!!♡♡)

両足をガニ股に開いて大声で鳴きながら両腕を左右に広げて上下に振り乱す様はさながら鳩そのものであり、興奮しきった陰茎を晒しているのも相まって、騎士としてあるまじき滑稽な様であった。

「ポッポーーーー!!!!!♡♡♡ポッポーーーー!!!!!♡♡♡ポッポーーーー!!!!!♡♡♡」

自分は時刻を告げる鳩なのだ、鳩は時刻を告げる為に鳴かねばならぬのだとの認識がメタナイトの脳内を次第に埋めつくし、射精を止められない異常な状態にも関わらず安堵にも似た快楽に溺れきっていた。

(くっ!!♡♡こんな、筈ではッ!!♡♡♡)

恥辱の感情はあるのだが顔は歓喜の表情で固定され、口からは大声で鳩の鳴き声を出し、両腕はバサバサと振り上げるしか出来ず彼の内なる情動を外から伺い知る事は出来そうにもなかった。

「ポッポーーーー!!!!!♡♡♡ポッポーーーーッ!!!!!♡♡♡………

11回鳴き、11回射精すると、扉が閉まる。

するとメタナイトは開いていた両足を揃えて立ち、両手を腰に添えて密着させ、沈黙した。

(お……終わった………のか……?)

メタナイトは閉じられた扉を見つめ、存在しない鳩の姿を思い浮かべる。

(そうか時を告げる時以外は、静かにしているべきなのか)

異常に騒がしい状況から一転して、再び辺りを沈黙が支配する。

(だが、このまま鳩としていつまでもここに居る訳にもいかない)

そう思って歩きだそうとしたが、身体の自由は戻っておらず、その場に留まらざるを得なかった。

(せめて助けが来れば……!)

硬直して時計と向き合いながら、部下たちの無事を祈るメタナイト。



しかしながらすぐには救助が来ず、結局助けられたのは時計が11時59分を刺す瞬間だった。

動かない騎士を不審に思った部下が近寄った瞬間に針が12時を刺し、再び大声で鳴きながら腕を振り上げ射精し始めてしまい、部下たちの混乱と困惑の悲鳴を浴びせられてしまうのは言うまでもなかった



試食おわり