バラ肉
2024-11-09 23:33:32
4524文字
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腹の虫

アタブロで、事後処理するブロの話。R15

浴室の壁に片腕をつき、下腹にグッと力を込める。
「んくっ……!」
すると、反対の手で器用に開いた尻たぶの間から、ドロっとした体液が零れた。
それを皮切りに、ドプッ、コポッと次々に後孔から白濁が零れ落ちていく。

「ハアッ、ハアッ……ん、ぐっ!」

一体どれだけ吐き出されたのか。
息を詰める度に溢れる残滓に、ブロッケンJr.は切な気に眉を顰めた。
本当は指を入れて掻き出した方が早いのは分かっている。
しかし、グズグズに犯されたそこは今もなお敏感なまま。触れたら最後。モノが自分の指であっても、貪欲に飲み込み、しゃぶり、鎮火した筈の快楽を再度求めるように誘うのは目に見えていた、
そのため、ブロッケンはどうにか腹筋の力だけでことを収めようと、胎内から絞り出すように大きく息を吸って、鼻から出す。
「っん、ふッ……んうぅッ」
己のものと思えないほどの甘い吐息に羞恥を覚えつつ、彼はそれを何度か繰り返した。



そうして、どうにか出るモノが無くなったのを感じたところで、改めてフゥ……と大きく息を吐く。

「流石に……もうっ、いい、よな……っ?」

自問する声はまるで全力疾走した後のように上擦っていた。
……やっと、終わった)
一気に重くなる体を壁についた腕一本でなんとか支えながら、彼は再度大きく深呼吸する。
あとはもう、軽くシャワーを浴びるだけ。それが終わればようやくゆっくり休むことが出来る。
額と頬にへばりついた髪を鬱陶しそうに伸びた腕に擦り付けながら、彼は軽く眉を下げた。
慣れない作業に、思った以上に体力が奪われた感は否めない。
顔には事後の気怠さとは違った疲労の色が覗いていた。
そもそも、いつもは足腰立たなくなるほどに犯されるため、こう言った後始末は相手に任せる事が殆どなのだ。太く逞しい腿の片側に跨り、開いた後孔に太い指を差し込まれ、鍵形に曲げた指先に掻き出される。その間、本人がすることといえば、ぎゅうと相手の首に縋り付いて、漏れそうな嬌声を耐えることぐらいだ。
しかし、今回はたまたま明日外せない用事があるという事で控えめなセックスになったのが、運の尽き。
普段と比べて余力が残っていることもあり、ならばわざわざ恥ずかしい事後処理を他人に任せる必要もない。ましてや相手は尊敬する男だ。
今日は自分でやるよ!と向こうに遠慮した顛末が、これである。

(まさか、こんなに大変だなんて)

ブロッケンとて、別に中に出される行為自体は嫌いでらない。むしろ気持ちとしては嬉しい方だ。
肉棒の熱さや血管の隆起の感触は、ゴムがあるとないとでは雲泥の差。たった一ミリ足らずとはいえ、やはり薄い膜越しのペニスは生を知っているだけに物寂しい。
何より、普段はクールぶった男がはしたなく欲望を撒き散らす感覚は、何度味わっても身震いするほどの興奮を覚えるのだ。
病みつき、とまではいかないが、きっとゴムの有無によってはその時の行為への熱中度は違うかもしれない。

だがしかし、自分で後始末をするのがこれほど疲れるとは——彼にとって大きな誤算だった。
滅多にやらないからこそ、ブロッケンは我が身の状況を冷静に顧みる事ができたのだろう。
(これなら、翌日に備える時はゴムをしても良いかも。もしくは外に出してもらうか……
息を整えるついでに、床のタイル地を見ながら今後の性交渉のあり方に思案する。それは酷く他愛もなく、しかし彼にとっては死活問題に等しく。

なので、ぼんやりする頭をなんとか動かしていたブロッケンは、ガチャッ……と浴室のドアが開くのに気づいていなかった。

更に、
 
「良い格好だな

「ひッ!!!」

許可もなく、いきなり尻を撫でられてしまうなんて予想だにしなかっただろう。
キュッと持ち上がった滑らかなラインを描く臀部に無骨な指が這う……そのなんとも言えぬ感触に、彼は驚きとは違う意味で体をビクビクッと震わせた。

慌てて振り返れば、そこにはバスローブに身を包んだ男こと、ブロッケンの所属する血盟軍の隊長兼、恋人であるキン肉アタルが仁王立ちで立っていたのである。

「ちょっ、勝手に入ってくるなよ!?」

また、マスクから覗く視線が下の方を見ている事に気付いた彼は、自分がドアに向けて尻を突き出すような体勢を取っていた事を思い出し、頬がカッと熱くなる。
つまりそれは、白濁に汚れた、赤く腫れぼった蕾を相手に晒しているのに等しく。

「遅いから心配して来れば、随分と扇状的なポーズだな? ブロッケンJr.……

さも絶景を眺めるように細くなる目に、全身に羞恥が駆け巡る。

「ッ〜〜〜!!??」

言葉にならない悲鳴を上げたかと思えば、ブロッケンは凄い速さでその場にしゃがみ込んでいた。
粗暴者で有名な彼も、流石にこんな不躾な視線を送られて尚、そのままで居られる度胸はない。
しかし、アタルはアタルで、彼の痴態を存分に眺めてから声をかけただろう。
マスクから覗く目元は未だにニヤニヤと弧を描き、悪気など微塵もない。むしろ床に垂れ落ちた白濁の跡に対し、満足気にフンッと鼻を鳴らす有様だ。

「ちゃんと出せて偉いじゃないか。しかし、時間がかかり過ぎだ……そんなに出したつもりはないぞ?」
「ハアッ!? これで、そんなに出したつもりはないだと……

飄々と言い退けるアタルに、ブロッケンは信じられないとばかりに目を見開いた。散々苦労して出したのに、言うに事欠いて何という言い草だ。
しかし、腕組みして立つ相手に他意はないらしい。

「そうだろう? いつもは2回以上は抜かずにしているのを忘れたのか」
まあ、数える余裕がないだけかもしれんがな。

そう肩を竦めるアタルは、ついでにやれやれと頭を左右に振る。彼にしてみれば、たった一度の射精で泣き言を吐かれる方が心外のようだ。
また、暗にいつもはもっとすごい量を出していることを示唆する言葉に、ブロッケンは普段どれだけ己の中に放たれているか想像して……堪らず下腹がジンッと疼いてしまった。

(確かに、いつも訳がわかんなくなるほど抱かれてる自覚はあったけど……

まさかの事実を知らされ、顔が熱くて仕方ない。
白い肌を真っ赤に染めて蹲る彼は、つい先ほどまでぐずぐずに溶かされた自らの胎内を穿っていたアタルのペニスを思い出したのか。ちょうど目線の高さにある相手の腰元へ寄せた瞳は、しっかりと熱を孕んでいた。
布一枚隔てた向こうにある肉棒は酷く凶悪で、傲慢で、勝手で。それでいて、持ち主同様にブロッケンという男を夢中にさせて。

「なんだ? 今日はもう終わりなのだろう?」

物欲し気な眼差しにかかる声に抑揚はなく、相変わらず感情を読むのが難しい。

揶揄しているのか。
それとも、もっと欲しいのか?と問いかけているのか。

真意を掴もうと顔を上げたブロッケンは、そこで真っ直ぐこちらを見つめる碧眼とぶつかった。
普段よりも幾分か細くなった目は、さながら相手ので出方を窺う監視者のごとく。決めるのはお前だ、と答えを委ねているようだ。
だから、ブロッケンは蛇に睨まれたカエルよろしく、震える唇で、半ば無理やり自らの意思を言葉として紡いでいく。

「ッ……明日は、正義超人の皆んなとチャリティイベントに出る予定で……
「ああ、そう言っていたな」

「だからッ、……ヘマは出来ない、から」
「たしか、スグルもわざわざ地球に来るという話だと聞いたぞ?」

「これ以上したら、オレ……。ラーメンマンは特にオレのこと見てるし」
「保護者として、トチっていないか心配なのだろう。お前の動きは目が離せないからな」

「ううっ……だ、だから、その……ッ」

言い訳がましく語る説明は、実は今日顔を合わせた時点でした内容と同じだ。
『いつもの如く激しすぎるSEXをしてしまったら明日のイベントに響く』
出会い頭早々に腰を抱いてきた男に、牽制として予めそう注意した上で、「一回だけなら……」と答えを示したのは、誰でもないブロッケン自身なのである。

「今夜の主導権はお前に託した筈だぞ?」

静かに吐かれた最後通牒に、ブロッケンは唇をギュッと引き締めた。

そして、考えること数秒。

……明日も、会ってくれるか?
 アタル……

目元を潤ませながら答えを出した若者は、燻る熱を明日に繰り越す事にしたようだ。
本当はこのまま流されて2ラウンド目に入りたい。だが、かと言って与えられた仕事を疎かにすることはできない。天秤にかけた末に、苦渋の決断で導き出した答え。
らしいと言えばらしい回答に、アタルはコクンと頷いてやる。

「ああ、勿論だ」

言うなり、その場に跪いた男は、同じ目線になった愛しい恋人の顎を掴んだ。繊細な手つきは、相手が超人から人間に戻っているための配慮だ。感情のままに抱き潰して終えば、目の前の脆い肉体は壊れてしまう。

(これでもセーブしているんだがな)

代わりに、自らの欲望を胎内に吐き出し、擦りつけている事実を鈍感な青年が気付くのはいつ来るのやら。

(まあ、バレてもバレなくても……この男が可愛いのに変わりはない)

アタルは空いた手でマスクをそっと持ち上げると、ブロッケンが戸惑いの声を上げるより先にその唇を奪っていた。
ぬるり。
伸びた舌が縮こまった舌を探り当て、絡めて、擦り合わせる。

「んぅッ、んっ、ふぁ、んんッ」

明日まで、彼が己のことを忘れないように。
獣のマーキングと同じ。
自分の所有の証を残していく。

(それに……お楽しみは後の方が、互いに燃えるというものだ)

多くは語らずとも、じっとりと注がれる視線は余りにも雄弁だ。
だからブロッケンも、最初は恥ずかしさに強張っていた体を解いて、おずおずとその首に腕を回した。

「ぅんんッ、ふぁ、ン、ンッ!」

2日続けて抱かれるなんて、彼にとっては酷く浅ましい真似なのに。約束された明日が今から待ち遠しくてならない。

(今度こそ、いつものように汚されるんだ)

一時でもゴム無しのSEXを考えた自分が、今更ながら愚かしくてならない。
なぜなら、この男の熱を感じられるのは自分だけの特権なのだ。
例え、息吹くことのない種にしてしまっても、この体は彼の愛情という蔓草に全身を覆われている。今更、あの白くて淫らな甘露を止めるなんてとんだ罰当たりであろう。

何より、この男の【恋人としての仕事】を放棄するに等しくて。任務を第一とする彼には土台無理な話なのだ。

「んぁッ……アタル、ッだいすき……んっ、んんッ」

自分の決意を途切れ途切れに呟けば、分かっているとばかりに後頭部に手が伸び、更に深い口付けを求めてくる。
そんな露骨な男へ、ブワッと愛しさがこ込み上がる。連動してキュンキュンと内壁が疼く。
今日はもうその予定は潰れた癖に。
なので、ブロッケンは正直な体を誤魔化すためにも、送られるキスの感触に酔いしれるのだった。




【腹の虫は、男の味を知ったその日からずっと、空腹を訴えていたというのに】