haru_haru0704
2024-11-08 19:28:33
730文字
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俺の恋人

カカロ×忌炎 全年齢

団長の過去について妄想しました

ゴミ箱を漁る野良犬。腐肉にたかる蛆虫。
それは、まだ共鳴能力を持っていなかった幼少期のカカロに投げつけられた言葉だ。

灰色の悪魔。路地裏に潜む猛犬。
成長して共鳴能力を得たカカロは、多少の恐れと皮肉をもってそう呼ばれるようになった。

雷と茨をまとう幽鬼。魂を啜る悪霊。
重大なオーバークロックの果てに変質したカカロを、かつての仲間はそう評した。

どの呼び名も間違ってはいない、とカカロは思う。
幼い頃は、人間らしい暮らしをしていなかった。
共鳴能力が発現してすぐの頃は、人間らしい精神をしていなかった。
そして今は、人間らしい肉体をしていない。
だから、何と呼ばれようとも構わない。
そもそもカカロ自身が、自分のことを人間だと思っていないのだ。
だって、そうだろう。
心臓を貫かれてなお死なぬものを、いったい誰が人間などと言えるのか。
そんなものは、人間どころか生物ですらない。
友や家族の周波数を吸い取って、ぽっかりと空いた胸の空洞に埋め込んで、そうしてカカロは今もなお稼働し続けている。
魂を啜る悪霊とは、カカロという存在をまさしく的確に言い表した言葉であった。

そういう話を、忌炎にしたことがある。
深い仲になったのだから、一応伝えておこうと思ったのが理由だ。
彼はカカロの話を静かに最後まで聞いて、そして少しだけ考えてから口を開いた。
それでも、俺はお前が人間に見える。
たとえ、体が人間のつくりをしていなくても。
お前の心は、人間に見えるよ。
そうでなければ、好きになったりしない。

俺の恋人。
忌炎は、カカロのことをそう呼んだ。
人扱いされるのは、なんだかこそばゆい。
だが、犬だの幽霊だのと呼ばれるよりは、ずっとずっと嬉しかった。