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ミズト
2015-03-25 01:07:35
1836文字
Public
◆A
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すりすりぎゅーっ!できゅん♥として☆
どちらかというと御クリ寄り?/なんかエロゲの主題歌みたいにしたいなぁとか思ってつけたタイトルなのでふざけている
御幸が風呂から上がってリビングへ向かうと、ソファーに凭れてすうすうと寝息を立てているクリスがいた。
寝室へ促すためクリスを起こそうと御幸は彼に近づき、眠っているせいで普段より幾分かあどけない顔を覗く。
「‥‥」
こうしてじっと寝顔を見つめるのも悪くないな、と、御幸はその品の良い寝顔を暫く眺めてから、小さく声をかけた。
「クリス先輩」
ぴくり、と長い睫毛が震え、やがてゆっくりと瞼の下から茶金の瞳が覗く。
「‥‥‥」
少し寝ぼけているようなその様子に苦笑しながら、御幸は「寝るならちゃんとベッドで寝ないと」と促した。
「んん‥‥‥」
小さく唸るとクリスは目の前の御幸の肩にぽてん、と額を載せた。頬にクリスの柔らかい癖毛が当たって気持ちが良い。
「クリス先輩」
「んー」
クリスの髪に頬をすり寄せてその感触を楽しむ。あまり触れ合った経験はないが、なんだか大型犬にじゃれているような気分だ。
「眠いんですか?」
「んー‥‥」
「‥寝ぼけてます?」
「んー?」
「ははっ、甘えてるんですか」
「んー」
必要最低限の音で意思表示をするクリスが仕方なくて可愛くて、御幸はくくく、と喉を鳴らした。寝室へ促すつもりだったのに、こうしてくっついているのが心地良くて、いっそ二人してソファーで微睡んでしまいたくなる。まったりとした空気にくぁ、と御幸があくびを漏らすと、クリスが「‥‥寝るか」と呟いた。
ベッドに入るとすぐにクリスが腰に腕を回し、御幸をぎゅうと抱きしめてきた。体中ぴったりと密着させ脚を絡ませる。鎖骨の辺りに鼻先をすり寄せられて御幸はくすぐったさに唇を震わせた。
(‥‥‥なんだかこれは)
ベッドの中で体を密着させるなんて、普通ならば情欲を誘う行為だが
――
今も少しはその要素もあるが
――
それよりもこの色気の無い直截で無遠慮な密着に、自分が抱き枕にされている感覚の方が勝った。
「先輩、俺は抱き枕ですか」
「正解」
くすくすと笑う吐息が鎖骨にかかってくすぐったい。
「ったく、なんかやたら甘えん坊ですね?やっぱ寝ぼけてます?」
「さぁな‥‥」
目のすぐ下に見えるクリスのつむじがやたら可愛く思えて、御幸は髪を梳くように頭を撫でた。
「せーんぱい」
「うん」
「ふふ、‥‥かわいー」
普段は自分が甘えて
――
というか甘やかされて、頼ってばかりのクリスを、自分が甘やかしているこの状況に、言い様のない愛おしさや快感に似たものが胸の奥をくすぐった。可愛い、もっと可愛がりたい。甘やかしたい。何でも言うことを聞いてあげたい。兎角甘やかし上手なクリスを甘やかすことは御幸の心に新鮮な悦びをもたらした。理不尽なわがままとか拗ねた態度とか取ってほしい。
――
あぁ、俺はマゾヒストじゃないのに。
クリスもクリスで、「かわいー」という御幸の言葉に特に気分を害した風もなく享受しているところを見ると、甘やかされてまんざらでもないようであった。
「先輩、おやすみなさい」
――
いらえはない。
「先輩?」
起きていることは気配でわかる。無言でじっとしている様子からすると、おそらく眠るのが惜しいのだろう、さっきまでソファーで居眠りしていたくせに、と御幸は苦笑した。
「おやすみしたくないんですか?」
子供に尋ねるような口調になる。心なしか呂律もふわふわと怪しい。
無言でこくんと首が縦に振られ、御幸は「かーーわーーいーーいーー!!!」という絶叫をどうにか心の中に留めた。
「もー、だめですよ、眠いんでしょ先輩」
そう言ってあやすようにぽふぽふと逞しい背中を叩くと、
「‥‥御幸はおやすみしたいのか?」
ちらりと上目遣いにそんな訊き方をしてくるものだから、全身の血管が沸騰するような錯覚に襲われた。先輩どこでそんなん覚えてくるんですか。完璧ですありがとうございます。
無言で感動を享受している御幸の様子が可笑しくてクリスはくつくつと喉の奥で笑うと、
「しょうがない、おやすみするか」
と言って再びきゅっと抱きしめる腕に力を込めた。もはや自分の方が眠るのが惜しくなっていた御幸は何だか上手く弄ばれたような気分になりながらも「‥‥‥はぁい、おやすみなさい」と返した。
「うん、御幸、いいこいいこ」
首元に顔をうずめたまま御幸の頭を撫でると、目の前の肌がさぁっと赤く染まったので、クリスはまたくつくつと笑った。
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